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「ショート・ターム」 [映画]

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〔2014年/アメリカ〕


私生活や心に、
何らかの問題を抱えるティーンを
短期間保護する施設・「ショート・ターム」。


女性職員のグレイス(ブリー・ラーマン)は、
子供たちの気持ちに寄り添い、
明るく接する、
皆の姉のような存在。


グレイスは、同僚のメイソン(ジョン・ギャラガー・Jr)と
同棲しているが、
ある日、妊娠している事に気付く。
医者からの、「妊娠は初めてか」との質問に、
彼女は答えた。
「2度目です」、と。


施設に、新しくジェイデン(ケイトリン・デヴァー)という少女が
入所してくる。
どこかひねくれた目をしたこの少女の中に、
深刻な問題を見い出したグレイスは、
父親からの虐待を察知する。


グレイスはそれを所長に伝えるが、
本人の口から訴えが無い限り、
施設はどうする事もできず、
ジェイデンは父親の家へ帰されてしまう。


ジェイデンの身に起こっている事は、
グレイスの過去にも繋がる事。
彼女はジェイデンの家に勝手に押し掛けるが・・・。





親からの、子供への虐待は、
昔よりは世間から認知されるようにはなってきたけれど、
それでも、この映画のような子供が出てくるってのは、
何故なんだろう。


私は専門家ではないし、
「ショート・ターム」のような施設で働いた事もないので、
月並みな事しか言えない。
別に自分を良い人間とも、優しい人間とも思ってはいない。
でも、これだけは言える。
親から辛い思いをさせられた子供に、
「あなたに罪はない、自分を責めないで」、と。


ここに出てくる子供たちは、
非力で、まだ自分で食べていけるだけの
生活力はない。
帰る場所は、結局親元だけ。
一体どうすればいいんだ、と、
八方塞な現状に、身悶えしたくなるような気持ち。


グレイスの父親は、
彼女が虐待を訴えた事で、
刑務所に入っているけれど、
それが近々出所するとの連絡を受ける。


激しく動揺し、不安定になる彼女を誰が責められよう。
世間にとって、父親は、
何でもない一人の男かもしれないが、
彼女にとっては、
猛獣を野に放たれたのと同じ。


余談だけど、
このような親を拒否したり、
その憎しみを口に出したりすると、
「親なんだから」と、知ったような事を言う、
お花畑のような人がいる。
なんだかなぁ、と思うわ。


決して暗い映画ではない。
出てくる人たちは、
みんな一所懸命だ。
本当は、こんな施設が必要なくなるような
世の中になるのが、
一番いいんだろうけど。


評価 ★★★★☆

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