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「仔鹿物語」 [映画]

kojikamonogatari.jpg
〔1946年/アメリカ〕


フロリダの原野を開拓しているバクスター家。
力強い父親(グレゴリー・ペック)と、
家事をする母親(ジェーン・ワイマン)、
そして、11歳の息子のジョディ。


ある日、森を歩いていた父親が
毒蛇に噛まれてしまう。
毒の吸出しには、
鹿の肝臓と心臓を、
患部に当てるのが最良の方法。


父親は、近くにいた母鹿を撃ち殺し、
ジョディに内臓を取り出させる。
すると、近くには、
母鹿を失った子鹿がいた。


ジョディは、両親にせがんで、
子鹿をペットとして飼い始める。
フラッグと名付けられた子鹿は、
バクスター家に馴染んでゆく。


ところが、成長するにつれ、
フラッグは、農作物を荒らすようになる。
これ以上フラッグを飼っていては、
自分たちの生活が立ち行かなくなると判断した父親は、
ジョディに、ある命令を・・・。





私が、以前働いていた図書館内で、
17年間「映画会ボランティア」をしている事は、
何度か書いているのですが、
この映画は、
その活動の際に、上映した作品です。


コロナがピークの頃は、
活動ができませんでしたが、
昨年から、お客さんの人数を減らしたり、
予約制にしたりして、
少しずつ活動を再開し、
今はもう、そういった制約は全て外し、
コロナ前の状態に戻しています。


この「仔鹿物語」は、
マージョリー・キナン・ローリングス原作の、
図書館の映画会にかけるに相応しい作品で、
上映は今回が2回目。
そして、1回目も、私が当番でした。


小学校の時、児童文学で原作を読んでいるのですが、
父親が毒蛇に噛まれた時、
鹿の心臓と肝臓を傷口に当てるという場面を
強烈に覚えていて、
映画で再確認できて良かったと思いました。


それから、ネタバレになってしまうのですが、
農作物を食べてしまう、
子鹿のフラッグに困り果てた父親が、
息子のジョディに、


「お前が飼い始めた鹿だ。お前の手で殺しなさい」


という場面で、大きく感想が分かれるのも、
興味深い所です。


ある人は、
「残酷すぎる。
 11歳の子に、そんな事、考えられない」という意見。


ある人は、
「アメリカの開拓時代を生きていくのは厳しい。
 それは仕方のない事では」という意見。
(私はこちらに近いです)


ネットでも、概ね2つの感想で分かれているようです。


結局ジョディは、
泣きながらフラッグを撃ち殺し、
その後、家を飛び出します。


そして、3日間、彷徨ったあと、
帰ってきた彼は、
大きく成長しているのです。


どちらが正しいというのではなく、
国の違い、
年代の違い、
など、色々あるでしょう。
とてもいい映画。
グレゴリー・ペックも、
めちゃめちゃいい男です(笑)。


評価 ★★★★☆

nice!(128)  コメント(32) 
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コメント 32

suzu*

グレゴリー・ペック、ロック・ハドソン…
銀幕のスター達☺️
仔鹿物語、懐かしいですなぁ
by suzu* (2023-09-24 12:55) 

扶侶夢

「仔鹿物語」本当に良い映画でしたね。子供の時代に観ておくと、特に感性を磨かれる良い映画だと思います。
by 扶侶夢 (2023-09-24 14:17) 

プー太の父

この映画は私の生まれる前だったのですね
テレビ放映されないのでテレビでも観たことありません。
グレゴリー・ペックは「ローマの休日」などで何度か
見てますが背も高くて笑顔もいい男ですよね(^^

by プー太の父 (2023-09-24 15:13) 

よしあき・ギャラリー

グレゴリー・ペック、いい男ですね。
ナバロンの要塞は何回見たか記憶がないくらい。^^
by よしあき・ギャラリー (2023-09-24 16:06) 

