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「バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト」 [映画]

badHarvey.JPG
〔1992年/アメリカ〕


刑事であり父親でもあるハーヴェイ・カイテルは、
息子たちを車で学校に送り、
その校門の前でコカインを吸い、そのままご出勤。


殺人現場では、事件そっちのけで野球賭博の話に花が咲き、
コンビニ強盗を脅して、
強盗が奪った金を奪い返し、自分のポッケに入れる。
愛人宅では覚醒剤を打ち、愛人と戯れる。
そんな事は日常茶飯事で、特に罪の意識もない。


今日も、テールランプが付いていない車を止め、
乗っていた若い女二人を脅し、
マスターベーションの手伝いをさせる始末。


極悪人とも違う、
物凄く嫌な感じを与える悪人。
そこにカイテルのパーソナルな部分は全く見えてこず、
また、職場での彼の評判も分からない。
ただひたすら、悪徳警官がそこに存在するといった風情である。


ある日、教会の中で、
シスターが若い男二人に乱暴されるという事件が起こる。


事件直後は、ショックで口もきけなかったシスターだが、
傷が癒えるにつれ、
犯人を許すと言う。
その言葉に衝撃を受けたカイテルは、
自身の罪深さを思い、
キリストの幻を見、平伏し、その足にキスするのであった。





しかし、「俺はどうすればいいんだ」と泣いたって、
それにはまず、
ドラッグときっぱり縁を切って、
ついでに愛人とも手を切って、
自らを律して暮らしていくしかないでしょ、と言いたくなる、
カイテルの堕落ぶり。


警官になった時は、希望に燃えていたんじゃないのか。
何がきっかけで彼をあそこまでにさせたのだろうかと、
そちらの方が気になるよ。


淡々と悪人を演じる、
ハーヴェイ・カイテルの表情とガタイが凄い。


評価 ★★★★☆

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