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「恐山の女」 [映画]

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〔1965年/日本〕


下北半島の貧しい昆布漁の家に生まれた
アヤ子(吉村実子)は、
両親を養うため、
廓「七福屋」に売られる。


「七福屋」で初めてアヤ子を買ったのは、
材木問屋の主人・山村勘助(殿山泰司)。
アヤ子は先輩女郎から、
「男に惚れては駄目。
 身体は売っても、心は売るな」という、
心得を教わる。


女郎としての生活にも馴染んだ頃、
若い学生客・勘二郎(寺田農)と、
心を通わせるようになるも、
なんと、勘二郎が勘助の次男である事が分かり、
互いに愕然とする。


その後、
勘助は、アヤ子と睦み合っている最中、腹上死し、
勘二郎は、出征し、戦死。
すると、世間はアヤ子を、
「男殺しの不吉な女」と噂し始める。


ある時、「そんな噂は吹き飛ばしてみせる」と、
勘助の長男・勘一(川崎敬三)が店にやって来る。
しかし、勘一も交通事故で死に、
アヤ子の「男殺し」の汚名は、
ますます広がってしまう・・・。





以前、会社の先輩が、
「私の亡くなったお祖母ちゃん、
 絶対、青山さんと話が合うと思う」と言い、
「それなら、一緒に恐山に行って、
 イタコに、お祖母ちゃんを呼び出してもらおうよ」、
と、よく笑い合っていた。


そんなこんなもあって、
「恐山」は、私が日本国内で
行ってみたい、ベスト3に入る場所。


この映画は、そんな恐山がタイトルになっているので、
ずっと観たかった作品。


私は主人公の吉村実子さんが、
イタコの役をされるのかと、
勝手に思い込んでいたのだけれど、
そうではなく、
「親子3人を殺した、不吉な女郎」という
汚名を着せられてしまう役。


実子さんは何も悪くない。
むしろ、
気立てが良くて、
純粋な部分を失わない、可愛い女。


3人の男が死んだのだって、
全くの偶然で、
彼女が何かしたわけじゃない。


腹上死は、
たまたまそのタイミングで、
こと切れただけだろうし、
戦死なんか、彼女とは何の関係もないし、
事故死は、確かに、
その場にはいたけど、
川崎敬三さんが車の前に飛び出したのが悪い。


汚名を着せられてしまった実子さんの、
その後が凄い。


悪霊が憑いていると言われた彼女は、
母親に連れられ、
霊媒師にお祓いをしてもらうんだけど、


それは、そんな事したら死んじゃう、
というような過酷なもので。


いい女なのに、
可哀想な終わりだった。


評価 ★★★★☆

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