いろは

こんにちは^^
多分この映画は観ていると思います。
ちょっと悲しい気持ちになった事は覚えています^^
グレゴリー・ペック大好きです♪
やはり「ローマの休日」でしょうか...
優しい雰囲気が好いですよねぇ
by いろは (2023-09-24 16:54) 

tommy88

強いとか弱いとか。
正しいとか正しくないとか。
日本人は昔から議論と言えば二項対立を好みます。
二次元に対しては三次元の、三次元に対しては四次元の議論は試みない。
高校2年でフランスに留学した長女は、ノエルを祝う時、あちらのパパに同行。
農家へ仔豚を買いに行くのでした。
作業場(屠殺場)へ、ルンルン気分で連れて行くのでした。
それを普通に撲殺して内臓を取り出して、ソーセージを作るのでした。
ちゃんと娘は「手を汚した」のでした。
いやぁ~この鰻重ウマイねぇ、でも生きた鰻を捌く人がいるのです。
今でもあるミナミの鰻屋でバイトしてた頃、骨を砕く釘の音、骨だけで動く姿。
おイノチ頂戴して、あの美味が生まれます。
運送業のバイトをしていた時、屠殺場でトラックから降りない牛。
電気ショックを与えて降ろしますが、チェーンソーで頭部が切断されます。
血まみれの職場を、ほんの少しだけ経験しましたが、食事では絶対に残しません。
屠殺経験を積んだ娘は、日本選抜でケニアに植樹に行きました。
ケニア高官から厚遇され、飼っていた山羊を目の前で殺して宴が始まる。
キャァ~なんて慶応ボーイ東大女子を向こうに、普通にビデオ撮影する娘。
マサイ族の土壁の「家」に住んで地平線に沈む夕日がきれいと、ノ・グ・ソ。
彼女が逞しく育ったのはフランス留学中に、ノエル祝いでの屠殺経験。
日本の教育では手を汚さないのが普通です。
スーパーで買う肉に、殺された家畜の姿は投影されません。
子どもの頃、祖父が僕たちのために飼っていた鶏をご馳走してくれました。
鶏の首を刎ねる、首根っこを押さえておく、手を放すと首のない鶏が走り出す。
逆さに吊るして血を抜く。
焼いた鶏には少し羽根が残っている。
美味しいねは、命を軽んじているのではなく、おイノチいただきました。
優先順位を付ける生き方が大事で、まず、飢えてはならない。
猿、鹿、猪が作物を荒らすなら、殺す。
肉も野菜も食わないで、動物たちの命が大事ですと言うなら聞いて進ぜよう。
脆弱な神経は置き去りにして、逞しく生きる若者を求めるのです。
私が正しいとか間違ってると論じるは愚の骨頂。
生きるために食うし、肉はしっかり食べて、絶対に残しません。
おそらく、「その局面」で、涙を流しても拙宅の娘たちは躊躇なく撃つ。
そう思っていますが、あいつら賢いからそうなる前に手を打って上手くやるでしょう。

by tommy88 (2023-09-24 18:15) 

青山実花

suzu*さん
コメントありがとうございます。

古い映画を観ていると、
昔の大スターは大人で男前だったのだなぁと、
感じます。
ゲイリー・クーパーなど、うっとり^^

by 青山実花 (2023-09-24 18:39) 

青山実花

扶侶夢さん
コメントありがとうございます。

こういった良質の
子供向け映画はいいですね。
さらに、大人も感動できるのがいいです^^

by 青山実花 (2023-09-24 18:40) 

青山実花

プー太の父さん
コメントありがとうございます。

古い映画すぎて、
テレビでは中々放送されないかもしれませんね^^

本当に大人のいい男な上に、
人格者でもあったようです。
パーフェクトで素晴らしいですね^^

by 青山実花 (2023-09-24 18:40) 

青山実花

よしあき・ギャラリーさん
コメントありがとうございます。

「ナバロンの要塞」観ています。
お茶の水女子大の名誉教授でエッセイストの土屋賢二先生も、
一推しの映画でした^^

by 青山実花 (2023-09-24 18:40) 

