「モールス」 [映画]

〔2010年/アメリカ〕
雪深い、アメリカのある町。
12歳の少年、オーウェン(コディ・スミット=マクフィー)は、
学校でイジメにあっていたが、
それを誰にも相談できず、一人苦しむ日々。
そんなある日、彼の住むアパートの隣室に、
アビー(クロエ・グレース・モレッツ)という少女が引っ越してくる。
どこか暗く、雪の中でも裸足で歩き、
体から異臭のするアビーだったが、
何故かオーウェンは心惹かれる。
同じ頃、町は猟奇殺人が連続して起こり、
担当刑事は頭を悩ませていた。
人が殺されては、遺体から血を抜かれたり、
首筋に噛みつかれたような痕があるなど、
異常な事件が続いて起こっているのだ。
少しずつ親しくなってゆくオーウェンとアビーだったが、
オーウェンはアビーの驚くべき秘密を知る。
自分と同じくらいの年齢だと思っていたアビーは、
実はヴァンパイアで、
本人も分からないくらいの長い長い時間を生きてきたのだ・・・。
スウェーデン映画、「ぼくのエリ 200歳の少女」を、
ハリウッドがリメイク。
オリジナルに忠実で、全く違う作品になっていた、という心配はない。
ただ、あまりに忠実すぎて、
リメイクした理由が分からない、との意見もあるようだが(笑)。
ハリウッド版の方がリメイクな分、
ストーリーがより分かり易くなっているとは感じた。
スウェーデン版のおさらいと確認をするような気持ちになる(笑)。
それぞれ場面を、ここはこちらが好き、ここはあちらが好きといった感じで、
比較したりもしていたが。
特に私には、少女と父親の関係が、
ハリウッド版の方が、より切なく描かれているような気がする。
詳しくは書けないけれど、
私には、あんな関係耐えられそうにもないな。
想像しただけで、胸が締め付けられそうになる。
近所の女性が、少女に噛まれて入院した時の顛末は、
スウェーデン版の方が、私は断然好き。
人間として、最後の理性を振り絞った感じがハリウッド版には無い。
ホラーっぽさを求めるならハリウッドだけれど。
主演の少年は、スウェーデンの方がいいかなぁ。
私個人の好みの問題かもしれないけど(笑)。
少女は、どちらも遜色なし。
ヴァンパイアとして生きる哀しみが
うまく表現されていたと思う。
評価 ★★★★☆
2011-08-07 12:00
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コメント(4)
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「ぼくのエリ 200歳の少女」は雪景色が印象的でしたね。
クロエちゃんも話題作に出演が続いて嬉しいです。
by k_iga (2011-08-07 20:31)
k_igaさん
この映画に雪は、必要不可欠ですね!
真夏の太陽では、雰囲気が全然変わってしまう(笑)。
クロエさんは、このまま真っ直ぐに成長していってほしいものです。
by 青山実花 (2011-08-08 12:50)
「ぼくのエリ」の子は男の子にも見える風貌でしたが、クロエちゃんはどうみ
ても女の子にしか見えないのでどうするのかと思ってましたが「モールス」
ではアビーは少女なんですね。
父親が実は従者で、昔、アビーと写った写真のシーンで12才くらいの少年
で数十年、一緒にいたことが分かります(原作ではまた異なりますが)。
映画のパンフレットにはアビーの驚くべき過去について記述があるそうです。
(パンフ売り切れでした)。
by k_iga (2011-08-12 01:53)
k_igaさん
そうなんですよね。
ボカシの部分も含めて、どのように表現されているのかと
思っていましたら、
やっぱりあれは女の子と思っていいのですよね。
あの写真のシーンが、私には辛くて。
父親は未来に嫉妬し、
オーウェンは過去に嫉妬する・・・。
やっぱり私は、父親の嫉妬の方に、
より切なさを感じてしまうのですが、
皆さんはどうなのでしょう。
愛する人は、若いままで、
自分だけ年を取るなんて、耐えられそうにもないわ(笑)。
私は原作は未読なので、
どのように表現されているのかが気になるところです。
パンフレットの内容も気になりますね。
殆ど買った事がないのですが、
今度劇場に行ったら、買ってみようかな。
by 青山実花 (2011-08-12 16:05)