◆死からの生還◆ [本]
昨年9月に、入院先の病院で、
心肺停止の状態になるも、
なんとか持ち直し、
現在に至っている中村うさぎさん。
とても失礼な言い方かもしれないけれど、
そのニュースを聞いた時、
うさぎさんが今後書かれるであろうエッセイが、
大変に楽しみになった。
一度死にかけた彼女が、
その時や、その前後に何を思ったのか、
いつものうさぎ節で語ってくれたら面白いだとうな、
と考えたから。
この本は、週刊文春の連載をまとめた物なので、
その時の状況や感情を俯瞰して見るといった内容ではなく、
病院のベッドで書かれた、
リアルタイムで状況を伝える内容になっている。
私も、毎週、文春をチェックしたわけではないので、
分からないのだけれど、
うさぎさんは連載を欠かさなかったのだろうか。
それとも、危機的状況がピークだった時は、
休載されていたのであろうか。
病気のお話は、本の一部で、
あとはやっぱりいつものうさぎさん(笑)。
ネットゲームで知り合った中年男性と、
関係しようとして上手くいかなかったり、
コスプレイベントに参加したりと、
やりたい事は絶対我慢しない。
そういう彼女が私は大好き(笑)。
もちろんそれだけじゃなくて、
亡くなられたお身内の事や、
映画「ヘルタースケルター」の感想、
そして、死刑判決を受けた木嶋佳苗について思う事などが、
いつもの文章で書かれており、
大変に興味深く読む。
ニュースによると、うさぎさんは再入院されたそうだが、
「命より仕事」という事で、
遺書のつもりでエッセイを書くと言っておられるそうだ。
仕事なんていいから、休んでほしいという気持ちと、
達観した今の心境を知りたいという、
私の中の矛盾した気持ち。
もちろん一番いいのは、
病気が完治して、
果敢に生きるうさぎさんが完全復活する事。
私が絶対できない(しない)事をしてくれるうさぎさんは、
私の憧れでもあるのだから。
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