「たそがれの東京タワー」

〔1959年/日本〕


銀座の洋裁店で、お針子として働く京子（仁木多鶴子）は、
東京に出てきて、まだ3か月。
先輩のお針子たちが、
休暇に恋人と出掛ける中、
孤児の京子は、淋しさを募らせる。


ある時、店の服を無断で借り、
完成したばかりの東京タワーの展望台に
昇った京子は、
そこで、津田直樹（小林勝彦）という青年と知り合う。


自分が貧しいお針子だと言い出せない京子は、
金持ちの娘を演じ、
京子の仕立てのいい服を見た直樹は、
それを疑いもしない。


直樹を騙している自分に
良心の呵責を感じる京子だが、
彼に会いたい気持ちは募るばかり。
そんなある日、
店の服を着て出掛けている事を、
マダムに知られてしまい・・・。





なんというおとぎ話。
可愛いおとぎ話。


確かに、自分の勤める洋品店のお洋服を、
勝手に着て出掛けてしまう
主人公の京子は問題だけど、


彼女を身の上を思うと、
幸せを願わずにはいられない。


孤児で、
両親の愛情を知らない京子は、
好きになった直樹に、
「ママは幼い頃に死んだ」
「パパは船乗りで、自分を深く愛してくれている」
「今日はピアノのレッスン」
などと話す。


それは、嘘というより、
こうであったらいいな、という、
京子の願望のように聞こえる。


直樹は、自分の事を職工だと言ったけれど、
実は、それも嘘で、
本当は、大きな自動車会社の社長の御曹司。
そして、親の決めた婚約者がいる。


何かと障害の多い2人だけど、
ラストはハッピーエンド。
素敵なシンデレラストーリー。


京子役の仁木多鶴子さんは、
大映の映画に多数出ていて、
主役を演じることも多いけれど、
あまり知られていないのは、
人気絶頂期にご結婚され、
そして、44歳で亡くなったからだろうか。


とってもチャーミングで、
可愛くて、
若尾文子さんにも、少し似ている。
長生きされていたら、
今頃は、大御所と呼ばれていたでしょうに、
残念です。


タイトルの通り、
東京タワーが何度も出てくる。


まだ周辺には高いビルもなく、
今とは景色が全然違う。
それが見られるだけでも貴重な映画。


評価　★★★★☆

コメント 18

ハッピーエンドとは素敵なお話ですね(^^)
by 美美 (2022-10-20 17:22) 

こうであったらいいなという嘘、なんだかかわいいですね＾＾
by mitu (2022-10-20 18:14) 

1959年じゃぁ東京タワーが出来たばっかの頃だね。
東京タワーが主役かな(^_^;)
by 英ちゃん (2022-10-21 00:39) 

ハッピーエンドなのですね。
なら良かったぁ～ぁ！！ホント！！
by 向日葵 (2022-10-21 02:51) 

なんだか懐かしいような映画ですね、東京タワーに絡んだ恋愛ものなんですね、そうかハッピーエンドで終わるのはいい事です。
by kousaku (2022-10-21 09:49) 

さすがに、1959年ともなると知っている俳優さん、誰もいませんでした。
この頃は美空ひばりさんの映画は見ていたような気がします。母としか映画館行かれないので、こういう恋愛系ストーリーはつれていってもらえなかったのかも。
by わたし (2022-10-21 12:19) 

こういうシンデレラストーリー、好きです。
女は貧しいのを隠し、男は金持ちなのを隠してるんですね。
しかも婚約者がいるなんて、恋愛映画の王道だ！
by リンさん (2022-10-21 19:26) 

美美さん
コメントありがとうございます。

こういう可愛いお話しは、
ハッピーエンドがいいですよね＾＾
by 青山実花 (2022-10-21 19:41) 

mituさん
コメントありがとうございます。

小さな女の子がつい言っちゃった、
みたいなのが可愛いですね＾＾
by 青山実花 (2022-10-21 19:42) 

