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「花嫁花婿チャンバラ節」 [映画]

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〔1952年/日本〕


日本橋の扇屋の次男・信二(長谷部健)は、
母親と兄から、
然る良家の令嬢との見合いを勧められているが、
実は、心に決めた女性があった。


その女性とは、
ビアホールに勤める圭子(若尾文子)。
プロポーズはまだだったが、
彼女も信二を愛してくれていることは間違いない。


圭子の存在を知った母と兄は、
探偵(伴淳三郎)に頼んで、
圭子の素性を調べた。
圭子は父親と二人暮らしで、
父親は、女剣劇一座の楽屋番をしているという。


母は、そう頭の固い女ではなく、
信二と圭子の結婚を、
すぐに認めてくれ、
2人を喜ばせた。


ところが、圭子の父親の名前を聞いた途端、
顔色が変わり、
この結婚には絶対反対だと言い出し・・・。





これは面白い。
すごく好き。


内容は、
軽いコメディで、
お笑い部分は、
まるでドリフのコントのようであるが、
なぜか私の心の琴線に触れる。


まず、若尾文子さんが、
まだお若く、とっても初々しい。
愛し合っているのに、
プロポーズの言葉を中々言い出せない
恋人・信二にイライラする様子も可愛い。


そして、何より、
主演の若い2人の、
脇を固める俳優さんたちの面白さ。


まずは探偵役の伴淳三郎さん。
安定の演技。
名画座で、どんな映画を観ていても、
彼が登場すると、
必ず劇場の雰囲気が、
「出たー!」という風になる(笑)。
軽く笑いが起こる。
出てくるだけで喜ばれるって、どんだけ凄いんだろう。


それから、
若尾さんの父を演じる柳家金語楼さんと、
長谷部さんの母を演じる望月優子さん。


この2人は、昔恋人同士だったのを、
身分の違いから、
親に騙されて、引き離された過去があり、
互いを恨んでいる。


けれど、事の真相を知ってから、
失われた時間を取り戻そうとするかのように、
急にイチャイチャし始める(笑)。


写真を見ると分かるけど、
回想シーンも、
ご本人たちが演じているので、
大笑いしてしまう。


もう一人、
絶対書きたかったのが、水の江瀧子さん。


水の江さんは、
女剣劇一座で男性役を演じているのだけれど、
それはもう、
惚れ惚れするようなカッコよさ。
うっとりしながら、スクリーンを見つめていた。


この感情は、
宝塚の男役に抱く感情と
似た感じだと思うのだけれど、
なぜ、女性が演じる男性って、
あんなに素敵なんだろう。


水の江さんが女性だと分かっていても、
一生ついていきたい!てな気持ちにさせられる(笑)。


評価 ★★★★☆





この作品で、
若尾文子さんの出演映画、163本中134本を観た事となりました。
(今まで、若尾さんの出演作は161本としてきましたが、
 その後、新たに2本の映画に出演している事が分かりましたので、
 今回から163本といたします)


(★は観た作品)


