「悪人」 [映画]
〔2010年/日本〕
妻夫木聡は好きな俳優だ。
今までは好青年を演じる事の多かった彼の汚れ役。
髪を金色に染めた事が話題になったが、
実際スクリーンで観ると、根元がかなり黒くなっている。
もちろん演出なのは分かってはいるが、芸が細かい。
登場人物たちは全員、何らかのコンプレックスを抱えている。
「悪人」と冠されてはいても、本当の悪党は出てこない。
「俺、何でこんな人間なんやろ」。
妻夫木演じる青年、祐一はこう言う。
でも私は彼に言いたいの。
「それ、あんただけじゃない。みんな思ってる事だから」って。
人生でたった一度も、「自分って何でこうなんだ」と嘆かない人間っているんだろうか。
人を殺したとか、親から捨てられたとか、そんな重い事じゃなくても、
日常のちょっとした出来事の中で落ち込み、
そんな風に思うってよくある事じゃないか。
おこがましいけど、
年上の人間として、もし祐一という青年と話す事ができるとするなら、
その思いを伝えたい。
祖父母や近所の老人の面倒までみている祐一は、
どう見たって悪人とは思えないんだよ。
評価 ★★★★☆
2010-09-23 12:00
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