「127時間」 [映画]
〔2010年/アメリカ〕
ジェームズ・フランコは、趣味がロッククライミングという、
明るく爽やかな27歳の青年。
金曜日、彼はいつものように、
ユタ州、ブルー・ジョン・キャニオンに向かった。
そこは彼にとっては、自分の庭のように慣れ親しんだ場所であり、
全てを知り尽くした場所でもあった。
迷子になっている二人の女の子に、
とっておきの谷底を教えて、
一通り楽しんだあと、
彼は、いつものように一人で岩の隙間に入った。
ところがそこで、アクシデントが起こる。
大きな岩が突然落ちてきて、
彼の右腕は完全に挟まれた状態になってしまったのだ。
どんなに叫んでも、届かない声。
ケータイは持っておらず、
さらに、行き先は誰にも告げていない。
水筒に入った水だって、いずれは無くなるだろう。
絶望的な状況の中で、
彼はなんとかそこから抜け出す方法を模索する・・・。
非常に辛い状況。
自分がどんな死に方をするのか、
一度も考えた事がないわけではないし、
世の中には様々な辛い死があるが、
この状況は耐え難い。
なにせ、使えないのは右手だけ。
あとは、体はどこも悪くないし、
頭だって正常だ。
空気は普通にあるし、水の中でもない。
ただひたすら、自分が干からびてゆく様子を、
冷静に見つめながら、死んでいくしかないのである。
空にはカラスが飛んでいる。
映画では描かれていないが、
まだ完全に死んでいなくても、
間近な死の匂いを嗅ぎつけたカラス、その他の動物や昆虫が、
襲い掛かってくる事も有り得る。
せめて死んでからにしてくれー!と思っても、
そんな思いは通じやしない。
フランコは、朦朧とした意識の下で、
両親や元カノや友達の事を思い出す。
「今までありがとう、そしてごめんなさい」。
あのような状況に陥ったら、
誰しもが、全てを許し、そして全てを許してほしいと願うだろう。
大変に理解できる場面だ。
けれども彼は、残った力を振り絞って、
自分を奮い立たせる。
生きる為に・・・。
評価 ★★★☆☆
災害や事故などのニュースの映像で幾日ぶりの発見、救出!あの状況下でまさに奇跡的。 このフレーズが浮かびます。 幸か不幸か(?)
今まで生きて来た中でこのような体験はしてません。
自分の死が決定的に成りつつ有った所からの生還は、その後の人生を大きく変えるだろう。 しかし、プラスかマイナスかはその人自身に拠るけれど。・・
フランコはこの後生き延びる為にどうしたのか、とても気になりました。
今回の場合はフランコ一人での、恐怖、絶望感、人生観?、だけれども
ここにもう一人の人間がいたらまた違ってくるのかな。 その人との関係にもよるが、自分が死んでも、相手を助けたいとか、またはそんなことは、どうでもよくなって、自分の命乞いをしてしまうのかな。それとも・・・
映画とずれてしまいましたね。きっと。 ごめんなさい!
by 坊や (2011-06-24 11:25)
坊やさん
記憶に新しいのは、
先の震災で被災して、
閉じ込められた家屋から助かった方々のエピソードでしょうか。
ああいったニュースを見ると、
心の底から「良かった・・・」と安堵の気持ちが湧いてきます。
私も、生死を分けるようなの体験をした事はありませんが、
そのような事があったら、
「それ以前」、「それ以降」と分けられるくらい、
人生観が変わるのではないかと思います。
もう一人誰かいたら・・・
この映画の場合だったら、助けを呼びに行く事ができますが、
二人で閉じ込められたとしたら、
やっぱりそこで、二人の関係や人間性が
試されるんでしょうね。
さんざん愛を口にしてきた相手が、
自分だけ助かろうとしたりしたら・・・ショックでしょうねぇ(笑)。
by 青山実花 (2011-06-24 16:16)
この方のことは、以前テレビで見たことがあったので、
映画館でチラシを見た時、「きゃー、このひとは!」(笑)。
すごく力強い笑顔というか、まさに生命力あふれる笑顔が印象的で、
すごいなあ、やっぱ違うよなあ・・と思いました。
何度想像してみても、彼と同じことはできそうもなくて。
by yonta* (2011-06-25 09:32)
yonta*さん
この映画のモデルになった方をご存知でしたか。
映画の最後にちょっとだけ出られていましたが、
本当に、生命力のある方だなぁ、と痛感しました。
しかも、その後も登山をしているというのだから驚きです。
私なら、もう山には近寄らない気がします(笑)。
私も彼と同じ事は絶対にできそうにもありません、
というか、すぐ諦めてしまう性格なので、
もう開き直って、寝てるかも(笑)。
by 青山実花 (2011-06-26 23:38)