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「キネマの神様」 [映画]

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〔2021年/日本〕


79歳の円山郷直(沢田研二)は、
酒好き、無類のギャンブル好き。
借金取りが自宅まで押しかけ、
娘・歩(寺島しのぶ)は怒り心頭。


歩に、通帳やカードを取り上げられた郷直は、
友人・寺林新太郎(小林稔侍)が経営する
名画座に行く。


郷直と新太郎は、
昔、同じ映画撮影所で一緒に働いていた
仲間だった。


まだとても若かった頃、
映画は娯楽の最先端で、
撮影所の熱気もハンパなかった、
キラキラした、あの日々・・・。





試写会で観た。


アル中で、借金まみれの、
どーしようもない老人をジュリーが演じ、
彼の若かりし頃を菅田将暉さんが演じるという、
山田洋次監督の映画。


ジュリーの現代場面の方は、
なんだか緩い話だな、と思い、
ぼんやり観ていたんだけど、


物語がジュリーの過去に飛ぶと、
俄然面白くなって、
我を忘れて見入ってしまった。


いつもこちらのブログで書いているように、
私は古い邦画が大好きなので、
あの頃の撮影所の雰囲気や、
人々の様子を見られたことが、
とても嬉しく、
胸ときめく。
もちろん、古い邦画に特に興味のないかたでも、
楽しめると思う。


当時の美人女優役で、
出演されているのが北川景子さん。
大変に美しく、
素敵なのだけれど、
撮影後は、普通に、
近所の食堂で気さくにお話する、
気持ちのいい女性。


北川さんは、
菅田くんに思いを寄せている風だけど、
食堂の娘・永野芽郁ちゃんと菅田くんが、
恋仲だと知ると、
自分の気持ちを隠して応援してくれる。


実はこの映画、
志村けんさんが主演で、
撮影が半分まで終わっていたそうで、
それが、あのような事になってしまい、
沢田研二さんが代役として、
撮り直しがされたのだそうだ。


ジュリーも良かったけど、
志村さんで観てみたかった。
フィルムは残っているのでしょうし、
少しでいいから、
志村さんの出演バージョンを見せてほしい、
と思ったり。


ラスト近く、
再び、北川さんが登場するのだけれど、
それは、涙なくしては観られない場面。
ウディ・アレン監督の、
「カイロの紫のバラ」を彷彿とさせ、
大変な感動。


そして、私がいつも望んでいる、
最高の人生の終わり方。


評価 ★★★☆☆

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