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「さらば夏の光よ」 [映画]

sarabanatsunohikariyo.jpg
〔1976年/日本〕


南条宏(郷ひろみ)と、野呂文平(川口厚)は、
同じ予備校に通う友達同士。
イケメンの南条と、
地味な野呂は、
一見、合わなそうに見えたが、
仲が良く、
同じ部屋で暮らしている。


2人は、ハンバーガーショップで働く、
戸田京子(秋吉久美子)に、
同時に恋するが、
京子は、南条に心惹かれる。


しかし、野呂の気持ちを知った南条は、
京子を野呂に譲り、
2人は同棲するようになる。


ほどなくして、京子は妊娠。
ハンバーガーショップを辞める事を、
店に告げに行くと、
店長から凌辱されそうになってしまう。


怒った野呂は、
店長に大怪我をさせてしまう。
すると南条が、
身代わりとなって自首し・・・





この映画、
何も考えずに、単体で観たら、
悪くないと思う。


2人の青年と、1人の女の子が紡ぐ、
愛と友情の物語。
アイドル映画にしては良く出来ている。
ネット上の評価も、
悪くない。


うーん、でも、
私には、かなりの違和感。


この映画の原作は、
遠藤周作さんの同名小説だ。


私はその本が好きで好きで、
何度読み返したか分からないくらい好きで。


登場人物は同じ。
南条、野呂、京子。
3人の微妙な三角関数も同じ。


でも、展開がまっっったく違う。
小説で、愛し合うのは、
南条と京子で、
京子は南条の子を身ごもる。


けれど、彼は事故で亡くなり、
野呂は、京子とお腹の子を丸ごと
そのまま引き取るという形で
結婚する。


この物語の肝は、
野呂の自己犠牲と、
京子への純粋な愛。
実に遠藤周作さんらしい、
哀しみに満ちた物語なのだ。


こんな風に、
まるで違うストーリーにされて、
遠藤周作さんが何も言わなかったのかと思うけど、
懐深い遠藤さんの事、
「そんなものさ」と笑っておられたのかもしれない。


何度も言うけど、
映画としては悪くない。
ただ、
遠藤さんの原作をご存じの方は、
きっと驚かれると思う。


評価 ★★★☆☆

nice!(127)  コメント(16) 
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コメント 16

ponnta1351

秋吉久美子も65歳、シラケ女優のレッテルを貼られてましたよね。
by ponnta1351 (2020-06-14 15:55) 

きよたん

私の同級生です 高校3年間一緒でした。
小野寺久美子でデラと呼ばれてました
この頃可愛かったんですけどね・・

by きよたん (2020-06-14 16:47) 

SGW

本は読んでいませんが、ストーリーは手に取るようにわかりました。
友人の死を利用して、自分の欲望をかなえるということに強い罪悪感を感じつつも、彼女への愛を捨てられないという葛藤が、遠藤周作さんらしいし、その上流には夏目漱石の「こころ」があるのではないかと感じました。
by SGW (2020-06-14 16:49) 

英ちゃん

この映画は知ってますが、見た事はないです(゚□゚)
秋吉久美子さんは、もぅ65歳か~
昔は可愛らしかったけどね。
by 英ちゃん (2020-06-14 16:50) 

Ginger

友人がHiromi Goの死ぬほどファンで当時、映画に同行させられたけど、山根監督が好きになりました。一連の作品はアイドルを上手に演出されていたと思います。
ところで、今日、実花さま愛するシャンシャンの誕生日と日本さよならのニュースを見て、ココロが痛みました。何度見ても、どうして、そんなむごいことするのだろう!!と。
お嫁にやりたくない!でも、新しい世界はもっと幸せであれ!!と祈るばかり・゚・(ノД`;)・゚・

by Ginger (2020-06-14 21:47) 

mitu

原作を読んでから見ないほうが良い映画もありますよね
また、映画を見て原作を読みたくなる映画もありますよね
原作と物語の肝が違っていて「なんでやねん!」ということあるある
そんなときは、「映画は別物なんだ」と思うことにしています^^
by mitu (2020-06-15 05:43) 

わたし

昔は原作が大きく変わってしまっていて、観た人のブーイングが映画が多かったですよね。
最近では原作に忠実になっている気がします。
「野呂の気持ちを知った南条は京子を譲り」って、どうなの?
それより、原作通り、「交通事故で亡くなったので」の方が、いいのにね。
by わたし (2020-06-15 08:40) 

青山実花

ponnta1351さん
コメントありがとうございます。

卵で産みたかった息子さんも、
悲しい最期で。
時の流れは早いですね。

by 青山実花 (2020-06-15 16:26) 

