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「生きてみたいもう一度 新宿バス放火事件」 [映画]

nounaipoisonberry.jpg
〔1985年/日本〕


1980年8月19日。
新宿駅西口で、発車待ちの路線バスに、
火のついた新聞紙と、ガソリンが入ったバケツが投げ込まれた。


犯人は38歳の男(柄本明)。
8人の死者と、
12人の重軽傷者を出す、大惨事となった。


犠牲者の一人・石井美津子(桃井かおり)は、
全身に80%という大火傷を負い、
壮絶な治療と、リハビリをするも、
四肢の運動障害、肝機能障害などの
後遺症が残ってしまう。


私生活において、
美津子は、妻ある男・杉原(石橋蓮司)と付き合っていたが、
杉原の妻が、
美津子の入院中に癌で死亡、
退院後、杉原と美津子は結婚する・・・。





どんな事件でも、
傷つけられた、何の罪もない人に、
大変なダメージが残るのは当たり前の事だけれど、
それにしても、
ガソリンを撒かれて、火を付けられた火傷が、
あれほど酷いとは、想像を絶する。


この映画は、
実際に起きた1980年の新宿バス放火事件の被害者の
ベストセラーを映画化したもので、
被害者の体が回復してゆく過程や、
犯人への気持ちを描いた、
貴重な記録でもあると思う。


被害者の美津子さんは、
犯人を憎んではいない、と言う。


もちろん、犯人に対する気持ちは、
被害者一人一人が違うだろうし、
同じ目に遭っていない私には、
その気持ちは想像するしかないのだけれど、
私だったら、
犯人を憎まないと思えるのか、
ちょっと分からない。難しい。


ただ、美津子さんの言葉で、
少しだけ分かる気がしたのは、
「生きる事は誰かの犠牲の上で成り立つこと」というもの。
私も、時々、
何かに対して腹が立った時、
「でも、私だって、相当甘やかされて、許されて生きている部分がある」とか、
「私も、気付かないうちに、人を傷つけている、きっと」とか、
思う事がある。
もちろん、美津子さんの身に起きた事に比べたら、
比にならないくらい、つまらない怒りなんだけど。


美津子さんは、一生治らない
火傷痕を負い、
恋人と結婚するんだけど、
今度は、夫のなった人の借金が原因で、
心中しようと言われてしまう。


観ているこちらにしたら、
あんな壮絶な治療やリハビリを終えて、
やっとまあまあ普通の生活ができるくらいにまで
回復したってのに、
また死ぬってなんなんだ、と思ってしまう。


死んだらあかん。
「生きてみたいもう一度」だ。


評価 ★★★☆☆

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コメント 8

にゃごにゃご

昔、交通事故で入院してたとき、喫煙所で隣りに座った女性、「火事で全身やけどして治療に来てんだ」と言ってました。
話を聞いてて、想像できないことばかりでした。
by にゃごにゃご (2020-04-22 16:47) 

青山実花

にゃごにゃごさん
コメントありがとうございます。

やはり、実際に体験された方のお話を
直接聞いた重みは、
映画や本の比ではありませんね。

私も、火傷で四肢に運動障害が出るとは、
思ってもいなかったです。
by 青山実花 (2020-04-22 19:32) 

あおたけ

日常に走る路線バスが放火された…
乗客は防ぎようがない残酷な事件ですよね。。。
犠牲者だけでなく、かろうじて生き残った方も、
その後の辛さは計り知れないものがあるように思います。
何年か前に新幹線の車内で火を放った事件や、
京アニの事件をも思い出してしまいました。。。

by あおたけ (2020-04-23 07:32) 

青山実花

あおたけさん
コメントありがとうございます。

本当に、絶対にあってはならない
無差別殺人ですね。
犯罪の犠牲者の方々のダメージは、
想像を絶しますものね。
私も、新幹線や京アニの事件を思い出しました。
あんな事をする犯人の気持ちも、
全く理解できませんね。
by 青山実花 (2020-04-24 16:00) 

Ginger

当時、原作本を読んでいて、あまりに辛い内容は映像よりリアリティがあって、しんどかったです。。。
by Ginger (2020-04-25 11:57) 

青山実花

Gingerさん
コメントありがとうございます。

やはり本の方が、
内容も濃そうですし、
細部までしっかり描かれているのでしょうね。
私も原作を読んでみたいです。
by 青山実花 (2020-04-27 21:02) 

裏・市長

公共の乗り物に放火されるって、
逃げ場がないものな。

コメント欄に好き勝手書き殴られるほどに
逃げ場がない。書かれたコメントは
第三者にまですべて読まれてしまうのだから…。
もしボクがその立場だと考えたら…、
もう、お婿に行けない!。


柄本明とか、石橋蓮司とか、
この時代は犯人か変質者しか
演ってなかったもんな。

それが今や「実力派俳優」。

世の中どうなってんだ。

とにかく地道に細く、長くが成功の秘訣だろうな。
石橋蓮司なんて、令和になってから、
初の主演映画を撮ってもらえるぐらいだからな。

あの、現場にはいつも酒飲んでやってくる
ふざけた石橋蓮司がだよ?!。
松田優作があきれちゃった石橋蓮司がだよ?!。

裏・市長さんもいつ、どこでどう間違って
出世するかも知れない。人生一発大逆転が
待っているかも知れない。ないかも知れない。

そこでだ。

ある時払いの催促なし、出世払いで
いくらか都合してはもらえないだろうか。
これは青山実花さんにとってもチャンスだと思う。

ぜひ、前向きにご検討ください。

by 裏・市長 (2020-05-02 11:41) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

本当に庶民の皆様は大変ですわね。
電車だとか、バスだとか、
人でぎゅうぎゅうになった乗り物に乗って、
それで時々放火されるなんて、
毎日がサバイバルじゃありませんか。

しかも、最近は新コロ騒動で、
外出自粛令ですって!?
好きな時に好きな所に行けない生活なんて、
わたくしには想像ができませんわ。

わたくしは、といえば、
お出掛けは全て、
ベンツでの送迎、
中距離でしたら、ヘリコプター、
長距離でしたら、自家用ジェットで、
毎日、
大分に旅行に行ったり、
沖縄にゴルフに行ったりして、
コロナウイルスをばら撒いております。

え?人に迷惑をかけるな?
そんな事、知ったこっちゃないですわ。
わたくしは自分が楽しければそれでいいんです。


え?
裏・市長さん、わたくしにお金を貸してほしいんですか?
一体いくらご入用なんでしょう。

なにせわたくし、お金の事は全て秘書がしておりますので、
相談いたしませんと。
いいお返事ができるよう、
前向きに検討させていただきます。

by 青山実花 (2020-05-02 20:13) 

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