◆Y氏の妄想録◆ [本]
DVDで「家族シネマ」を観て以来、
梁石日熱が再燃したようで、
新しい本を何冊か借りてきた。
本書は、60歳の中年男、Y氏が、
定年退職した日から始まる小説である。
相変わらずの梁さん節炸裂だが、
主人公は、珍しく在日朝鮮人ではなく、
日本人である。
Y氏は、定年後、
不安定な妄想に取り付かれているが、
それは、サラリーマン時代に彼が犯した、
絶対に誰にも言えない出来事に起因しているようで、
忘れているようでも、
心の奥底で、罪悪感に苦しめられている。
私はとても面白く読んだが、
今まで梁さんの本を読んだ事のない方には、
絶対にお勧めしない。
「これが梁石日か」、と思われるのは、
ちょっと違和感がある。
特にY氏の息子の職業は、
とてもここには書けないような内容のもので、
梁さんの本がいつもこんななのかと思われるのは、
私が辛い(笑)。
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