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「大阪町人」 [映画]

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〔1942年/日本〕


大阪の豪商・天野屋利兵衛(羅門光三郎)は、
妻や、幼い息子、
使用人たちと幸せに暮らしていた。


そんなある日、利兵衛は、
大石内蔵助から、
武器の調達を依頼され、
それを請け負う。


ところが、奉行所にそれがばれ、
捕らえられて、
「依頼主の名を言え」と、
激しい拷問にかけられる。


頑として口を割らない利兵衛に、
奉行所は、
彼を妻をも連れて来させて、
説得させるが・・・。





80年前の大映の映画。


「天野屋利兵衛は男でござる」という
決め台詞で有名な、
忠臣蔵のスピンオフ、といった作品で、
武器を調達した、
商人・天野屋利兵衛の、
実直な性格を描いた佳作。


なにせ利兵衛は、
武器調達の嫌疑をかけられ、
拷問を受けるも、
黙秘を貫く。


その理由は、
「商人たるもの、依頼主との信頼関係こそが命。
 守秘義務は死んでも守る」
というもの。
現代の、何でもかんでもyoutubeで暴露するような時代からすると、
これぞ人間の鑑。
(いや、現代は現代で楽しいが(笑))


さらに、利兵衛の妻も、妻の鑑。
彼女は、奉行所に脅されながらも、
「夫の商売に、妻の口出しはご法度。
 奥に引き込んでいるわたくしに、
 何を知っている事がございましょう」と、
言い通す。


実は、妻は本当の事を知っている。
利兵衛は、決して妻に何かを話したわけではないが、
利口な彼女は、
そんな事はお見通しなのだ。






この映画は、今年で4回目を迎えた、
「浪曲映画祭」で上映された1本で、
映画上映の後、浪曲が披露されるというイベントです。


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浪曲の演目は、
「天野屋利兵衛」。
浪曲師は、天中軒雲月さん、
そして、
三味線は、沢村美舟さん。


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浪曲では、
映画では描かれていなかった、
利兵衛の息子への拷問が語られ、
ちょっと驚きました。


奉行所は、利兵衛の口を割らせるために、
彼の幼い息子を、
彼の目の前で、
火責めにするという、
酷い話で。


私は浪曲は、
昨年の「第3回浪曲映画祭」の時に、
「雲右衛門とその妻」の後に披露されたのを聞いた、
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2021-06-29
2回だけで、
(ブログには書いていない)
全くの素人なのですが、
映画の後なので、
ストーリーも分かり易く、
楽しめました。


評価 ★★★★☆

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