「蛇の道」 [映画]
〔2024年/日本〕
8歳の娘を惨殺されたアルベール(ダミアン・ボナール)は、
日本人の精神科医・小夜子(柴咲コウ)の協力で、
犯人と思われる男を拉致・監禁する。
2人は、事件に、
ある児童福祉団体が関わっている事に気付き、
団体の幹部をもう1人拉致する。
2人の容疑者に、
拷問を加えながら、
少しずつ、証言を得、
真相に近付いてゆく、
アルベールと小夜子。
しかしアルベールは、
全く無関係の小夜子が、
なぜそこまで熱心になるのか、
理由が分からず・・・。
黒沢清監督が、
1998年に作った同名映画を、
舞台をフランスに変え、
柴咲コウ主演で、
セルフリメイクした作品。
フランスで精神科医として働く柴咲コウが、
自分よりずっと体の大きい白人男性を、
拉致・監禁し、
表情一つ変えずに拷問する様子は、
不気味としか言いようがなく、
観ているこちらは、
その理由を知りたくて堪らなくなる。
柴咲さんは、この映画の撮影にあたり、
半年間、フランス語の特訓をしたそうだ。
そのフランス語が上手いか否かは、
フランス人でない私には分からないけど、
めちゃめちゃ流暢なのは分かる。
映画で描かれるような、
子どもの人身売買、臓器売買が、
本当にあるのかは分からないけど、
その殺され方は、
セリフを聞いているだけで、
耳を塞ぎたくなるような残忍さで、
アルベールが復讐したくなる気持ちも、
理解できる気がする。
西島秀俊が、
事件と関係のない、
柴咲さんの患者として出てくるんだけど、
外国暮らしをする日本人の八方塞な感じが、
経験のない私にも伝わってきて、本当に辛い。
彼は、柴咲さんが放ったアドバイスを、
別の意味に捉えてしまう。
心を病んでいるときは、
他人が良かれと思って言った事でも、
そう捉えるのだなぁと、
怖ろしいような気持ちになった。
1998年の哀川翔さん版も、
すぐに観てみるつもり。
評価 ★★★☆☆