「藤圭子 わが歌のある限り」 [映画]
〔1971年/日本〕
本日、あと2時間足らずで、
新人歌手・藤圭子(藤圭子)のリサイタルが始まる。
しかし、圭子はまだ来ていない。
超満員の観客は、幕開けが待ちきれない様子。
圭子の師匠で作曲家の石中(天知茂)は、
信じていた。
圭子は必ず来ると・・・。
・・・圭子は、北海道旭川市で、
浪曲師の父と三味線弾きの母(長門勇・扇千景)の間に生まれた。
家は大変に貧しく、
両親、圭子、弟の4人で、興行に歩く日々。
そんなある日、母の目が見えなくなってしまう。
歌が上手いと評判だった圭子が、
母の代わりに舞台に立ち、
それを見た作曲家の石中が、
「東京で自分がレッスンをする」と言ってくれる。
厳しいレッスンのおかげで、
レコードデビューする事ができた圭子だが、
週刊誌に、ある事ない事書かれた事に
嫌気が差し、
旭川時代の先輩・吉田(田村亮)と暮らし始め、
もう歌手は辞めると言い出す・・・。
先日、宇多田ヒカルのライブに行った事を
書いたけれど、
↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2024-09-03
そうなると、やっぱり気になるのは、
彼女の母・藤圭子さん。
調べてみると、
藤圭子さんは、5本の映画に出演している。
そのうち、既に観ているのが、
↓ この2本
・盛り場流し唄 新宿の女(1970年)
・女子学園 ヤバい卒業(1970年)
観ていないのが、
↓ この3本。
・ずべ公番長 夢は夜ひらく(1970年、東映)
・涙の流し唄 命預けます(1970年、松竹)
・藤圭子 わが歌のある限り(1971年、松竹)
この機会に、
今日から連続3本を全部観るぞ!
藤圭子コンプリートだ!という事で(笑)、
最初に観たのが本作。
物語は藤圭子さんが5歳の時から始まり、
リサイタルを開く所までが、
自伝のように描かれる。
もちろん、脚色してある部分も多いだろうし、
逆に、彼女の人生の艱難辛苦は、
こんな短い映画では描ききれないだろうとも思う。
藤圭子を見出し、上京させ、
厳しいレッスンをした石中という作曲家は、
Wikipediaを見ると、
石坂まさをさんだと思われるけれど、
劇中、石中は、
圭子を育てる事に夢中になるあまり、
夫婦関係が崩壊し、
家庭がめちゃめちゃになってしまうというエピソードがある。
もちろん、そんな事を圭子が望むはずはなく、
彼女は、大変に心を痛めるのだけれど、
今も昔も、
芸能界って、そういう事があるんだろうなぁと
思ったりする。
それにしても、藤圭子さんの名前が、
そのままタイトルになり、
脇を固めるのが大スターばかり
(伴淳三郎さん、坂上二郎さん、左とん平さんなどが、
チョイ役で出演)の映画が作られるなんて、
当時の彼女が、
どれだけ人気があったのかが、
偲ばれるようにも思う。
評価 ★★★☆☆