★春の雪 (2005)
★竹取物語 (1987)
★ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 (1975)
★幻の殺意 (1971)
★男はつらいよ 純情篇 (1971)
★スパルタ教育 くたばれ親父 (1970)
★座頭市と用心棒 (1970)
★天狗党 (1969)
★千羽鶴 (1969)
★濡れた二人 (1968)
★積木の箱 (1968)
★不信のとき (1968)
★鉄砲伝来記 (1968)
★華岡青洲の妻 (1967)
★砂糖菓子が壊れるとき (1967)
★妻二人 (1967)
★夜の罠 (1967)
★雪の喪章 (1967)
 処女受胎 (1966)
★赤い天使 (1966)
★雁 (1966)
★氷点 (1966)
★処女が見た (1966)
★刺青 (1966)
★妻の日の愛のかたみに (1965)
★不倫 (1965)
★清作の妻 (1965)
★帯をとく夏子 (1965)
★女めくら物語 (1965)
★波影 (1965)
★花実のない森 (1965)
★幸せなら手をたたこう (1964)
 悶え (1964)
★卍(まんじ) (1964)
★獣の戯れ (1964)
★傷だらけの山河 (1964)
★「女の小箱」より 夫が見た (1964)
★温泉女医 (1964)
★新・忍びの者 (1963)
★越前竹人形 (1963)
★女が愛して憎むとき (1963)
★わたしを深く埋めて (1963)
★女系家族 (1963)
★八月生れの女 (1963)
★雪之丞変化 (1963)
★しとやかな獣 (1962)
★秦・始皇帝 (1962)
★瘋癲老人日記 (1962)
★その夜は忘れない (1962)
★やっちゃ場の女 (1962)
★仲よし音頭 日本一だよ (1962)
★閉店時間 (1962)
★爛(ただれ) (1962)
★雁の寺 (1962)
★家庭の事情 (1962)
★妻は告白する (1961)
★新源氏物語 (1961)
★銀座のぼんぼん (1961)
★女は二度生まれる (1961)
★女の勲章 (1961)
★東京おにぎり娘 (1961)
★好色一代男 (1961)
★お嬢さん (1961)
★婚期 (1961)
★花くらべ狸道中 (1961)
★銀座っ子物語 (1961)
 素敵な野郎(1961)
 鎮花祭 (1960)
★偽大学生 (1960)
★安珍と清姫 (1960)
★勝利と敗北 (1960)
★ぼんち (1960)
★からっ風野郎 (1960)
★女は抵抗する (1960)
★女経(じょきょう) (1960)
★初春狸御殿 (1959)
★浮草 (1959)
★実は熟したり (1959)
★美貌に罪あり (1959)
 花の大障碍 (1959)
★次郎長富士 (1959)
★氾濫 (1959)
★山田長政 王者の剣 (1959)
★薔薇の木にバラの花咲く (1959)
★最高殊勲夫人 (1959)
★あなたと私の合言葉 さようなら、今日は (1959)
 新婚七つの楽しみ(1959)
★母(1958)
★娘の冒険 (1958)
★夜の素顔 (1958)
 嵐の講道館(1958)
★一粒の麦 (1958)
★息子の結婚 (1958)
★口笛を吹く渡り鳥 (1958)
★愛河 (1958)
★忠臣蔵 (1958)
★螢火 (1958)
★東京の瞳 (1958)
 妻こそわが命(1958)
★青空娘 (1957)
★夕凪 (1957)
★誘惑からの脱出 (1957)
★永すぎた春 (1957)
★朱雀門 (1957)
★慕情の河 (1957)
 続銀河の都 (1957)
★スタジオはてんやわんや (1957)
 銀河の都 (1957)
 君を愛す (1956)
★四十八歳の抵抗 (1956)
★日本橋 (1956)
★涙 (1956)
 スタジオは大騒ぎ (1956)
 あさ潮ゆう潮 (1956)
★滝の白糸 (1956)
★処刑の部屋 (1956)
★新婚日記 恥ずかしい夢(1956)
★新婚日記 嬉しい朝(1956)
★赤線地帯 (1956)
★虹いくたび (1956)
★新妻の寝ごと (1956)
★花嫁のため息 (1956)
 薔薇の絋道館 (1956)
★弾痕街 (1955)
 七人の兄いもうと (1955)
★珠はくだけず (1955)
★長崎の夜 (1955)
★幻の馬 (1955)
 娘の縁談 (1955)
★薔薇いくたびか (1955)
★月に飛ぶ雁 (1955)
 幸福を配達する娘 (1955)
★螢の光 (1955)
 勝敗(1954)
 荒城の月 (1954)
★月よりの使者 (1954)
 緑の仲間 (1954)
★浅草の夜 (1954)
 慕情 (1954)
★舞妓物語 (1954)
★酔いどれ二刀流 (1954)
★或る女 (1954)
★心の日月 (1954)
★十代の誘惑 (1953)
 無法者 (1953)
★続続十代の性典 (1953)
 春雪の門 (1953)
★祇園囃子 (1953)
★続十代の性典 (1953)
★チャタレー夫人は日本にもいた (1953)
 怒れ三平 (1953)
★十代の性典 (1953)
 彼女の特ダネ (1952)
 街の小天狗 (1952)
 秘密 (1952)
★明日は日曜日 (1952)
★花嫁花婿チャンバラ節(1952)
★母子鶴 (1952)
★猛獣使いの少女 (1952)
★死の街を脱れて (1952)
 娘初恋ヤットン節(1952)
★長崎の歌は忘れじ (1952)
 生き残った弁天様(1952)