青山実花

いろはさん
コメントありがとうございます。

ラストは悲しく、ショックでしたね。
生きる事の大変さを
学べる映画でもありました。

「ローマの休日」も素晴らしいし、
「アラバマ物語」も大好きです^^
男前で、紳士で、優しい、
文句の付けどころがないですね^^

by 青山実花 (2023-09-24 18:40) 

JUNKO

懐かしい映画ですね、何度泣きながら見たこと緒でしょう。
by JUNKO (2023-09-24 20:38) 

NO14Ruggerman

自分が思春期の頃テレビの洋画劇場で観てとても
感銘を受けた記憶だけは残っていましたが
本記事を読んで感銘を受けたシーンが蘇りました。
ありがとうございます。
by NO14Ruggerman (2023-09-25 00:12) 

mitu

このような映画を図書館で上映するボランティアをされている青山さん
(・∀・)イイネ!!
グレゴリー・ペックの「ローマの休日」一番好きな映画です。
by mitu (2023-09-25 06:21) 

お散歩爺

鹿の心臓と肝臓を傷口に当てると治るなんてことないよね?。
子鹿の運命も可愛そう。
by お散歩爺 (2023-09-25 07:57) 

Rinko

実花さんが以前「楽しみにしているボランティア」の事をコメントに残されていましたが、それがこの「映画会ボランティア」ですか!
すごくいいですね~(^。^)
「仔鹿物語」は小学校の図書館に並んでましたね^^
その映画、私も観てみたいです。
by Rinko (2023-09-25 08:08) 

kousaku

映画界のボランティアをされていたので映画に詳しいのですね、私は見ておりませんがやはり国の違いがまざまざと垣間見えますね。
by kousaku (2023-09-25 08:36) 

トモミ

文化の違いって本当に大きいですよね!でも、いつかはi乗り越えられると信じたい!!

by トモミ (2023-09-26 07:44) 

starwars2015

見る人やその人の経験などによって様々な感想が出たり、評価が分かれたりするのが
名作なのかも知れませんね。
by starwars2015 (2023-09-26 10:12) 

青山実花

tommy88さん
コメントありがとうございます。

娘さんは、
沢山の体験をされているのですね。
とても逞しいと思います。
私が屠殺場に行ったらどうだろう。
ちょっと想像がつきません。
ペットを飼った事がないので、
動物をこよなく愛する人生を送ってこられた方とは、
ちょっと違います。
日頃から、命が命が、とも思いません。
屠殺場に行ったら、
案外殺せるかもしれません。
しかし、何も悪い事をしていない無垢な生き物を
殺すのは嫌だという
本能は持っています。
だから躊躇うかも。
無駄な殺生は嫌だと思うけど、
いや、これは無駄ではない、
と自分に言い聞かせるかも。
全く想像がつかないです^^;

by 青山実花 (2023-09-27 20:19) 

青山実花

JUNKOさん
コメントありがとうございます。

何度観ても、
泣けてくる映画ですよね。

by 青山実花 (2023-09-27 20:19) 

青山実花

NO14Ruggermanさん
コメントありがとうございます。

思春期の頃観た映画って、
もう一度観たくても、
中々叶わない事も多いですが、
こんな与太ブログでも、
お役に立てたのなら嬉しいです^^

by 青山実花 (2023-09-27 20:19) 

青山実花

mituさん
コメントありがとうございます。

図書館の仕事は今はしていませんが、
そこでの絆を断ちたくなくて、
ボランティアだけは続けています^^

「ローマの休日」は永遠の名作ですね^^


by 青山実花 (2023-09-27 20:20) 

青山実花

お散歩爺さん
コメントありがとうございます。

蛇に噛まれた時、
ちょうどそばに鹿がいるというのも、
難しそうですね^^;


by 青山実花 (2023-09-27 20:20) 

