「誰もがそれを知っている」 [映画]
〔2018年/スペイン〕
アルゼンチンで家族と暮らすラウラ(ぺネロペ・クルス)は、
妹の結婚式に出席するため、
故郷のスペインの村に帰省する。
結婚式は、にぎやかに、滞りなく進んだが、
ふと気が付くと、
ラウラの娘で、16歳のイレーネの姿が見えない。
必死でイレーネを探すラウラのケータイに、
「イレーネを誘拐した。身代金を用意しろ」とのメッセージが届く。
半狂乱になったラウラのために、
幼馴染で、元恋人のパコ(ハビエル・バルデム)は、
事件解決に向け、奔走するが・・・。
試写会で観た。
タイトルが意味深ね。
「誰もがそれを知っている」=知らない人なんて誰もいはしない。
つまり、主人公ラウラの故郷である、
スペインの田舎の村は、
あまりに閉鎖的で、
どんな事でも、
個人の秘密でも、
村人が知らない事なんか、有りはしない、という意味なわけで。
当然、恋愛沙汰なんか、格好のネタなんだけど、
それ以上に、
この映画で何度も出てくるのが、
お金の事。
あの人は、いくらくらいの資産を持っている、
あの人は、あの土地をいくらで買った、
などなど、
金銭に関する全てが筒抜け。
そりゃあ、事件も起こるわ。
人々は、そんな村が好きではないんだけど、
かといって、そこを出る事もできない。
だから、結婚して、村を出た、
主人公・ラウラは、羨望の的。
帰省して、みんな歓迎はしているのだけれど、
どこか、「あんたばっかり」みたいな空気があって。
ただ、一つ、私には分からない事がある。
スペインから、アルゼンチンに移住するって、
それは、「上がり」なのか?
私からすると、大して変わらない、というか、
スペインの方がいいような気もするんだけど。
向こうの人にしてみたら、
南米とはいえ、アメリカに近いアルゼンチンの方が、
より都会という感覚なのだろうか。
この試写会、
映画も楽しみだったけど、
それ以上に楽しみだったのが、
上映後のトークショー。
ゲストに、新潮社出版部部長の中瀬ゆかりさんが登壇されたのです。
※デイリースポーツさんより
※もう一人のゲストは、フリーライターの高橋ユキさん
知的で、面白くて、頼りになる親方って感じの中瀬さんが、
私は大好き。
笑顔もとっても可愛らしい。
以前、「5時に夢中」で、
中瀬さんがテレビに出ると、
「キティちゃん♪」と指差す、
2歳の女の子が話題になっていたけれど、
その子の言いたい事、ちょっと分かる(笑)。
で、トークショーの中で、中瀬さんが、
「結局、一番気の毒なのは、パコの奥さんですよね」を言ったのに、
おぉー!
私もそうよ、そう思っていたのよ、と、
めちゃくちゃ共感。
だって、何?あれ。
愛する彼が、
帰省してきた元カノのために、
必死こいちゃって、
で、その間、私の事は無視かよ、
私の話は聞いてもくれないのかよ、と、
女なら、殆どの人が思うだろうと思うなぁ。
実生活で夫婦の、
ペネロペ・クルスとハビ様の共演というのも、
興味深かった。
数々の大スターと浮名を流した、
恋多き女ペネロペが、
最後に選んだのは、ハビ様だったか、
やっぱり、何だかんだ言って、
同じスペイン人が良かったのね、と、
結婚した時、思ったものだ。
この映画の中で、
2人が2ショットになる場面も多いけど、
雰囲気といい、背格好といい、
似合いのカップルだなぁと、
しみじみ思った。
できれば、離婚なんて事にならずにいてほしい。
評価 ★★★★☆
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