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「私がやりました」 [映画]

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〔2023年/フランス〕


1930年代のパリ。
新人女優・マドレーヌは、
有名プロデューサー・モンフェランの家に呼び出され、
襲われそうになるが、
突き飛ばして、逃げ出す。


それから少しした頃、
警察が家にやって来た。
なんと、モンフェランが拳銃で殺され、
マドレーヌが犯人だと疑われているのだ。


マドレーヌは、ルームメイトで弁護士のポーリーヌと話し合い、
これは有名になるチャンスと考え、
「私が殺しました」と虚偽の発言をする。


裁判で、マドレーヌは、
自分が貞操を守った事、
正当防衛だった事を、
感動的にスピーチし、
陪審員、さらには大衆の心を掴み、
無罪となる。


彼女は悲劇のヒロインとして、
一躍スターに。
ところが、往年の大女優・オデット・ショーメットが、
本当の犯人は私だと言い出し・・・。





人を殺したのに、
「殺していない」と言い張る容疑者は多いけど、
この映画は逆で、
殺してもいないのに、
「殺した」と言って、
それがきっかけとなって、
無名女優がスター女優になる、
コメディ。


人が死んでいるというのに、
暗くも、重くもなく、
ポップで、ブラックジョーク満載で、
時々笑ってしまう。


これは1930年代の設定だから、
できる物語でしょうね。
現代の警察なら、
科学的な検証がされて、
やってもいない殺人を、
「やった」と言い張っても、
バレるような気がするけど、
どうでしょう。


もしも、
それがバレたら、
今なら、どんな罪に問われるのだろう。


別に犯人を隠匿する理由ではなく、
ただただ、ヒロインになりたい、
注目されたい、
それをきっかけにデビューしたい、
なんて理由だったら。


なんだか、今のネット社会の、
承認欲求が強すぎる一部の人を思うと、
現実に起こりそうな気もして怖い(笑)。


それから、
「いい目を見させてやる」と餌をちらつかせて襲いかかる、
そういう輩の存在は、
昔も今も、
変わらずいるのね、とも思う。


評価 ★★★☆☆

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