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「高慢と偏見」 [映画]

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〔1940年/アメリカ〕


イギリスの田舎町で暮らす、
ベネット家には、
年頃の娘が5人いる。


娘を早いところ嫁にやらなければ、と、
母親・ベネッ夫人は躍起になっていたが、
そこへ、大金持ちの青年・ビングリーが
町の別荘にやって来るとの噂が入る。


ベネット夫人は早速、舞踏会で、
娘たちとビングリーを引き合わせる事にする。
ビングリーと、長女のジェーンは、
互いに惹かれ合うが、
ビングリーの友人・ダーシーと、
次女・エリザベスの出会いは最悪。


舞踏会の最中、エリザベスは、
ダーシーが自分たちの悪口を言っているのを聞いてしまったのだ。
エリザベスはダーシーを、
「高慢で嫌な男」と決めつけ、
本当は彼に惹かれている気持ちを、
押し隠すのに必死。


そんな中、
ベネット家の遠縁の男・コリンズが、
エリザベスにプロポーズし・・・。





ジェーン・オースティンの長編小説の映画化。


キーラ・ナイトレイの「プライドと偏見」は観ているけれど、
こちらは、それより65年も前の映画。


古いといえば、
この原作自体、
出版されたのが1813年だという。
昔のお話だとは分かっていたけれど、
200年も前だとは思わなかった。


確かにそう言われると、
納得できる部分がある。
なにせ、当時の法律では、
女性には相続権が無いというのに驚く。


つまり女は、
適当な男と結婚して、
養ってもらわない限り、
親からの財産は何ももらえず、
路頭に迷ってしまうという事なのよね。


そういう事情なら、
母親が娘の将来を心配して、
少しでも金のある婿を探すのに、
必死になる気持ちも分からなくはない。
親にしたら、
せっかくの自分の財産が、
実の娘でなく、
縁の浅い、親類の男に渡ってしまうのは、
忍びない思いだったろう。


架空のお話とはいえ、
このベネット家で、
立て続けに女の子が5人も産まれた時は、
絶望的な気分だっただろうなぁ。


・・・って、他人の財産の心配より、
5人の娘の恋愛模様が、
この物語のテーマなんだけど、


私にはちょっと面倒くさいかなぁ、
恋の駆け引きが。


まぁ、喧嘩しながらも惹かれ合うってのは、
今でも、恋愛の物語ではよくあるパターンだけど、
200年も前の事、
何だかまだるっこしくて。
私には、この物語を楽しむ能力が無いのかもしれない。


一つ、母親の取った作戦は可笑しかった。
ジェーンが、ビングリーの家に行くのに、
雨が降りそうだからと、
馬車でなく、馬で行け、と言う。
雨に当たって、風邪を引いたら、
ビングリーの家に泊まって来られるから、と。


そんなすぐ風邪なんか引くかい!と思ったけど、
作戦は成功して、
ジェーンは一週間も彼の家で世話になる。
そうか、その手があるか・・・
・・・って、
今なら、「コンビニで傘買えよ」と言われて
お終いであろう(笑)。


評価 ★★★☆☆

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コメント 8

nikopon

そういえば「高慢と偏見とゾンビ」が上映中ですね。
めっちゃ気になってます。
by nikopon (2016-10-20 22:05) 

KENT1mg

タイトルがそのまんま直訳なところが
逆に新鮮です。^ ^
by KENT1mg (2016-10-20 22:54) 

よーちゃん

「コンビニで傘買えよ」と言われて
お終いであろう(笑)。
、、、ワロター( ̄▽ ̄)
by よーちゃん (2016-10-21 08:58) 

裏・市長

おはようございます!。

200年前!の原作に70年前!の映画。
原作はもちろん読んではおりませんが、
映画化される時点で、
ある程度、現代風にアレンジしてるんだろうなぁ。

じゃあないと、当時で130年前のベストセラーを
映画化なんて、それこそコンビニで傘買えよ!並みの
強烈なツッコミが館内にこだましているだろう・・・。

いやぁ、女3人嫁に出すと家が絶える…なんて、
言われるけど、立て続けに5人ともなると、
もうどれだけあきらめが悪いのかと思われる。
若草の四姉妹でも多いわ!と思うのに・・・。

ウチの母親の実家が7人きょうだいで、
うち男1人。男は3番目だったが、
その当時、日本はイケイケドンドンで、
兵隊さんを大量生産する国だったので、
産めるだけ産む!という勢い。

なんか10人産んだら表彰されたらしいぞ・・・。

寺岡家唯一の男も娘を2人、嫁に出したら
やはり家が絶えた!というか、もうじき絶える。
今、その直前。風前の灯。

嫁に出した先の亭主の稼ぎが悪いので、
娘が実家に頻繁にあさりちゃんに来るそうだ。
そんな不足は、婿に言えよ!と思うが、
家が絶えるまでのあとわずか、我慢するそうだ。

と、こんな事をここに書かれても非常に困るな。
書き終えてから気がついた・・・。
by 裏・市長 (2016-10-21 10:08) 

青山実花

nikoponさん
コメントありがとうございます

実はこれは、
「高慢と偏見とゾンビ」の予習の為に観ました(笑)。

by 青山実花 (2016-10-23 13:05) 

青山実花

KENT1mgさん
コメントありがとうございます

ほんと、昔の洋画って
直訳率高いですよね^^
変にひねった邦題を付けるくらいなら、
直訳の方がずっといいですね。

by 青山実花 (2016-10-23 13:08) 

青山実花

よーちゃんさん
コメントありがとうございます

受けましたか^^
自分なら絶対そう言うだろうなと思いまして(笑)。
by 青山実花 (2016-10-23 13:11) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます

あ、私も時代劇などを見ていて、
時々、そう思う事があります。
どんなに昔の雰囲気を出そうと頑張っていたとしても、
「当時の着物は、こんな良い生地じゃなかったんだろうな」とか
「こんな良い物食べてなかったんだろうな」とか
考えてしまうので。


きっと、ベネット家のお父さんもお母さんも、
「男の子が生まれるまでは!」と
頑張ったんでしょうね^^;
なにせ、男が生まれないと、
財産は全て男の親戚に取られてしまいますから。


寺岡様ご一族は、
お子様は7人ですか。
「産めよ増やせよ」の時代、
7人はご立派だと、
ご近所からも褒められた事でしょうね。

しかも、兵隊さん候補はお一人ですから、
きっととても大切にされたのでは、と想像します。

ご一族は、
どちらかというと女系家族なのでしょうか。
その後生まれるのも女の子の数の方が多いようですが。

私は、「家」とか「お墓」の概念0%ですので、
女が多い方が、何かと面倒がなくて好きです。

> と、こんな事をここに書かれても非常に困るな。

いえいえ、興味深く読ませていただいております。
どうぞ、これからもこのコメント欄は
ご自由にお使い下さい。

by 青山実花 (2016-10-23 13:56) 

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