「コーダ あいのうた」 [映画]
〔2021年/アメリカ・フランス〕
両親、兄と暮らす、
高校生のルビー(エミリア・ジョーンズ)。
家族の中で、
耳が聞こえるのはルビーだけで、
そのため、常にルビーは、
家族の手話の通訳を務めている。
両親と兄は、
漁業を生業としていて、
ルビーも、毎日手伝っている。
そのせいで、学校では居眠りばかりだけれど、
家族を支えるために、
当然の事だと思っている。
ある日、ルビーは、
気になっている男子・マイルズが、
合唱部に入る事を知り、
咄嗟に、自分も入部を申し出る。
顧問のヴィラロボス先生の前で歌ったところ、
先生は、ルビーの歌の才能に気付き、
音大への進学を勧める。
しかし、自分がいなくなったら、
家族はどうなる。
大学より、家族を支える事が、
自分の使命。
そう考えるルビーだったが・・・。
試写会で観た。
7年前に観た、
フランス映画、「エール!」の
↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2015-11-24
リメイク。
基本の設定は同じだけれど、
両親の職業が、
酪農から、漁業に変わり、
それから、
弟が、兄になっている。
両親の職業を変えた理由は分からない。
酪農と、漁業、
一概に、どちらが大変とは言えないけれど、
やはり、海の上での作業という意味で、
漁業の方が危険なのは確かだろう。
そのため、
船には、耳の聞こえる人が常駐していなければ
いけないらしい。
違反すると、免許の問題が出てくる。
そういう意味では、
漁業の方が、より厳しいし、
家族でたった一人、
耳の聞こえるルビーが、
重要な存在だという説得力が増す。
今までのルビーなら、
それを当たり前だと思って生きてきた。
でも、夢が生まれた今、
家族と進学の狭間で悩む。
観ているこちらも辛い。
劇中の歌は、
エミリア・ジョーンズが実際に歌っているのだろうか。
本当に上手い。
特に、
入試の時の歌声には感動。
そこには、歌だけでなく、
別の演出もあって、
より感動できるようになっているのだけれど。
それから、耳の聞こえない方は、
こんな感じで日々を過ごしているという、
疑似体験ができる場面があった。
想像以上の、無音の世界。
かなりショックだった。
評価 ★★★★☆
先日、日ごろ耳の聞こえない方と聖書の勉強をされている方とZoomで話しました。生まれつきの方は特にだそうですが、手話の世界、無音の世界日本に住んでいても文化が違うように感じると話していました。
理解しあえるまでは結構時間が必要だと。私も居酒屋の店長の時に耳の不自由の方のグループの忘年会を受け入れた経験がありました。ずいぶんと断られるので、とても喜んでくださいました。みんなで楽し気に手話で歌っていた姿を50年たっても思い出します。
すみません長くて。
by sigedonn (2022-01-16 16:04)
3か月前に風邪をひいて片耳が3週間ほどまったく
聴こえなくなったときはすごい孤独感でした。
会社に出勤しても皆さんの会話がまったく
聴き取れなくてひそひそ話してるように感じるのです。
車を運転していてもエンジン音や走行音もほとんど
聞こえないしほんとに不気味な世界に感じました。
片耳が聞こえないだけでこんな無音に近い状態ですから
両耳が聴こえなくなってしまったら気が狂いそうです。
耳の不自由な方の気持ちがだいぶ分かった体験でした。
by プー太の父 (2022-01-16 16:34)
sigedonnさん
コメントありがとうございます。
耳の聞こえる者は、
普段それを当たり前だと思って暮らしていますが、
そうでない方々は、
文化を違うように感じ、
理解し合う事も、時間が掛かると
考えておられるのですね。
なんだかショックです。
居酒屋を探すのも大変なのですか。
なぜなのでしょう。
考えさせられます。
受け入れられて、喜ばれた事、
とても良かったと思います^^
by 青山実花 (2022-01-16 19:26)
プー太の父さん
コメントありがとうございます。
そうでしたね、
プー太の父さんは、身をもって、
耳の不自由な方に近い体験をなさったのですよね。
人様の会話がひそひそ声に聞こえるというだけで、
大変な疎外感を感じるでしょうし、
車の運転も、歩道を歩くのも、
不安な気持ちになるのでしょうね。
経験はなくても、想像できます。
健康な人も、そうでない人も、
皆が幸せに、共存し合える社会になってほしいですね。
by 青山実花 (2022-01-16 19:30)
「エール!」、好きな作品なので、
リメイクのこちらも気になっています。
おっしゃる通り、唯一の健常者である主人公が
家族の支えであることはどんな家でも同じでしょうけれど、
