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「奇跡のリンゴ」 [映画]

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〔2013年/日本〕


青森県で生まれた木村秋則(阿部サダヲ)は、
幼い頃から凝り性で、
時計やテレビを分解しては、
両親に叱られているような子供だった。


大人になった彼は、一度はサラリーマンとなったが、
リンゴ農家の美栄子(菅野美穂)と見合いし、婿入り、
自身もリンゴを育てる事になる。


ある日、美栄子の倒れてしまい、驚く秋則。
舅(山崎努)から、
彼女はリンゴに散布する農薬のせいで体調を崩しているのだと
聞いた秋則は、
絶対不可能と言われる、
無農薬リンゴが作れないものかと考え始める。


その日から、秋則の挑戦が始まった。
わさびや、酢や、アロエや、米のとぎ汁や、
とにかく考え付くあらゆる物を、
リンゴの木に吹き付け、データを取る。


しかし、結果を出す事ができない上、
近所からは村八分状態となり、
辛い日々が、10年近くも続いてしまう。


もうだめだ、と諦めた秋則だったが、
山の中で一本の木を見た瞬間、
何かが閃いて・・・。





試写会で観た。


これは実話だそうで、
青森県の木村秋則さんが成功した、
無農薬リンゴができるまでの苦悩の道のりが描かれている。


どんな分野にせよ、
誰も考えなかった新しい事を最初にした人は本当に凄いと、
常日頃から思っているけれど、
この映画の木村さんにも、頭が下がるような思いだ。


私が木村さんの立場だったら、
絶対同じようにはなれない。
小心で、事なかれ主義の私は、
農薬が体に悪いと思っていても、
右へ倣えで、
他のリンゴ農家の方々と一緒に、
同じ薬品を散布する事だろう。


菅野美穂の立場に立っても、
それは同じで、
夫に、「もう止めて」と懇願するに違いない。


実際、木村さんの両親や兄は、
木村さんを叱りつける。
息子が婿入りした先で、
変な実験に夢中になって迷惑を掛けていると知れば、
怒るのも無理はない。


けれど、彼にとって幸運だったのは、
妻と、それから舅が、
大変に協力的だった事。
この2人がいなかったら、
もしかして実験は成功しなかったかも、と考えられる。
どんな偉業も、
協力者がいるといないのとでは、
気持ち的にも、経済的にも、
その心強さが全然違う。


木村さんが閃いた、
無農薬リンゴ栽培の方法は、
なるほどー、と、こちらまで目からうろこな事だった。
発想の転換とでも言おうか、
確かにそうだよな、と思わされる事で。
そして、それは、
リンゴだけでなく、
人間が育つ過程にも当てはまる気がして、
ちょっと考えさせられた。


評価 ★★★☆☆

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コメント 2

don

こんばんは~
2年ほど前だったか、原作本読みました。
挑戦中は収入がものすごく少ないので、家族が極貧生活を
強いられて、苦労話も書いてあったような。

ちょっとスピリチュアル系の内容だったような記憶もあります。
読書メモは書かずに、スルーしてました。映画としてみれば、
楽しい作品だと思います。信念の人ですね。
by don (2013-06-02 22:56) 

青山実花

donさん
コメントありがとうございます。

読まれていましたか、さすがですね♪
そうです、そうです、
リンゴの無農薬化が上手くいかず、
大変に苦しい生活をされていた事も描かれていました。
子供さんの消しゴムも買えないような。

>ちょっとスピリチュアル系の内容だったような記憶もあります。

やはりそうですか。
映画を観たあと、ネットで木村さんのお名前を検索した所、
必ずしも良い事ばかりが書かれてはいない事を知りました。
スピリチュアルもそうですし、他の事も・・・。
本当の所は私には分かりませんが、

>映画としてみれば、楽しい作品だと思います。

これですね。
映画が楽しければ全て良しです(笑)。

by 青山実花 (2013-06-03 22:12) 

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