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「雨の訪問者」 [映画]

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〔1970年/フランス〕


フランス・マルセイユに近い海の街。
ある日、バスから一人の男が降り立つのを、
人妻・マルレーヌ・ジョベールは見た。
この街に、外部の人間がやって来るのは珍しい。


ジョベールの夫はパイロットで、
その夜は不在。
彼女は一人の時間を過ごしていたが、
バスから降りた男が自宅に侵入、
凌辱されてしまう。
一度は警察に電話をかけようとしたが、
経緯を説明する勇気がない彼女は、
まだ家の中にいた男を射殺してしまう。


遺体を車で運び、崖から海へ捨てたジョベール。
ところが翌日、
見知らぬ男・チャールズ・ブロンソンが現れ、
「なぜ男を殺した?」と聞いてきた。


ジョベールは驚きながらも、
シラを切り続けるが、
ブロンソンは、まるで見ていたかのように、
男との出会いから殺害までも、
的確に言い当てる。


その後も執拗にジョベールにつきまとうブロンソン。
彼の目的は何なのか・・・。





チャールズ・ブロンソンの、
アメリカでの俳優としての立ち位置って、
どの辺なのだろう。


出演作はずいぶんあるようだけれど、
かといって、
大スターだと言われている様子もないし、
雑誌の特集などでも、
彼の映画が取り上げられているのを見た記憶は
ほぼ無いと言っていいし。


ウィキペディアによると、
日本での人気は大変に高かったようだけれど。
アメリカ人でありながら、
それほど白人白人していない容貌が
日本人の感性に合ったのだろうか。
CMは大受けだったようだ。


本作は、
謎解きより、
ブロンソンとマルレーヌ・ジョベールの雰囲気を味わう映画。
真相は肩透かしというか、
引っ張った割に、大した事ない印象。
色々あった事実はなんだったの?って(笑)。


ブロンソンは、
ジョベールを、彼女のエプロンに書かれていた文字から、
「ラブラブ(LOVE・LOVE)」と呼ぶようになるのだけれど、
それがとっても可愛い。
男っぽいブロンソンが、
そう口にする時のギャップが可笑しい。


ブロンソンは、無骨に見えて、
意外と紳士で、
ジョベールにも結構優しい。
ジョベールの夫はなんだかエラソーな男なので、
よけいにブロンソンの良さが引き立つようになっている。


それにしても、
事件の発端となった暴力は
本当に気分が悪い。
世の中に、殺されていい人がいるとは言わないけれど、
結果的に殺されても仕方のないような事件を起こす人が
いるのも事実だと思う。


自分の妻や、恋人や、娘や、姉妹や、母が、
同じ目に遭ったらどんな気持ちになるか、
ちょっと考えたら分かる事なのに。
まぁ、そんな想像力が欠如した人間だからこそ、
そんな事ができるんだろうけど。


評価 ★★★☆☆

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ミスカラス

若かった頃にこの映画は劇場で観に行きましたよ。
大脱走でも、荒野の7人にも脇役で出ていましたが、存在感がありました。無骨だけど魅力的な俳優さんでしたね。
by ミスカラス (2013-04-12 21:53) 

青山実花

ミスカラスさん
コメントありがとうございます。

劇場だと、
よりこの映画のミステリーな感じが
伝わってきたでしょうね。
羨ましいです。
 
チャールズ・ブロンソン、渋いですね。
「大脱走」も「荒野の七人」も
彼が出ていたという記憶がないのですが、
「狼よさらば」は印象に残っています。
これからも、もっと彼の映画を観ていきたいです。

by 青山実花 (2013-04-13 22:39) 

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