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「雨のなかの女」 [映画]

amenonakanoonna.jpg
〔1969年/アメリカ〕


専業主婦のナタリー(シャーリー・ナイト)は、
ある朝、置手紙を残して家を出た。
理由は自分でも分からない。
何か不安で、
何かもどかしく、
旅に出たくなったのだ。


途中、ヒッチハイクしている青年・キラー(ジェームズ・カーン)を
拾う。
彼は、大学のフットボールの花形選手だったが、
怪我をして放校となり、
ガールフレンド・エレンの父親に
仕事の紹介をしてもらうつもりなのだ。


ナタリーはキラーを、
エレンの家まで送るが、
フットボールを辞めたキラーには
何の価値もないと言わんばかりに、
エレンから冷たい言葉を浴びせられる。


その後、ナタリーは
パレードで賑わう通りでキラーを撒こうとするも、
結局、見捨てることができず・・・。





なんだろう、
この主人公のナタリーって人は。


夫との生活に何か不安や戸惑いを覚え、
家を出た、
それは分かる。
人間、生きていれば、そんな日もあろう。


でも、それなら、
なぜ、ヒッチハイクしている男なんて拾うかな。
彼女は一人になりたかったんじゃないの?
一人で自分の人生を見つめ直したり、
考えたりしたかったんじゃないの?


それとも、
別の男とのアバンチュールを楽しみたかったのか?


彼女は、キラーという男を車に乗せたおかげで、
散々な目に遭う。
彼さえいなかったら、
そんな思いはしなくて済んだ、という事ばかり。


せっかく夫から少し距離を置いて、
ゆっくり考えようって時に、
かえって苦労を背負い込むとは、
一体何がしたいのかさっぱり分からない。


しかも、彼女は妊娠初期なのだ。
何かトラブルがある度に、
体は大丈夫か?と、
架空の話ながら、
気が気じゃなかった。


この映画は、
あのフランシス・F・コッポラ監督が、
今までのハリウッドの映画製作の
規制の多さに辟易して、
自由に撮った作品だと解説されていた。


例えば、
それまでハリウッドで主流だった、
作られたセットでの撮影から、
本当にロケをして、
地名通りの場所で撮影されたとか。


もしかしたら、
そういった映画作りの在り方を
見せるための、
実験的映画という意味合いの方が強く、
主人公の生き方云々は二の次だったのかもしれない。


評価 ★★★☆☆

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コメント 6

きよたん

青山さんの最後におっしゃった通り
主人公の生き方云々というより実験的
意味合いが大きかったのかもしれません
コッポラの雨の中の女 一度見て見たい映画でした。
紹介していただいてありがとうございます。
by きよたん (2020-04-18 15:54) 

青山実花

きよたんさん
コメントありがとうございます。

コッポラ監督は、
今までのハリウッドの撮影方法から抜け出して、
本物のロードムービーを
撮りたかったのかもしれませんね。

こんな与太ブログでも、
お役に立てたのなら嬉しいです。
きよたんさんも、この映画、
いつか観られるのといいのですが。


by 青山実花 (2020-04-18 18:33) 

ヤマカゼ

女性の気持ちは男には分からないと思っていたのですが、青山様でも理解できない事があるのですね。
昔、となりのトトロの主人公の姉妹の話を友人と友人の奥さんに話をしたらあんな素直子がこの世にいるわけないと笑われた事があります、丁度、友人もトトロの主人公と同じく姉妹を育児中でしたけど。
by ヤマカゼ (2020-04-18 20:27) 

青山実花

ヤマカゼさん
コメントありがとうございます。

この映画の主人公は女性ですが、
作っているのは男性ですので、
微妙に違うなーと感じたのかもしれません^^;

確かに、映画などで、
あまりに素直な子供を見ると、
ちょっとあざとい感じがして、
私も好きではないかもしれません^^;
私も子供の頃、宮崎駿監督の映画に出てくるような
子ではなかったので^^;
by 青山実花 (2020-04-19 12:55) 

裏・市長

実験映画というか、監督のひとりよがり映画に
「意味」なんてねーんだよ!。
「ストーリー」とか「辻褄が合わない」、
「ありえない」なんて批評するのも筋違い。

なんせ、ひとりよがりなんだから。

自分家のホームシアターでひっそり上映して、
監督とそのとりまきたちが、
「これって名作じゃね?」と勝手に絶賛してれば
いいのに、劇場で上映しちまって、
一般の観客から金銭を巻き上げるから始末が悪い。

あの勝新太郎先生も多分にそんなところがあったな。
自分のやりたいことをやりたいようにやる。

彼の当たり役「座頭市」テレビシリーズ最終回、
第100話に選んだテーマが「夢オチ」。

当時の日本人に夢オチなんか理解できるハズがない。
それでもやっちゃう。
自分がやりたいから。

めくらの座頭市がある朝起きたら、
目が見えるようになってた!というお話。

年がら年中こんな感じで、
パンツの中は四次元ポケット並みに
色んなものが隠されてたから、
おかげで中村金玉緒が
「すんまへんなぁ~グフフフ~」と、
周りに謝りたおすハメになる。

青山実花さんもボクに成り代わり、
世間の人々に謝り倒すハメにしてさしあげようかと、
いま色々と画策している。どうぞご期待ください。
by 裏・市長 (2020-04-28 19:52) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

えー!
この映画は独りよがり映画なんですか?

独りでよがっているのですか?
コッポラ監督は変態なんですか?
そんな場面を人に見せたがるなんて、露出狂なんですか?
夜道で立ってる男なんですか?

勝新太郎さんも、
独りよがりなんですか?
「座頭市」が夢オチって、
何でもアリって事なんですか?

じゃあ、わたくしが映画を撮ってもいいんですか?
どんなストーリーでもいいんですか?

「桃から生まれた裏・市長が、
 歌って踊るミュージカル。
 途中、彼は殺され、
 探偵・青山実花が犯人捜しに乗り出すも、
 宇宙人に連れ去られ、
 しかしガメラが迎え来て、事なきを得る。
 裏・市長はゾンビとなって甦り、
 日本と大和高田国の戦争に、
 兵士として参戦する」

こんな話でもいいんですか?

わたくしが、裏・市長さんの代わりに謝罪ですか?
いいですわよ、
いくら謝っても金がかかるわけじゃなし、
おまけに人を優越感に浸らせて、
その心の隙間に入り込むという、
最高の手段ではありませんか。
中村玉緒さんは謝罪の神様ですわ。
by 青山実花 (2020-04-29 21:47) 

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