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コメント 10

kousaku

こんにちは!
今回の映画は全く知りませんでしたね、いつもは大体が懐かしいなとみておりますがね。(^_-)-☆
by kousaku (2020-10-03 15:31) 

beny

冒頭の白黒写真が懐かしく素晴らしい。
by beny (2020-10-03 15:42) 

英ちゃん

橋が付く駅かぶっても大丈夫ですか?
はい、全然大丈夫です。
by 英ちゃん (2020-10-03 23:05) 

tommy88

女性が演じる男性
おそらく不純物が混じっていないからだと思います。
男子には余分なものがまとわりついていて、醜悪だから。
おそらく支配欲だとか、虚勢みたいなものが爽やかさを失わせる。
少年たちにはなかった支配欲が機能し始めると厄介になるのだと思います。
隠してはいたけれど、自分でも醜く卑怯だったと思うのです。
的外れかもしれませんが。

by tommy88 (2020-10-04 05:45) 

青山実花

kousakuさん
コメントありがとうございます。

なんだか殆どが古い邦画の感想ばかりで^^;
懐かしいと思ってくださるといいのですが。

by 青山実花 (2020-10-07 21:34) 

青山実花

benyさん
コメントありがとうございます。

私もこの写真、好きです^^
全員が、それぞれの役割を表情に出していると思います^^
by 青山実花 (2020-10-07 21:35) 

青山実花

英ちゃんさん
コメントありがとうございます。

ありがとうございます。
新コロ前に書いたものなので、
ちょっと見直してから出しますね^^

by 青山実花 (2020-10-07 21:35) 

青山実花

tommy88さん
コメントありがとうございます。

「不純物」というのは、
女からすると、下心という事ではないでしょうか。
女性が演じる男性には、下心がありません。
下心を抜きにして、
女性が男性に、「こうあってほしい」という
理想の形を体現するのですから、
それはカッコいいに決まっています^^

by 青山実花 (2020-10-07 21:36) 

裏・市長

なぜ、このブログを伴淳三郎さんが
生きてる間にアップしてあげなかったのですか。

きっと喜ばれたと思いますよ。
長らく下書きに入れたままにしてある記事が
たくさんあると仰っていましたが、
昭和の邦画など、出演者がもうじき逝っちまうな…。

そう思われるようなレビューは、
早めに公開してくださいますよう、お願いします。

人間が亡くなるのは年齢順とは限りません。
竹内結子さんのように順番抜かしをするような
ズルイ女もおられます。

つまりは、下書きにいつまでもため込んでんじゃねーよ、
1日、5件でも6件でも更新しやがれ!。ボクみたいに。

つまりはそういうこってす。
by 裏・市長 (2020-10-08 23:54) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

この度は、鋭いご指摘、
まことにありがとうございます。

確かに、伴淳三郎さんには失礼な事をいたしました。
62年前にブログを始めてから、
溜めに溜めた、レビューの数々。

とっとと出しておけば、
伴淳さんの最期に間に合ったかと思うと、
残念でたまりません。

こんな思いを二度としたくはありませんので、
裏・市長さんからの嫌がらせコメントには、
できるだけ早く、嫌がらせで対抗しているつもりです。

後悔先に立たず。

by 青山実花 (2020-10-23 23:05) 

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