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「鍵」 [映画]

kagi.jpg
〔1997年/日本〕


大学教授の安西(柄本明)は、
妻・郁子(川島なお美)との性生活を日記に書き、
それを郁子が読んでくれる事を願って、
机の引き出しの鍵を、
わざと目に付く所に置く。
安西の望み通り、
郁子は毎日・彼の日記を読むようになる。


ある日、野卑なカメラマン木村(大沢樹生)と
知り合った安西は、
郁子と木村を近づけ、
嫉妬する事によって、
自分の欲望を高めようとする。


木村を家に招いた席で、
酒に酔った郁子は、風呂場で倒れ、
ベッドに運ばれる。
その際、朦朧とした意識の中で、
木村の名前を呼ぶ郁子に興奮した安西は、
その後も、何度も郁子を酔わせては、
ベッドを共にする。


郁子も自分の性生活を日記に書くようになった。
それを密かに読んでは、
ますます興奮するようになった安西だが、
度が過ぎた行為は、
次第に彼の健康を蝕んでゆく・・・。





先日亡くなられた川島なお美さん主演の映画。


川島さんが亡くなられたからと、
わざわざDVDを借りにいったわけではなく、
たまたま友人が持っていたDVDの中に、
この作品があり、
せっかくだから観てみようと思った次第。


谷崎潤一郎の原作は読んでいないけれど、
京マチ子さん主演の同名映画は観ている。
しっかし、こんな内容だったかと、
ちょっと首をひねる。
基本のお話は同じなんだろうが、
こちらは、川島さんがよりエロティックに見えるように
作られているのだろう。


いや、しかし、調べてみると、
京さん版の方も、当時、成人映画に指定されたようだ。
そこまでするほどのエロではなかったと記憶しているけれど、
1956年当時としては、
十分に凄い内容だったのかもしれない。


それにしても、面白いなぁ、主人公の安西さん。
彼はもう、24時間、
妻の体の事しか考えていない(笑)。
夫婦なんだから、好きに楽しみなよ、と思うけれど、
どうにもこの夫婦はよそよそしく、
思っている事を口に出せないらしい。


その原因の一つに、
妻が貞淑すぎるというのがある。
時代のせいもあるのだろう。
女はつつましく、
夫の言う通りにしていればいいと教育されているらしく、
安西はそれが物足りないのか、
いや、むしろ、興奮するのか。


で、日記。
相手が読む事を分かっている日記を書くなんて、
不思議に歪んでいると思うけれど、
これが谷崎潤一郎らしいというのだろうか。
今度原作を読んでみよう。


川島さんは、思っていたほどヌードにはならないけど、
それでも、全裸を見せるシーンがある。
ネットで、皆さまの感想を読んでいると、
それ目的で観られたかたが殆どのようだ。


評価 ★★★☆☆

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コメント 16

原みつる

お久しぶりv(〃☯‿☯〃)
なかなか投稿などできませんが よろしくお願いします。
by 原みつる (2015-09-26 12:32) 

ぼんぼちぼちぼち

原作は遥か昔に読んだので記憶がおぼろげでやすが、谷崎らしい作品だなぁと思いやす。
川島なお美さん主演でも作られていたのでやすね。
早く過ぎる訃報に驚きやしたね。
合掌てやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2015-09-26 14:20) 

KINYAN0829

同世代の人間として心よりお悔やみ申し上げます。
by KINYAN0829 (2015-09-26 17:29) 

Mitch

川島なお美さんのご冥福をお祈りします。
by Mitch (2015-09-26 18:57) 

don

川島なお美さん、やっぱりワインでしょうね。

飲みすぎは、命をカンナで削ってるようなものです。
と、飲みすぎの僕が言ってもしょうがないのですが^^
by don (2015-09-27 00:14) 

desidesi

川島さんは、「アイアイゲーム」でアシスタントとして登場以来、
人気急上昇で、のちに出演者になったんじゃなかったっけ?
お笑いマンガ道場などでも活躍されていましたね〜♪ (๑◔‿◔๑)
最初の頃はセクシーというより、とにかく可愛かったんですよ〜♪
by desidesi (2015-09-27 15:08) 

青山実花

原みつるさん
コメントありがとうございます。

こちらこそ、これからも宜しくお願いします。
またホラー映画の紹介をお願いします。

by 青山実花 (2015-09-27 17:59) 

青山実花

ぼんぼちぼちぼちさん
コメントありがとうございます。

原作、読まれておりますか。
映画を観ただけで谷崎らしいので、
原作はもっとだと想像します。
今度読んでみます^^

川島さん、若すぎますよね。
ぼんぼちさんも、私も、
お互い健康には気を付けていきましょう。

by 青山実花 (2015-09-27 18:04) 

青山実花

KINYAN0829さん
コメントありがとうございます。

まだまだやり残したことが沢山あったでしょうに、
ご本人も無念だった事と思います。

by 青山実花 (2015-09-27 18:11) 

青山実花

Mitchさん
コメントありがとうございます。

もっともっと生きたかったと思います。
残念です。
by 青山実花 (2015-09-27 18:23) 

青山実花

donさん
コメントありがとうございます。

私もそれは少し思いました。
ワイン好きを標榜していた川島さんは、
飲みたくない気分の日でも、
断れない事もあったのではないかと。
それもこれも、今さら仕方ない事なのですが。
by 青山実花 (2015-09-27 18:25) 

青山実花

desidesiさん
コメントありがとうございます。

今、テレビで盛んに川島さんの人生を辿った
特集が組まれていますね。
出演番組の中には、
様々なバラエティ番組もあったようで、
「なるほど~」と言いながら見ています。
本当に、デビュー当時のお写真は、
とても可愛らしいですね。

by 青山実花 (2015-09-27 18:40) 

mitu

たまたま今、「春琴抄」を読んでいます
谷崎潤一郎作品は、映画「細雪」を観てから、興味を持ちましたが、自然描写や、日本文化の描写などがとても美しいなぁと感じています
お嬢さんのことを、糸さんとかこいさんとか云う関西言葉を知るのも面白いです^^
by mitu (2015-09-28 08:10) 

青山実花

mituさん
コメントありがとうございます。

「春琴抄」、私も読みました~。
本当に面白かったです。
他の小説も読んでみたいです。

いとさん、こいさんの物語なら、
山崎豊子さんの、「女系家族」が絶対おすすめです。
面白くて面白くて、あっと言う間に読んでしまいます。
もし未読なら、mituさんにも読んでほしいです。

by 青山実花 (2015-10-02 21:04) 

mitu

、「女系家族」読んでみますね~
読むの遅いから、いつになるか・・・なんですけどね(#^.^#)
by mitu (2015-10-03 08:04) 

青山実花

mituさん
コメントありがとうございます。

「女系家族」ぜひぜひどうぞ。
私も、もう一度読みたくなり、
ブックオフで探してしまいました。
高かったので、
やっぱり図書館で借りてきます^^;

by 青山実花 (2015-10-10 19:00) 

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