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「息子の面影」 [映画]

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〔2020年/メキシコ〕


メキシコの田舎町で暮らすマグダレーナと、
未成年の息子・ヘスス。


ある日、ヘススは、
「親友のリゴと一緒にアメリカに行く」と言って、
旅立った。


2か月後。
ヘススから何の連絡もない事を不安に思ったマグダレーナは、
リゴの母親と共に、警察に行く。
しかし、あまりに行方不明者が多いため、
警察はマグダレーナたちの訴えにばかり構っていられず、
その代わりに、国境辺りで見つかった
多数の遺体の写真の中から息子を探せと言う。


すると、
リゴの惨殺死体と、ヘススのバッグが写った写真があった。
その状況から、
ヘススの生存は絶望的だったが、
マグダレーナは、
ヘススが生きていると信じ、探し始めた。


些細な手掛かりを頼りに、
ある村へ行く事にしたマグダレーナは、
途中で、
ヘススと似た年恰好の青年・ミゲルと出会い、
行動を共にするが・・・。





隣合った国同士でありながら、
アメリカとメキシコとでは、
まるで天国と地獄ほど違いがあるかのように描かれる映画は、
無数にある。


この映画は、
不法入国をする当事者でなく、
不法入国をすると言って出て行った、
息子・ヘススの身を案じる、
母親・マグダレーナの物語。


ヘススを探すマグダレーナに、
警察は言う。
「自分の意志で出ていったのだし、
 無事に出国できたのではないか」と。


けれど、マグダレーナは、
そうは思わない。
その根拠は、
「アメリカに入国できたなら、
 あの子は必ず連絡をしてくるはず」。


それは、息子の性格を知っている、
母親だけの勘のようなもの。


息子の親友の遺体の写真は見つかったけれど、
息子の写真は無かった。
きっと、息子はまだ出国はしておらず、
メキシコのどこかにいる。
探して連れ戻さねば。


その後は、
メキシコの、
無法地帯っぷりが、
これでもかと描かれ、
一体この国はどうなっているのかと、
空恐ろしいような場面、満載。


あれでは、
道を歩くことも、
バスに乗る事も、
いや、家に居ても危ないではないか。


まぁ、
「テスカトリポカ」を読んだばかりだし、
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2022-04-22
似た場面もあったりして、
メキシコの怖さは分かっているつもりだったけど、
それにしても。


ラストは想像を絶する。


評価 ★★★★☆

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