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「猫は知っていた」 [映画]

nekohashitteita.jpg
〔1958年/日本〕


音大生の仁木悦子(仁木多鶴子)は、
兄・雄太郎(石井竜一)と共に、
箱崎医院の二階に引っ越してきた。
箱崎家の院長の末娘・幸子にピアノを教えるためだ。


数日後、
箱崎家の庭に、
防空壕がある事に気付いた悦子は、
幸子と共に中に入ってみると、
なんと、奥の方に、
院長の母親の他殺死体があった。


同じ頃、
入院患者の平坂が姿を消しており、
犯人は、平坂ではないか、
というのが大方の見方であった。


けれど、
ミステリー小説マニアの悦子は、
平坂犯人説に違和感を感じ、
独自で推理を始め・・・。





これはもう、
ツッコミどころ満載で、
かえって面白い(笑)。


仁木多鶴子さん演じる主人公・悦子が、
兄と共に、箱崎医院に引っ越してきた途端、
殺人事件が起こるというのもすごいけど、


そもそも、なぜ、彼ら兄妹が、
病院に住み込むのかが、謎。
いくら、娘の幸子にピアノを教えるとはいっても、
彼らの部屋は、病室の一室。
そんなところに、入院患者を入れずに、
なぜ、下宿人を住まわせるのか。
患者を入院させるより、金になるのか?
いや、違うな。
部屋代は格安だというし。


しかも悦子は、猫連れ。
普通に診察室や手術室に入れる建物で、
動物は問題なのでは。
当時は今ほど気にしなかったのか?


箱崎家の院長が、
警察の霊安室に赴く場面があるのだけれど、


なぜか、それに悦子が付いていくってのも、
変じゃない?(笑)
彼女は、血縁者でもない、
ただの下宿人よ。
しかも、まだ若い女子大生。
いくらミステリー小説が好きだからって、
そんな事は、理由にならないだろうて。


そう、
悦子はミステリー小説が大好きという設定なのだけれど、
彼女は、事件をずっと頭の中で考える。
そして、考えた結果の推理が、
ほぼ、当たっている(笑)。
凄い能力だ。
ラスト、真犯人まで突き止める。


原作は、
作家・仁木悦子さんの、
同名小説。


第3回江戸川乱歩賞を受賞した作品だそうで、
その応募は、
江戸川乱歩さんの勧めがあったと、
ウィキペディアにある。


それが事実としたら、
当時としては、
凄い小説だったのかも、
と思ったりする(権威に弱い(笑))。


もしかしたら、
映画は相当端折ってあって、
原作は面白いのかも。


評価 ★★★☆☆

nice!(134)  コメント(18) 
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コメント 18

mitu

原作と映画は別物ということも多いようですからね
猫はどんな演技をしたのかニャ^^
by mitu (2022-11-03 17:01) 

とし@黒猫

悦子は猫の目を借りて見ることができる?!
きっと真実の推理が、まるで猫の目を借りているようだ、という
ことでしょうかね。



by とし@黒猫 (2022-11-03 17:55) 

青山実花

mituさん
コメントありがとうございます。

きっと原作は面白いのでしょうね^^

猫は、特に演技はせず、
変な薬の実験台にされたりして、
可哀想でした^^;
by 青山実花 (2022-11-03 18:30) 

青山実花

とし@黒猫さん
コメントありがとうございます。

この猫ちゃん、
トリックで、殺人の片棒を担がされたりして、
なんとも可哀想で。
悦子は、そんな猫の気持ちを
理解していたのでしょうね。
by 青山実花 (2022-11-03 18:33) 

英ちゃん

猫は知っていた…って言うタイトルからして面白い(^_^;)

by 英ちゃん (2022-11-03 23:01) 

kousaku

家政婦は見たのような猫は見たですか、猫も大変ですね、目撃証人なんですがにゃんとも言えませんからね。
by kousaku (2022-11-04 08:19) 

お散歩爺

昨日仁木悦子さんってどんな人だっけ?と家内と話してたんです。
爺はスリルとサスペンスやミステリーなどが大好き魔ので興味ありです。
推理が楽しみなのでこの映画は見たいです。
by お散歩爺 (2022-11-04 09:18) 