青山実花

Rinkoさん
コメントありがとうございます。

はい、この活動はすごく楽しみにしています。
映画を選ぶのも楽しいですし、
なにより、人間関係が素晴らしくて^^

「仔鹿物語」、私も小学校の図書室で借りて
読みました^^

by 青山実花 (2023-09-27 20:20) 

青山実花

kousakuさん
コメントありがとうございます。

映画好きが高じて、
ボランティアまでするようになってしまいました^^;


by 青山実花 (2023-09-27 20:20) 

青山実花

トモミさん
コメントありがとうございます。

文化の違いが楽しい事もあるし、
逆に争いの原因になったりもしますね。

みんなが理解し合えたらいいのに。

by 青山実花 (2023-09-27 20:21) 

青山実花

starwars2015さん
コメントありがとうございます。

観る人の感想がそれぞれ違っていて、
それについて話し合ったりできるのが、
いい映画なのでしょうね^^

by 青山実花 (2023-09-27 20:21) 

yokomi

うーん、映画の名前しか知りませんでした(>_<) もう何年か経ったら孫と見たいです(>_<)
by yokomi (2023-09-30 19:06) 

裏・市長

「子鹿物語」、私も見ました!

ただし、MHKのアニメ版でした。
私は強く訴えます。本作に限らず、
「小鹿」なのか「子鹿」なのか、
「仔鹿」表記を統一してもらいたいんです。

「エヴァンゲリオン」も困るんです。
公式から「エヴァンゲリヲン」などと、
表記するので混乱するばかりです。

青山実花さんもよく、
青山美花とか、青山メカとか、
アホやな実花・・・などと誤記されて
お困りのようですね。

その気持ちは私もよくわかるんです。
私も実は被害者の立場ですから。

「モーニング娘。」には「。」が、
「藤岡弘、」には「、」が必要なように、
「裏・市長」さんには「・」が必要なんです。

もっともこれは「鼻くそ」が飛んで、
こびりついてるだけなので、
ついてようが、ついてまいが気にしませんが。

さて、動物物語には最後、別れがつきものです。
特に小さい時に捕獲してしまうと、
動物はあっという間に大きくなってしまいます。

「くまの子ジャッキー」「あらいぐまオスカル」、
すべて最終回は少年と動物の別れのシーンです。

「子鹿物語」のアニメ版は確か、
殺せと詰め寄られて、殺せずに森へ逃がして
しまうような記憶があります。

この映画のような皆でバーベキューをして、
舌つづみを打つシーンでは終わらなかったような。

やはり日本では子どもむけアニメで、
1年間親しんできたキャラクターを、
バーベキューの具材にしてfin・・・というのは、
実行しにくいと思います。

それはそれで、これはこれで、
男の旅はいつまでも続きます。
by 裏・市長 (2023-10-04 01:49) 

青山実花

yokomiさん
コメントありがとうございます。

これは小さいお子さんを観るには、
最適な映画だと思います^^

by 青山実花 (2023-10-09 00:45) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

なんという事でしょう。

NHKともあろうものが、
この名作「子鹿物語」をアニメにするだなんて。

しかも、小賢しく、
タイトルまで微妙に変えるなんて。

やはりNHKはする事が姑息ですわね。
今、巷で大騒ぎになっているのは、
NHKの内部に、
スマイルアップ部屋があったという事実。

なんなんですか、
スマイルアップ部屋って。

国民から半ば強引に、
受信料を奪っておきながら、
その金で、
変態ジジイに部屋を与えていたんですか?

全く、考え難い、由々しき事態です。
子鹿物語なんか、
のんきに製作している場合ではないと思います。

そして、
裏・市長さんのコメントを読んだ限りですが、
甘いですね。

子鹿を殺さずに、
森へ逃がしたと。

その時の鹿が、
奈良県に駆け込み、
奈良公園に鹿があれほど
増えてしまった話は有名です。

日本人は甘すぎます。
アメリカの西部開拓時代を見習えと、
私は思います。


by 青山実花 (2023-10-09 00:46) 

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