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「牡丹灯籠」 [映画]

botandoro.jpg
〔1968年/日本〕


旗本の三男・新三郎(本郷功次郎)は、
「事故死した兄の嫁と結婚しろ」、と、
両親から厳命されるも、首を縦に振らなかった。
理不尽で、世間体ばかりの親を嫌い、
一人暮らしをし、近所の子供たちに読み書きを教えている。


或る夜、
生徒たちと燈籠流しをしていた新三郎は、
美しい遊女・お露(赤座美代子)と、
お露の侍女・お米と知り合う。


新三郎とお露は、激しく惹かれ合い、
睦み合うが、
その様子を覗き見た長屋の伴蔵(西村晃)は仰天する。
なんとお露は化け物ではないか。


伴蔵から話を聞いた易者・白翁堂(志村喬)が、
新三郎に会うと、
顔に、ハッキリと死相が出ていたため、
「今夜、お露が訪ねてきても、決して会ってはならぬ」と
注意した。


しかし、お露を思う新三郎は、
その後も、夜毎にお露を迎え入れ、
顔にはますます死相が色濃く出、
痩せ衰え・・・。





「四谷怪談」
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2021-08-06
「累が淵」
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2021-11-01
そして、この、
「牡丹燈籠」と、
大映の怪談映画を3本連続して、
観に行ったわけだけれど、


私には、
この「牡丹燈籠」が一番怖かった。


「四谷怪談」と「累が淵」は、
恨みの感情がテーマになっているけれど、


「牡丹燈籠」は、恋がテーマだ。
恋とは、病である。
恋とは、熱情である。


とにかく好き、
会いたい、
他人が何と言おうと、
相手が誰であろうと、
どんな状況であろうと、
たとえ顔のでかい化け物であろうと、
好きなものは好き。
そこには、理由も、理屈もない。


特に、この映画の、
新三郎とお露は、
共に、社会の不条理に泣かされている身、
普通の恋愛以上に、
惹かれ合うのは、
当然といえば、当然。


お露に魅入られた新三郎は、
果たして不幸なのだろうか。
あんな風に好きになれる相手に巡り合って、
それで、死ねるなら、
ある意味、本望ではないか、と思ったりもする。


この映画、
西村晃と、小川真由美という、
業突く張りの長屋の夫婦が、
めっちゃいい味出していて、
怪談話に、笑いをもたらしているのもいい。


評価 ★★★★☆

nice!(119)  コメント(7) 
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コメント 7

青山実花

ここ1か月ほど、
コメントが入りにくかったり、
コメントの順番が前後したりする現象が
出ているようです。
ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。



by 青山実花 (2021-11-06 08:39) 

beny

 面白そうな作品ですね。赤座美代子、小川真由美さん、色っぽいなぁ。何だか悪女の深情けって感じ。「あんたぁ」なんて甘えられたらニャグ、ニャグになってしまうな。

by beny (2021-11-06 14:24) 

きよたん

牡丹灯籠は怪談話の中ではすごく好きな話です。
しっとりとして艶っぽく怪しげですものね
カランコロンと響く下駄の音
ゾッとする怖さもありますね

by きよたん (2021-11-06 17:14) 

青山実花

benyさん
コメントありがとうございます。

はい、面白い映画でした。
赤座美代子さん、本当に美しく、
お露の役にピッタリでした^^

小川真由美さんのサイドストーリーは、
原作にあるかどうかは分からないのですが、
すごく良かったです^^
by 青山実花 (2021-11-06 20:28) 

青山実花

きよたんさん
コメントありがとうございます。

牡丹灯籠、いいですね^^
ほんと、色気があって、
それに、憎しみがテーマでないのもいいです。

下駄の音、私たちには怖ろしいけれど、
一日千秋の思いでお露を待つ新三郎にとっては、
美しい音楽に聞こえたでしょうね。

by 青山実花 (2021-11-06 20:32) 

yonta

化け物だったとしても、宇宙人、過去や未来から来た人でも、
好きになってしまったら、もう仕方ないなあ。
恋は落ちるものだって言ったのは、誰だったかしら。。
怪談はちょっと苦手ですが、西村さん小川さんの業突張り夫婦は
とっても気になります(^^
by yonta (2021-11-06 23:43) 

青山実花

yontaさん
コメントありがとうございます。

好きになったら、きっと、
誰の助言も聞き入れる事はないのでしょうね^^;
「恋はするもの」ではなく「落ちるもの」。
私も時々、書いているのですが、
これが誰かの名言なのか、
ネットで一般の人が書いたのを見たのかは、
失念してしまいました^^;

西村&小川コンビ、最高でしたよ。
オチも凄かったです^^;
yontaさんにも、観てほしいー^^

by 青山実花 (2021-11-07 19:11) 

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