青山実花

英ちゃんさん
コメントありがとうございます。

猫が最も殺人のトリックを知っているのに、
喋れないというもどかしさ^^;

by 青山実花 (2022-11-04 21:28) 

青山実花

kousakuさん
コメントありがとうございます。

あはは^^
本当に家政婦のようですね^^
猫が話せたら、
裁判にまで駆り出されそうです^^;

by 青山実花 (2022-11-04 21:28) 

青山実花

お散歩爺さん
コメントありがとうございます。

おぉ、それは偶然ですね^^
仁木悦子さんは、
病身でありながら、
素晴らしい小説を書かれていたのですよね。
お散歩爺さんにも、この映画、
観てほしいです^^

by 青山実花 (2022-11-04 21:29) 

yokomi

2つ前の記事と共に仁木多鶴子さんと石井竜一さんコンビは当時の売れ筋だったのでしょうね。私は高松英郎さんしか知りませんが(^_^;) 犯人は夫かも(>_<)
by yokomi (2022-11-05 16:33) 

tommy88

(笑)を付けても「権威に弱い」と素直に言えるのは素敵です。
私は、言えずにどうしようもないですね。
だから、抗って見せるふうを演じて生きています。

by tommy88 (2022-11-06 10:33) 

su-nya

あらすじだけで、つっこみどころ満載!
これは原作を読んでみるしかないんでしょうか。
by su-nya (2022-11-06 16:26) 

青山実花

yokomiさん
コメントありがとうございます。

私も、また仁木多鶴子さんと、石井竜一さんのコンビだ、
と思いました^^
きっと売り出し中だったのでしょうね^^

by 青山実花 (2022-11-07 22:14) 

青山実花

tommy88さん
コメントありがとうございます。

いえいえいえいえ
天下の江戸川乱歩さんの推薦と聞いたら、
誰だって、すげー!
となると思います^^;

by 青山実花 (2022-11-07 22:14) 

青山実花

su-nyaさん
コメントありがとうございます。

私も、原作を読む以外、
理解するのは難しいと思いました(笑)。

by 青山実花 (2022-11-07 22:15) 

裏・市長

問題はだな・・・。

青山実花さんは知っていたのか?
知らなかったのか?そこが重要だ。

猫ですら知っている事柄を
SSブログのラーメン親善大使と呼ばれる
青山実花さんが知らないとなると、
もうこのような記事を書く事すら、
チャンチャラおかしいからだ。

ちなみに私は知っている。

すべてを知っている。

おまえのすべてを知っているのだ。

江戸川くんが推薦するほどだから、
それなりに江戸川くん好みの作品なのだ。
好事家には絶大な支持を受けている乱ちゃんの
作品だが、少し距離を置いてみると、
常人の暮らしとは少し違う異世界の住人が
織りなす物語ばかりなのがわかるだろう。

椅子の中に入って、住人の暮らしを観察して
みたり、天井をはいまわってみたり、
芋虫ってみたり…と。

深夜、ふと気づくと聞き慣れない物音がしたり、
ダイニングキッチンのイスに人の気配を
感じたりしないだろうか・・・。

危ない、青山実花さん!

あなたの小屋…いや、部屋からは
あなた以外の何物かの気配を感じる…!!
by 裏・市長 (2022-11-11 00:31) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

そりゃあ、
わたくしは知っておりましたわよ。
何でも知っているわたくしですもの、
猫が知っている事を、
知らないはずがございません。

裏・市長さんこそ、
知っていたのですか?
あの事件の犯人を。

あれですよ、あれ、
テレビでも大騒ぎになった、
あの事件ですよ。

まさか、あなたが当事者というわけじゃ
ありませんわよね?


江戸川乱歩先生は、本当に常人とは
かけ離れておりました。

たとえば、先生は、
角栓取り、角栓抜きの動画が
大好きだったとか。

特に、黒角栓がお気に入りで、
ベッドに入ってからは
あれを見ないと寝られなかったそうで。

一番好きな動画が削除されたときは、
ショックで、その落ち込みかたといったら、
周囲の人が声もかけられなかったそうですわね。

そんなに好きなら、
自分で角栓を溜めて、
取ってりゃいいのに。

by 青山実花 (2022-11-18 14:53) 

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