青山実花

きよたんさん
コメントありがとうございます。

えー!
秋吉久美子さんと同級生ですか!
それは凄い。
秋吉さん、可愛かったでしょうね。
もちろん、きよたんさんも^^

by 青山実花 (2020-06-15 16:26) 

青山実花

SGWさん
コメントありがとうございます。

遠藤周作さんの本は、
いつも行間から哀しみがにじみ出ていますね。

by 青山実花 (2020-06-15 16:27) 

青山実花

英ちゃんさん
コメントありがとうございます。

秋吉久美子さん、65歳なんですね。
今もお綺麗だと思うのですが、
駄目?ですか?(笑)

by 青山実花 (2020-06-15 16:27) 

青山実花

Gingerさん
コメントありがとうございます。

山根成之監督は沢山のアイドル映画を
手懸けていますね。
私も好きです。
「愛と誠」とか^^

シャンシャン、何もわざわざ、
体力を消耗する飛行機に乗せて行かなくたって、
と思ってしまいます。
私のためでなく、シャンシャンのために、
なんとかならないのかな、と思います。

でも、中国に行くのが決まってしまっているなら、
残り少ない日々を目いっぱい愛していきたいです。

by 青山実花 (2020-06-15 16:27) 

青山実花

mituさん
コメントありがとうございます。

原作も、映画も、
読んだり、観たりしないと、結果は分からないのですよね^^;
そう、そういう時は、
別作品なんだと思うしかないですよね^^;

by 青山実花 (2020-06-15 16:28) 

青山実花

わたしさん
コメントありがとうございます。

最近の方が、原作をいじらなくなったのかな?

女の子を、譲る譲られるってのも変な話ですよね。
しかも、女の子も、
それに応じるってもの、今ならどうなの?って感じです。

by 青山実花 (2020-06-15 16:28) 

裏・市長

この映画が遠藤憲一先生の原作とは
知りませんでした。
そりゃあ世間的に見て、
郷ひろみと川口厚を比べると、将来的にも
100人いれば106人が郷ひろみをとるでしょう。

致し方ありません。

もちろんボクは遠藤久美子先生の原作を
読んでいないため、青山実花さんの与太話を
鵜呑みにするならば、もう原作と映画は
根本的に「別  物」ではありませんか!。

よく甘い物は別腹…なんて、女性の間で
都合のいい言い訳のもと、まだ食うんか?と、
呆れるほどお食べになられる方がおられますが、
遠藤実先生は本当に心が広かったのですね。

普通なら原作引きあげて、映画化は許さじ!ですよ。

ボクのアイコンに愛用させて頂いている、
「風邪のフジ丸」。最初は白土三平先生の
原作としてアニメになったんです。

ところが制作会社の東映動画が原作料金を
支払うのをケチって、断りなく白土先生を
原作から外してしまったんです。

白土先生はショックでもう二度と東映とは
仕事をしない…と心に誓ったそうです。

最近では「海猿」が揉めましたね。
原作者とフジテレビで、
「海に猿なんかいるかよ!」って。
「猿は上野動物園にしかいねぇよ!」って。

結局のところ、金なんです。
「金」で揉めてるんです。

遠藤さくら先生にはかなりの金額を
掴ませたんじゃないかな?河井夫妻が。
そりゃあ黙るよってぐらいの金額を…。
by 裏・市長 (2020-06-21 01:39) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

もしも、世間が、
ヒロミ・ゴーと、川口厚さんを比べて、
100人中、123人が、
ヒロミを選んだとしても、
わたくしは、川口さんを選びますわよ。


そんな事、当たり前じゃありませんか。
あなた、川口厚さんといえば、
わたくしが世界で一番愛する川口浩様の弟さんなのよ。

川口厚さんに取り入れば、
川口家に出入りできるのよ。
浩様とも懇意になれるのよ。

さらに、厚さんと結婚なんて事になったら、
浩様の、義理の妹になれるのよ。
「お兄ちゃま」と呼ぶことができるのよ。
探検隊にも参加できるかもしれないのよ。

たった一つ残念なのは、
そうなると、もう決して、
浩様とわたくしが結ばれる事はない、という事くらいかしら。
仕方ありませんわね。
川口家に入り込むには
ある程度の犠牲はやむを得ませんわ。


えー!?
白土三平さんが怒ったのは、
裏・市長さんが、勝手に「フジ丸」をアイコンにしたからだと、
週刊誌で読んだのですが、違うんですか?

あと、「海猿」が揉めたのは、
マジックマッシュルーム野郎なんかに、
俺の原作を演じさせられっか、と、
作者が怒ったんだとばかり思っておりました。

その点、遠藤周作先生はご高潔ですわ。
どんなにストーリーを変えられても、
金なんか一円も受け取ってはいないのですよ。
ただ、俺に主役を演じさせろとゴネたらしいですけれど。

by 青山実花 (2020-06-22 21:21) 

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