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「縮みゆく人間」 [映画]

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〔1957年/アメリカ〕

太平洋上でヨットを楽しんでいた
スコット(グラント・ウィリアムズ)とルイズ(ランディ・スチュアート)夫妻。
スコットは一人デッキにいる時、
放射能の霧を浴びてしまう。


半年後。
スコットは奇妙な事に気が付く。
今まで穿いていたズボンがブカブカになり、
ワイシャツもなんだか大きい。
しかしルイズに訴えても
気のせいだと相手にされない。


その後もスコットの体は縮み続け、
異変に気付いたルイズと一緒に医者に行くと、
船上で浴びた放射能と、
その後に浴びた殺虫剤の相乗効果ではないかと診断される。


さらに縮んでいったスコットは、
見世物小屋の、小人症の美しい女・クラリスと知り合うが、
気付くと、クラリスより小さくなっており、絶望する。


5センチほどになったスコットは、
自宅の人形の家で暮らすようになるが、
猫に襲われ、
逃げているうちに、地下室に落ちてしまう・・・





放射能と殺虫剤の相乗効果で、
体が縮み続ける男の物語。


SF映画の名作と言われているそうだけれど、
なぜか日本では、
ビデオにもDVDにもなっていないらしく、
レーザーディクスが唯一のソフトらしい。
勿体ない事だ。
何か事情があるのだろうか。


スコットの体が、いきなり縮むのでなく、
少しずつ、という設定が大変に面白い。
誰だってシャツやズボンがブカブカになってきたら、
最初は、「あれ?痩せた?」と思う程度だろうし、
気のせいだとも思うだろう。


間違いなく自分が縮んでいると気付いた時の恐怖って
どんだけだろう。
老化現象によるそれとは、
縮み方のスピードが違うし。


スコットがリカちゃん人形くらいにまでなった時、
彼が暮らす家ってのが、
まるでリカちゃんハウス(笑)。
これはちょっと羨ましかった。
私は子供の頃、リカちゃんハウスで遊ぶのが大好きで、
こんなおうちに本当に住んでみたいと思っていたから。
(って、スコットにとってはそんな呑気な問題じゃないが(笑))


彼は猫や蜘蛛に襲われるんだけど、
さらに縮んだら、
今度は蚤や微生物が敵となるのだろう。
縮むのと、死とは違う。
決してゼロになるわけではないから。
なんだか哲学的かも。


原作はもっともっと、
大変に深いらしい。
今度読んでみようかな。


評価 ★★★☆☆

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desidesi

近年ウィル・スミス主演で映画化された
「アイ・アム・レジェンド」の
リチャード・マシスンが原作なんですね。
原作は結構悲しいエンディングみたい。

そういえば子どもの頃、
海外TVドラマで「巨人の惑星」ってあったなあ…。
宇宙船が不時着した先が巨人の住む惑星だったって話。
吹替の広川太一郎さんの声が好きで見てました。

そのドラマの中で、準主役の黒人が使う、
巨人の国のマッチとカミソリを組み合わせて作った
トマホークみたいな武器がカッコイイと思ったことを覚えてます。

子供心に、もしも、そんな惑星に行く事態になったら、
自分もアレを作ろう…なんて思いながら見てました。

小人になっちゃう設定って、なんか可愛らしい印象ありますよね。
「借りぐらしのアリエッティ」とかにも通じるけど。
by desidesi (2014-10-11 05:38) 

青山実花

desidesiさん
コメントありがとうございます。

リチャード・マシスンさんは他にも、
「激突」や「運命のボタン」や「リアル・スティール」などなどの
原作や脚本にも携わっているようですね。

「巨人の惑星」は見た事がないのですが、
面白そうですね。
ある意味、ガリバー旅行記みたいなものなのでしょうか。

人は何か困難にぶつかると、
そこにある道具を工夫して使おうと考えるようですね。
子供の頃って、私もテレビや本を読みながら、
「自分だったら」とよく考えていました。
それは今でも変わっていない気もします(笑)。

人が大きくなったり小さくなったりって、
願望のようなものがあるのでしょうか。
不思議の国のアリスもそうですし。

by 青山実花 (2014-10-14 22:24) 

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