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「ラヴェンダーの咲く庭で」 [映画]

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〔2004年/イギリス〕


1930年代。
イギリスの海辺の街、コーンウォール。
ここで、初老の姉妹・ジュディ・デンチとマギー・スミスは、
親の遺してくれた家で慎ましく暮らしていた。


ある日、デンチは浜辺で倒れている青年・ダニエル・ブリュールを発見し、
家に連れ帰る。
ブリュールは英語を解さず、
スミスと片言のドイツ語での会話からポーランド人だと分かる。
その日から彼は、姉妹の家で暮らすようになる。


老姉妹と老家政婦の3人暮らしだった日常に、
突然入り込んできた、若い男。
デンチとスミスは、甲斐甲斐しく彼の面倒を見、
単調だった生活に張りが出てくる。


ある日、医者が持ってきたヴァイオリンを弾き出したブリュール。
その腕前は素人が聞いても分かるくらい素晴らしく、
彼が只者ではないと悟る、姉妹や村の人々。


彼の演奏に驚いたのは村人だけではなかった。
どこからかやって来て村に住みついている、
若く美しい女流画家・ナターシャ・マケルホーンも、
彼の演奏に注目する。
高名な音楽家を持つ彼女は、
ブリュールの演奏を兄に聞かせたいと思うようになる。


しかし、ブリュールに近付くマケルホーンを、
老姉妹はよく思わずにいた。
特にデンチは、ブリュールへの気持ちが、
恋だと自覚する・・・。





映画の中で、
何か大きな事件が起こらないと、
少し物足りなく感じてしまう事が多い私だけれど、
この映画に関しては、
何事も起らなかった事に、
胸を撫で下ろせる。
「ああ良かった」と心からホッとした。


とにかく、細かい事は何も分からない。
ダニエル・ブリュールがなぜ浜辺で倒れていたのか、
どこから来たのか、
記憶喪失というわけではなさそうなのに、
映画的な説明もなく、
ただ、老姉妹の家にやっかいになる。


老姉妹にしても、
なぜ2人で暮らしているのか、
結婚歴はあるのか、など、よく分からない。


ただ、マギー・スミスが戦争で恋人を亡くしたらしい事に対して、
ジュディ・デンチは、
そのような恋の思い出が何もないような事を
仄めかすセリフがあった。


そんなデンチを襲った、
孫のようなブリュールへの恋心。
それは見ていて、とても苦しそうだった。
だって、叶うはずのない恋だものね。
デンチ自身も、自分の気持ちに戸惑っているようだったし、
マギー・スミスも驚いていたし。


恋に落ちるのに、年齢は関係ないのね。
ジュディ・デンチだけじゃなくて、
老医師がナターシャ・マケルホーンに、
思いを寄せる場面もある。


その老医師がブリュールに嫉妬する場面がいただけない。
人は、年を取ったからといって、
良識を身につけるとは限らない。


終盤がとても良い。
嬉しいんだけど、切なくて、
「これしかない」と思える終わり。


評価 ★★★☆☆

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つむじかぜ

チョット香りが薄い様ですが、家のラベンダーも今が盛りです。
by つむじかぜ (2013-07-06 18:02) 

青山実花

つむじかぜさん
コメントありがとうございます。

おうちで ラベンダーを育てられているなんて、
素晴らしいですね。
羨ましいです。
あの紫色がとても美しいのでしょうね。
by 青山実花 (2013-07-06 23:11) 

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