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「大いなる遺産」 [映画]

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〔1946年/イギリス〕


13歳の少年ピップは、両親を失い、
今は姉夫婦に養われている身。
ある日、彼が一人で墓地に行くと、
足枷をした脱獄囚に遭遇し、
食べ物とヤスリを持ってこいと命令される。


命令に従ったピップだったが、
結局脱獄囚は逮捕される。
しかし、連行される寸前、
彼はピップを思い遣る言葉を発する。


その後、ピップは、
近所の邸宅に住む女・ハヴィシャムさんの養女・エステラの
遊び相手に選ばれ、通うようになる。
エステラは心の冷たい少女だったが、
その美しさに、ピップは強く心惹かれる。


しかし、そんな日々も長くは続かなかった。
14歳になった彼は、
鍛冶屋の見習いとして、
働かなくてはならなかったからだ。


6年後、20歳になったピップに、
突然、弁護士から連絡が入った。
ある人物がピップに莫大な財産をくれるというのだ・・・。





ディケンズの最高傑作小説と言われているそうだ。


少年ピップが、
名前を明かさない人物から、
莫大な財産を譲り受けるのだけれど、
観ている者は、
その人物の候補者が2人いる事を知っているので、
どちらなのかと考える。


その設定って、ちょっとワクワクしない?(笑)
というか、
ピップが羨ましいわ(笑)。
そんな部分に注目する話じゃないのは分かってるけど、
欲深い私は、自分がそんな運命にあったらどうしようかと、
くだらない事ばかり考えてしまう。


ピップは貧しい青年から、
いきなり大富豪になって、
故郷から義理兄が訪ねて来た際に、
その野暮ったい容貌に
恥ずかしさを覚えるんだな。


つまり彼は、完全に調子こいちゃったわけで、
そのあたりに、
ディケンズの教訓めいたものが、
あるんじゃないかと思われる。


ただ、私には、この教訓が上手く自分の中に
入ってこなくて。
情けない人間だと思うわ。


それより、
掴まった脱獄囚が、
ピップの為に発した一言の方がずっと
心惹かれる。
一番好きだと思った場面はそこ。


イーサン・ホークとグイネス・パルトロー主演で、
同じ話が現代版としてリメイクされている。
ちゃんと理解するためにも、
そちらの方も観てみようと思う。


評価 ★★★☆☆

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コメント 4

mitu

うわっ!観たい、と思わせる解説。
流石ですね(^^)/
昨日テレビでオードリー・ヘップバーン主演「許されざる者」を視ました
「ローマの休日」に負けず劣らずの映画でした!
by mitu (2015-06-03 09:30) 

青山実花

mituさん
コメントありがとうございます。

いえいえ、
ディケンズの教訓を全く自分のものにできない私は、
駄目女で^^;

「許されざる者」は、
考えさせられる映画でしたね。


by 青山実花 (2015-06-06 08:44) 

こんぺいとう

私は、逆にイーサンホークとグィネスパルトロウのおおいなる遺産しかみてません。
なかなかすきな映画です。
なかにでてくる、イーサンホークが描く絵画が素敵でほしいくらいです。
音楽も良かったです。
イーサンホークは、生きてこそが一番すきですけどあっ今をいきるじゃないですよ。
あの飛行機墜落事故の実話ものです。

青山さんは、読書もされるのですよね。
私も図書館にはよく行きます。
最近張り込みがはいった松本清張の短編集を読んだばかりなので、えっあんな有名な映画なのにこんなに短いの?
とおもいました。そのかわり、青山さんがかかれてるように女の情念のようなものが強調されたような気がしました。
by こんぺいとう (2015-06-17 15:44) 

青山実花

こんぺいとうさん
コメントありがとうございます。

おぉ!
イーサン・ホーク版、観られてますか。
私も時間を作って観てみますね。
「生きてこそ」は観ています。
たしかイーサン・ホークの名前を初めて知ったのが、
「生きてこそ」だった気がします。

図書館はいいですね。
大好きです。
私もこの間、「張込み」を観たあと、
原作を読みなおしてみました。
あれは奥が深いですね。
男によって、全く違う顔を見せる女。
誰にでもそういった面はあると思いますが、
松本清張さんは、短い小説の中で、
そこをとても上手く描いていると思いました。
後世に残る作家さんって、やはり違うんですね。

by 青山実花 (2015-06-19 15:57) 

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