「チワワちゃん」

〔2019年/日本〕


東京湾で、
若い女性のバラバラ死体が発見され、
身元が、千脇良子（吉田志織）だと判明する。


仲間たちから、
「チワワちゃん」と呼ばれていた彼女の本名を
知らなかったミキ（門脇麦）だが、
雑誌記者（栗山千明）から取材を受け、
「チワワちゃん」の人生を辿ってゆく。


一緒に遊んでいた、
カツオ（寛一郎）
ユミ（玉城ティナ）
ナガイ（村上虹郎）
そして、
「チワワちゃん」の恋人だった、
ヨシダ（成田凌）。


そんな彼らの話から、
チワワちゃんの本当の姿が
次第に見えてくる・・・。





やっぱり凄いな、
岡崎京子さん。


岡崎さん原作のコミックの映画化としては、
３本目の本作。
「へルター・スケルター」、
「リバース・エッジ」もそうだったけど、
若者の無軌道な感じと、
でも、実はとても繊細で、悩み多き姿が、
めっちゃ伝わってくる。


あれだけ遊んでて、
悪いこともして、
それなのに、相手の本名も知らないってのが
ある意味、ちょっと心地よく、
それって、自分なんだけど、
でも誰でもない者になりたいって願望を
叶えてくれるような気がする。


私は、カメラマンのサカタ（浅野忠信）が、
スタジオでチワワちゃんを撮影する場面が好き。


私が今まで見たことのある
撮影風景って、
カメラマンが、
ありったけの誉め言葉をモデルに投げかけて、
モデルをいい気分にさせて、
いい表情を引き出してゆくってものだったけど、
サカタは逆で。


チワワちゃんの心をえぐるような
辛辣な言葉で責め、
彼女が、
怒るか、泣くかして、
スタジオを飛び出すんじゃないかと思うまで、
追い込む。


そして、その表情を撮影するという、
一つ上を行く手法。
あんな場に、自分がスタッフとしていたら、
固唾を飲んで見守ってしまうと思うし、
現に、その場にいた村上虹郎は、
サカタを殴ってやろうかと思ったと言う。


で、さらに面白いのが、
そんなサカタとチワワちゃんが、
恋人同士になってしまう事。


岡崎京子さんは、
素晴らしい漫画を描くかただけど、
ひき逃げ事故に遭い、
事実上、作家生命を絶たれている。


本当に惜しい。
できる事なら、
お怪我から回復なさって、
新たな作品を書いてほしいと願っています。


評価　★★★☆☆

コメント 6

岡崎京子さんの写真をみました。
むむむっ、鋭い眼光。似ていると思います。
青山様のプロフィールアイコンの絵に。
by ヤマカゼ (2020-12-01 18:03) 

原作者にそういう大きな事故があるとは知りませんでした。
WOWOWで見ました。
無軌道な若さの形を見て斬新やなと思いました。
門脇麦に好感しているので見たと思います。
おそらく登場人物たち、30年後、普通の親をしているのだと思います。
そして、時代についていけないと嘆くのでしょうか。
素材こそ変われど、同じようなことを繰り返しているような気がしてなりません。
原作者の交通事故の犯人が捕まらないのはドラレコ、監視カメラがなかったせい？
人生をつぶされて、犯人が捕まらないのは、つらい話です。

by tommy88 (2020-12-02 11:00) 

ヤマカゼさん
コメントありがとうございます。

いえいえ、私の眼光は全然鋭くありません＾＾；
ただ、目つきのひねくれているところが、
奈良美智さんのイラストと同じだと思ったので
使わせていただいています＾＾

by 青山実花 (2020-12-02 12:09) 

tommy88さん
コメントありがとうございます。

>　そして、時代についていけないと嘆くのでしょうか。

昔、すねたような歌を歌っていたタレントが、
おっさんになって、「今どきの若い奴」はと言っているのを見て、
アホかと思いました。
「お前、ツッパることがたった一つの勲章じゃなかったんかい！」と。
みっともねぇ、カッコわりぃ、と。
私は時代に全くついていけていませんが、
「今どきの若い者は」とは極力言わないようにしていますし、
また、よほどの事が無い限り、そう思う事もありません。
むしろ老害の方に、強い嫌悪感を覚えます。

岡崎京子さん、本当に惜しいです。
57歳になった岡崎さんが、
どんな漫画を描いていたのか、読みたかったです。

by 青山実花 (2020-12-02 12:11) 

冬にピッタリな映画ですね。
「チクワちゃん」。

青山実花さんはおでんの具では何がお好きですか？。
ワタシですか、やはりチクワに大根と、
なにを置いても「牛すじ」ですね！。

今年はコロナ騒動のおかげでコンビニもスーパーも、
入り口付近に愛のむきだしで置いていた
おでんがなくなりました。真空パック、もしくは
すでにいくつかの具を容器に入れて売っています。

ということは…牛すじのみを選んで買う事が
できないんです！。衛生的ではあるけれど、
おでんを選ぶ自由がなくなりました。

多めにおつゆを注いで、コンビニの入り口で
食べ終えた後、それをイッキ飲み…。
そんな風物詩も楽しめなくなったのです。

コロナが憎い…コロナが憎い…コロナが憎い…。
ワタシから、おでんのつゆを奪ったコロナが憎い…。

岡崎京子先生をひき逃げた犯人、
まだ捕まってなかったのですね。知りませんでした。
こうして運が良ければ（？）捕まらないケースも
あるため、事故後、現場から逃げる不届き者が
後を絶たないんです。

逃げたら厳罰化、3日目に裁判なしで死刑…！とかに
しておけば逃げる者もいなくなるというのに。

映画作品が公開される度に、
「岡崎京子先生からメッセージが届きました！」と
発表されるけれｄ、すべて弟さんからの代理なんだね。
つまりはそういう事か…。実に残念なことである。
by 裏・市長 (2020-12-13 17:44) 

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

わたくしの好きなおでんの具ベスト3は、
そうですわね、

大根、
餅入り巾着、
紀文の魚河岸あげ

の3つでしょうかしら。

でも、わたくし、コンビニでおでんというものを
一度も買った事がありませんのよ。

わたくしのような、女の中の女、ともなりますと、
おでんは作るもので、買うものではありませんわ。
大体、紀文の魚河岸あげが食べたくても、
コンビニのおでんに、そのようなものが入っているのかしら。
どーしてもの時は、
スーパーで買ってくれば、
煮てくれるのかしら。

あのコンビニのおでんというのは、
ゴキブリのお墓、というのは本当なのかしら。
ゴキブリが自ら身を投げる、
ゴキブリ界の東尋坊とも言われているとか。

それから、底の方には、コインが沢山沈んでいるという
噂はどうなのでしょう。
コンビニのおでんは、
外国では、
「日本のトレビの泉」と言われていて、
後ろ向きでコインを投げ入れる観光客が後を絶たないとか。

あら、原稿用紙が無くなってしまいましたわ。
岡崎京子先生については、また後日。

by 青山実花 (2020-12-21 21:08)