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「果しなき欲望」 [映画]

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〔1958年/日本〕


終戦の日から10年後の、ある駅。
胡散臭い、5人の人間が集合する。
彼らの目的は、軍医・橋本中尉が
この町に埋めた大量のモルヒネを
掘り出す事。


橋本が死亡したので、代わりに来たという女・志麻(渡辺美佐子)
薬剤師の中田(西村晃)
中華料理屋の大沼(殿山泰司)
ヤクザの山本(加藤武)
中学教師の沢井(小沢昭一)。


5人が、モルヒネを埋めた場所に行ってみると、
そこには肉屋が建っていた。
そこで、肉屋から20メートルほど離れた空き家を借り、
地下を掘る事に。


しかし、曲者揃いの5人のこと、
事はそう簡単には進まずに・・・。





戦時中、非合法で手に入れた何かを、
戦後、掘り出す、という物語は、
たまに観るけれど、
面白かったものもあれば、
ガッカリ感ハンパないものもある。


そんな玉石混交の中、この映画は、
中々面白い。


最初から、怪しい。
なぜなら、集合する約束の人間は4人のはずなのに、
なぜか5人いる。
10年前の約束時、互いの顔を知らなかったのかという
疑問はあるけど、
とにかく、1人多い。


でも、今は、
誰が嘘をついているのか、
追究している時間はない。
とにかく、同じ目的の人間が集まったのだ。
掘って、掘って、掘りまくるしかない。


5人とも、
まぁ、お見事なくらい、自分の事しか考えていない(笑)。
タイトル通りの
まさしく、
「果しなき欲望」。


そして、後半になると、
皆の本性が、ますます剥き出しになって、
メンバーが死んでゆく。


元々、人の死なんか、
そう重く受け止めるはずもない彼らの事、
そんな場面も、
全然、暗くも、重くもなく、
「あ、死んだ」って程度。
この感じ、
邦画というより、
洋画に近い感じがする。


それにしても、
当時、モルヒネって、
そんなに金になったんだろうか。
あんなに命を賭けて掘り出すほどに。


それは今でいう、
覚醒剤みたいなもの?


もし、今の私が、
何らかの事情で、
覚醒剤を大量に手に入れたとしても、
捌き方が分からない(笑)。


埋もれた何かを掘り出すとしたら、
現金か、
せめて金塊や、宝石の方がいいな(笑)。


評価 ★★★★☆

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