船に乗るなら、きっとなおさら…
家族は大切、でも夢だって追いたい!いろいろ考えさせられますね。
歌も見どころでしょうし、公開されたら観に行きたいです(^^♪
by yonta (2022-01-16 22:49)
yontaさん
コメントありがとうございます。
「エール!」がお好きなら、
きっと楽しめると思います^^
家族と夢のどちらかを取るって、
できれば、そのような事態になりたくないのは
当たり前なのですが、
現実には、そうならざるを得ない場合も
あるのでしょうね。
難しい選択ですね。
by 青山実花 (2022-01-17 13:32)
tower recordsの宣伝誌 intoxicate によれば
エミリア・ジョーンズは実際に歌っているのだそうです。
両親&兄も実際に耳の聞こえない俳優さんですし
力が入っている映画ですね。まだ観てないですけど。(^^;)
CODAは音楽用語であると同時に
Children Of Deaf Adult (ろうあ者の親を持つ子ども) の略
でもあると知ったとき、やるなぁと思いました。
by lequiche (2022-01-18 01:10)
テスト
by 青山実花 (2022-01-18 21:32)
lequicheさん
コメントありがとうございます。
沢山の濃い情報、本当にありがとうございます^^
エミリアさん、実際歌っているのですね。
あれだけ上手いって、
凄い事だと思います^^
吹き替えじゃなくて良かった^^
CODAって、音楽用語でもあるのですね。
lequicheさん、お詳しそうです。
いや、私が知らなさすぎるのかもしれません^^;
by 青山実花 (2022-01-18 21:32)
昔、ビヨンド・サイレンスというドイツ映画をみたことがあります。
やはりコーダである主人公ララがクラリネット奏者を
夢見るという話でした。この映画のように、
娘がいないと生活できない、ということはなかったのですが…
目の見えない人の闇の世界と
耳の聞こえない人の無音の世界について
考えることがあるのですが、どちらも
想像できないほど不安になりそうです。
by su-nya (2022-01-20 16:01)
生まれつき耳が聞こえないのと、
途中で聞こえなくなる人。
生まれつき見えない人と、途中失明。
どちらがよりつらいのだろうか。
生まれつきならば、音というものが
どんなものか知らない。
色を知らない、形を知らない。
しかし、途中でその機能が奪われた時の
絶望…というのはいかばかりなものか。
あたりまえに見て、聴き、
ブログのコメント欄を荒らしている…
そんな者には本当に贅沢な話で、
本当にその苦しみは理解できない。
なんでもそう。
「わかります」「理解できます」
人は軽々しく口にするけれど、
本当に自分がその立場にならないと、
なにひとつわかっていなかったと
思い知らされる。
同じ立ち位置になっても、人それぞれの
受け止め方、感じ方には違いがある。
相手の苦しみを100%理解することなど、
永遠に無理なのだろうと思う。
我々はもっと幸せを感じて生きるべきなのだ。
当たり前をあたりまえと思わずに。
なので青山実花は裏・市長さんにされるがままに
されても、不平を言う事なくよろこびを感じるべきなのだ。
贅沢を言うな!以上。
by 裏・市長 (2022-04-02 21:43)
su-nyaさん
コメントありがとうございます。
「ビヨンド・サイレンス」は
未見です。
この映画は「エール!」のリメイクで、
「エール!」は「ビヨンド~」のリメイクなのでしょうか。
ちょっと複雑ですね^^;
闇も、無音も、
想像するだけで恐ろしいですね。
できれば、最期まで、五感はしっかりしていたらいいなぁと
思います。
by 青山実花 (2022-08-24 23:17)
裏・市長さん
コメントありがとうございます。
まったく、理不尽な話ですね。
何がって、この映画ですよ。
アカデミー賞の最高峰である、
作品賞を受賞したというのに、
どうなのよ、
今年の話題は。
全部、
ウィル・スミスに持っていかれたじゃないの。
ウィル・スミスがクリス・ロックに
平手打ちなんかしてくれちゃったおかげで、
その辺を歩く人に、
「今年のアカデミー賞作品賞がなんだか知ってる?」と
聞いたって、
「知らない」と答える人が、
126%だというじゃないの。
この「コーダ」が可哀想すぎますわ。
にしても、
ウィル・スミスとクリス・ロックが、
共に黒人だから、
良かったのよね。
これがあなた、
渡辺謙が南果歩にビンタなんかしてごらんなさいよ。
女性差別、国籍差別、人種差別、で、
大騒動になるところでしたわ。
by 青山実花 (2022-08-24 23:19)