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「クィーン」 [映画]

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〔2006年/イギリス〕


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イギリスのエリザベス女王が崩御され、
9月19日に、
ロンドンのウェストミンスター寺院において、
国葬が執り行われました。


葬儀に、こんな言葉を使っていいのかは分からないのですが、
荘厳な雰囲気で、
イギリス人でない私まで、
厳かな気持ちになりました。


今回は、
2007年4月22日に劇場で観た、
「クィーン」という映画の感想を、
載せたいと思います。


このレビューは、
ブログを始める前、
別の映画サイトに書いたもので、
女王が亡くなった今となっては、
多少、不謹慎な表現もあるかとは思うのですが、
素晴らしい映画ですので、
その時の感想として、
手直しはしていません。


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下世話な言い方だが、他人の家庭(まして、英国王室!)
を覗き見たいという欲求のある方なら、
そこそこ満足のいく内容なのではあるまいか。


まして、ダイアナ妃の死に関するストーリーなら尚更。


ああいったやんごとなき方々が、日常どんな生活をしているのか、
どんな言葉遣いで話しているのか、
夫婦関係は、親子関係は、嫁姑は、と興味のネタはつきないわけだし、
ベールに包まれれば包まれるほど、
中身を見たいと思うのが人間の心情。


でも意外と普通でした。
元嫁の事をお気に召さなかった様子もビンビン伝わってきてたし。
(「今度は何をしたんだ?」
 この一言が、王室とダイアナの関係を如実に表していると言える。)


ただ、エリザベス女王を演じたヘレン・ミレンが最後まで
取り乱さず、毅然とした態度を貫いたのが素晴らしかった。


半旗を掲げたり、コメントを発表するエピソードは、
世論に負けたようにも見えるが、
英国王室として、時に国民の意思に沿わねばならぬ場合もあるという
気持ちの表れではないかと思う。


野生の鹿を目の当たりにして、「なんて美しい・・・」とつぶやき、
その鹿が頭を撃ち抜かれた事を知るや、
「苦しまなかったのならいいけど・・・」と、
それは嫌っていた元嫁に対する、クイーンの最大の弔辞であったのだと思う。


「死は全ての免罪符」という空気がどこの国にもあるのかは分からないが、
ダイアナは死して、クイーンに許されたのではないかと思う。


評価 ★★★★☆

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