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「我等の町」 [映画]

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〔1940年/アメリカ〕


マサチューセッツ州ニューハンプシャーの
小さな町「グローヴァーズ・コーナーズ」。


医師の家・ギブス家と、
新聞編集者の家・ウェップ家は、
隣同士。


ギブス家の長男・ジョージ(ウィリアム・ホールデン)と
ウェップ家の長女・エミリー(マーサ・スコット)は幼馴染で、
ハイスクールに入ってから、
お互いを意識し始める。


勉強の苦手なジョージは、
ハイスクールを卒業したら、
大学には行かず、
叔父の農場で働こうと決めている。


エミリーは成績が良かったが、
ジョージからプロポーズされ、
それを受け、
卒業後、すぐに結婚。


二人は幸せに暮らしていたが、
2人目の子を出産する際、
エミリーは、
難産から仮死状態になってしまう・・・。





架空の町、「グローヴァーズ・コーナーズ」で
暮らす人々の、
1901年から1913年までの出来事を
描いた映画。


町のパーラーの男性が、
ナレーションというか、
進行役のような形で、
時々、物語の解説をする。
おそらく、80年前の映画としては、
画期的表現ではなかったかと思われる。


ただ、物語自体は普通で、
ラスト近くまで、全く事件も起こらない。


ジョージとエミリーの結婚も、
親の反対も全くなく、
三角関係になるわけでなく、
順調すぎるくらい、順調。


ハイスクールを出てすぐの結婚というのが、
今観ると、ちょっと早いかなと思うけど、
1900年の初めは、
全く違和感なく、
周囲も受け入れている感じがするし。


けれど、ラスト、
エミリーが、難産が原因で、
死の淵を彷徨い、
その時に見た幻覚には、
ちょっと考えさせられるものがある。


エミリーは、幻覚の中で、
結婚前の実家にいる。


そこには父がいて、母がいる。
母は、
忙しそうに家事をしていて、
なかなか、エミリーと向き合えない。


エミリーは、
「お母さん、とっても若いわ」
「もっと私を見て。私は十数年後に死ぬのよ」
と思い、
何事もない、平凡な日常がいかに
かけがえのない、大切なものなのかと知る。


本当に、私も、
こんな状況の中、
会いたい人に会うこともままならず、
今まで当たり前にしてきた事が
どんなに大切な事だったか、
やっと気付かされた感じなので、
あぁ、分かるなぁ、と。


平凡ながら、しみじみとした映画だった。


評価 ★★★☆☆

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