◆結婚失格◆ [本]
これは難しい本だね。
別に読むのが難しいわけではなく、
その内容が。
著者・枡野浩一さんは、漫画家・南Q太さんの2番目の夫で、
ある日突然、Q太さんから見限られて、
離婚する事になったという。
名前も職業も変えてあるけれど、
枡野とQ太さんのゴタゴタが書かれている事は明らかで、
彼の思いが綴られている。
枡野さんは誓って暴力など振るっていないのに、
裁判で子どもを殴ったとQ太証言されたとか、
メールをしただけで、ストーカー法に抵触すると言われたとか。
そんなエピソードだけで埋め尽くされた本。
一番辛いのは、子供さんに会わせてもらえない事だそうだ。
どうしても子供に会いたい枡野さんは、
保育園のお散歩の日に、
行き先で子どもを待つ。
人と人との揉め事話は、
どちらか片方の意見を聞いても駄目なわけで、
何も知らずにこの本だけを読むと、
Q太さんの仕打ちが、いかに酷いかのような印象を受ける。
ただ、この本のあとがきが凄い。
穂村弘さんや、長嶋有さんが、
枡野さんの、ちょっと特異な性格について書いてある。
文庫本に至っては、
町山智浩さんがあとがきで、
枡野さんをこき下ろしているのだよ。
「離婚されても当然な、空気の読めなさ感」みたいな内容で。
あとがきって、無理してでもその本を褒めるものだと思っていたから、
ちょっと衝撃。
さらに、それを載せてしまうのも凄いし。
南Q太さんは、
映画、「さよならみどりちゃん」の原作者で、
その漫画は、エロ場面も多いけれど、
女の本質を突いている、
切ないお話を描く、
好きな漫画家さんの一人だ。
これはもう、南さんのお話も聞かなければ、
私には、どちらの言い分が正しいのかの判断がつかないよ。
南さんがこの件で、
何らかの意見を表しているのかどうかは、知らないけれど。
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