「愛と誠」 [映画]
〔1974年/日本〕
大富豪の令嬢、早乙女愛は、
7歳の頃、父親が所有する蓼科の別荘で、
一人スキーで遊んでいた所、
地元の人間でも近付かない、魔のスロープに入り込んでしまう。
止まらなくなったスキー、あわや大惨事という時、
彼女に体当たりして、スキーを止めた人間がいた。
それは地元の8歳の少年、太賀誠だった。
誠は身を挺して彼女を救ってくれたのだ。
しかし誠は、それが原因で、眉間に深く大きな傷を負ってしまう。
以来、愛の心に、誠は初恋の相手として、
また、白馬の騎士として、忘れられない存在となる。
数年後、中学3年生になった愛は美しく成長し、
学友たちと、思い出の蓼科にキャンプにやって来る。
ところが、地元のチンピラたちから金品を巻き上げられそうになった際、
そのリーダー格の男が、幼少時、自分を助けてくれた少年だと知り、
愕然とする。
彼は、かつて勇気の証だった眉間の傷を、
今は、人を恐喝する時の道具に使っていたのだ。
自分のせいで、誠の人生を狂わせたと悟った愛は、
父親が理事長をし、
自身も通う名門一貫校、青葉台学園への誠の編入を頼み込み、
誠は上京、下宿しながら通学するようになる。
しかし、良家の坊ちゃん嬢ちゃんばかりの青葉台で、
誠のような人間を見た事のない一部の生徒たちは、
彼をカリスマのように持ち上げ始め、
増長した誠はやりたい放題、
青葉台は、かつて無い雰囲気に包まれてしまう。
愛はそんな誠を更生させるべく、献身的に尽くすが、
理由を知らない学友たちは、
“堕ちた偶像”と、彼女の冷たく当たるのだった。
そんな彼女を陰から支えるのが、
青葉台きっての秀才、岩清水弘。
彼は、かつて愛に、「君のためなら死ねる」という恋文を送っており、
その内容に違わぬ心で、愛を見守り、時に力づける。
しかし誠の傍若無人ぶりに堪忍袋の緒が切れた、
ラグビー部とボクシング部の両キャプテンは、
誠に制裁を加えるべく、果たし状を渡す・・・。
「愛と誠」は、私が今まで読んだ漫画の中で、
オールタイムベスト5に入る、大好きな作品だ。
ネットオークションで買ったコミックス全16巻を、
たまに読み返しては、そのストーリーの構成の上手さに感心している。
梶原一騎という人は天才だと思う。
真面目に読んだ後は、
友人たちと一緒に、回し読みしながら、
その劇画タッチの大仰なセリフと内容に、大笑いする事もできる。
一冊で二度美味しい。
映画化されたものをいつか観たいと思ってきたが、
やっと昨日、実現した。
俳優さんたちの演技や、映画そのものの出来は、この際問うまい。
棒読みのセリフもご愛嬌だ。
こんなもんだろうと予想していた以上でも、以下でもない。
誠を演じるのは西城秀樹。
誠のイメージかどうかは別として、彼ってカッコ良かったんだなぁと、
ちょっと惚れ惚れ。
愛を演じるのは、
劇中名をそのまま芸名にしてしまった映画初出演の、早乙女愛。
映画は、コミックス16巻の中の、
2巻までの話で終わっている。
これからが面白くなるというのに、まだ序章の段階だ。
この後、「続 愛と誠」、「愛と誠 完結篇」というのがあるそうで、
全ての内容が描かれるようだ。
観てみたいけれど、
これは中々機会がないかもしれないな。
いつかDVDがレンタルされればいいのだけれど。
評価 ★★★☆☆
初めまして。
最近観た「キャタピラー」が夢に出できます。^^;
勝新の「座頭市」シリーズにハマリぎみです・・
by 坊や (2011-05-30 16:02)
坊やさん
「キャタピラー」、
そんなに強烈ですか(笑)。
ますます観たくなってきました。
楽しみです。
「座頭市」にハマるお気持ち、分かります。
勝新太郎の演技は絶品ですよね。
私は寅さんが終わったので、
今度は、
「眠狂四郎」か「兵隊やくざ」か「悪名」か「座頭市」を
公開順に観ていこうと思っています。
by 青山実花 (2011-05-30 16:49)
あの頃の西城秀樹はカッコ良かったと思います。
映画は未見なので演技を観たらどう感じるかは分かりませんが。
早乙女愛は少しふっくら&グラマー過ぎで、もっとほっそりした人が良い
と思ってました。
「兵隊やくざ」の勝新太郎は「座頭市」の頃に比べ太ったと批判されましたが
全身筋肉の固まり・大宮貴三郎にはピッタリだと思います。
「悪名」はクールな印象の田宮二郎の別の面が見れて良いですね。
by k_iga (2011-05-30 22:03)
k_igaさん
この映画のヒデキは、足がめっちゃ長くて、
スターのオーラ全開でした。
早乙女愛さんは、その後出た成人映画の写真を見ると、
たしかにグラマーですね。
「眠狂四郎」も「兵隊やくざ」も「座頭市」も「悪名」も、
楽しみでたまりません。
「眠狂四郎」のDVDの準備ができているので、
そちらから取り掛かろうと思っています。
by 青山実花 (2011-05-31 13:07)
「愛と誠」といえば、夏 夕介と早乙女愛だと思ってました。
夏 夕介と池上季実子のテレビドラマ版と混同してました。
映画では西城秀樹が誠だったんですね。
ちょっと見てみたいな。
演技はともかくとして…。
by desidesi (2014-10-01 19:37)
desidesiさん
コメントありがとうございます。
映画にテレビにと、
このお話がいかに当時人気だったかが
分かりますね。
西城秀樹はとても素敵でした。
いまはDVD化もされているようです。
機会がありましたら、
ぜひご覧になってみて下さいね。
by 青山実花 (2014-10-05 13:01)