英ちゃんさん
コメントありがとうございます。

東京タワーができた翌年の映画ですね＾＾
きっとあやかったのでしょうね＾＾
by 青山実花 (2022-10-21 19:43) 

向日葵さん
コメントありがとうございます。

可哀想な境遇の主人公なので、
幸せになってほしいです＾＾
by 青山実花 (2022-10-21 19:43) 

kousakuさん
コメントありがとうございます。

東京タワーができた翌年なので、
このような作品が生まれたのでしょうね＾＾
幸せを観るのはこちらも嬉しいです＾＾
by 青山実花 (2022-10-21 19:44) 

わたしさん
コメントありがとうございます。

美空ひばりさんの映画なら、
お母様も安心してお連れになったのでしょうね＾＾
このような映画は、
少女時代のわたしさんには、
早すぎるという判断だったのかもしれませんね＾＾
by 青山実花 (2022-10-21 19:46) 

リンさん
コメントありがとうございます。

嘘は嘘でも、
なんだか許せちゃう嘘ですよね＾＾
それに、婚約者さんも結構いい人だし、
金持ちのお父さんも2人の交際を反対しないという、
なんか、嬉しい映画でした＾＾

by 青山実花 (2022-10-21 19:48) 

大映スコープと言うのが凄いですね。
さらに、東京タワーが既に建っていたのもすごい。
高層ビルのない東京タワー周辺が見られる貴重映像なんですね。
ゴミ箱は確か木だったような気がするけれど、映ってるかなぁ。

by tommy88 (2022-10-23 12:13) 

tommy88さん
コメントありがとうございます。

東京タワーが作られた翌年の映画ですが、
64年前に東京タワーがあったというのも
凄いですね＾＾
ゴミ箱は気付きませんでした＾＾；
by 青山実花 (2022-10-24 10:06) 

もうここまで来ると「記録映画」ですよ。
歴史の一部です。

連続テレビ映画第一号と呼ばれた
「月光仮面」には建設途中の東京タワーが
撮影されています。

話は逸れますが、長らく「月光仮面」が
日本のテレビ映画のはじまりだと
言われていたのですが、近年その歴史が
塗り替わりました。

川内康範先生原作の「ぽんぽこ物語」の
フィルムが大量に発見され、これが第１号
なのだそうだ。

あまり話題にもならないのだが、
60年近く、間違った説が流布され続けていて、
それを誰も訂正しない…そんな時代が続いていた。

なので、裏・市長さんがちょっとエッチで
ちょっとすけべぇで、ちょっとイヤらしい人、
という間違ったイメージはこの機会に
払拭していただきたいと切に私は願う。

そのような印象操作に私は耐えて生きられそうに
ないからだ。

青山実花さんには特別に記事を書いて頂き、
「裏・市長さんはこんなにいい人」というのを
アッピールしていただきたい。

そうすれば、ここに集う方々も
真実を知る運びとなるだろう。

そのための協力を私は惜しまないつもりだ。
by 裏・市長 (2022-11-11 03:44) 

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

それにしても、
川内康範センセーは、
素晴らしいですね。

「月光仮面」かと思いきや、
「ぽんぽこ物語」の
原作までお書きになっていたとは。

つまり、日本のテレビ映画のはじまりが、
「月光」だろうが、「ぽんぽこ」だろうが、
センセーにとっては、
どーでもいい事なのですね。

どっちも自分なのですから。


裏・市長さんに関するイメージは、
裏・市長さんがご自身で、
長年かけて培われてきた事でございましょう？

わたくしには何の関係もない事ですわ。
あなたが、この先、
わたくしのコメント欄に、
エロな事を書かなければ、
それで済む問題でございます。

それをなぜ、わたくしが、
あなたのイメージを払拭するために、
尽力しなくてはならないのでしょうか。

その見返りとして、
あなたは何をしてくださるのかしら。

東京タワーでも、プレゼントしてくださるの？

by 青山実花 (2022-12-04 19:23)