「浜の朝日の嘘つきどもと」 [映画]
〔2021年/日本〕
福島県南相馬市にある、
映画館「朝日座」。
100年の歴史があるここも、
最近は客足が減り、
閉館することとなった。
館長の森田(柳家喬太郎)が、
フィルムを燃やすため、
一斗缶に火を付けた、
その瞬間、
駆け寄って、水をぶっかけた女。
茂木莉子(高畑充希)などという
ふざけた名前を名乗った彼女は、
この映画館を再建するために
やって来たという。
なぜ莉子は、
そこまで「朝日座」に拘るのか。
それは、彼女の高校一年生にまで遡る。
莉子の高校の教師・田中茉莉子(大久保佳代子)が
大の映画好きで、
莉子は、茉莉子に多大な影響を受け・・・。
試写会で観た。
うーー、分かるーー。
地方の古い映画館を、
なんとか存続させてほしいと願う、
その気持ち。
私は、47都道府県、
全ての県に泊まり、
そして、そこで必ず、
映画館に行き、映画を観る、
という目標を掲げているので、
地方の古い映画館の雰囲気は、
すごくよく分かる。
(たとえば、高知県の「あたご劇場」さんや、
↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2018-02-17
茨城県の「土浦セントラルシネマズ」さんなど。
↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2018-09-20)
この映画に出てくる「朝日座」は、
福島県南相馬市に実在する映画館なのだそうだ。
それから、主人公の莉子が、
学校にも、家庭にも居場所がなくて、
「死んじゃおっかな」みたいな心境になっているとき、
それを一早く察知して、
指導室で、
映画を観せてくれた、
大久保佳代子さん演じる、茉莉子先生。
茉莉子先生が、
DVDをデッキに入れた瞬間、
モニターに映ったのが、
おぉぉぉぉぉーー!
私がもっとも敬愛する女優・若尾文子さまの映画、
「青空娘」ではないか!
まさかこんなところで、
若尾さまの名作にお目にかかれるとは
思ってもいなかったので、
脊髄反射してしまった(笑)。
この茉莉子先生、
莉子を助けてくれて、
莉子の人生に多大なる影響を与えてくれた、
素晴らしい教師なのだけれど、
男にはだらしなく、
すぐにくっついては、すぐに捨てられ、
その度に、
「喜劇 女の泣きどころ」を観て泣いている(笑)。
そんな役が、
大久保佳代子さんにすごく合ってる。
いや、それはテレビのイメージで、
大久保さんの本当の私生活は分からないけれど。
なんか色々反応した映画だった。
また、色々な場所に、
色々な映画館に行きたい。
評価 ★★★☆☆