SSブログ

じゅんの。 [時事]

「入口、出口、田口でーす」と言っていた頃が懐かしい。


男は、「二人のもの」。
女は、「自分一人のもの」。


女の愛の方が強いという事か。


それとも、年下の恋人を
犯罪に引き込んでしまった事への罪悪感なのか。

nice!(114)  コメント(6) 

「パリ、嘘つきな恋」 [映画]

parisusotsukinakoi.jpg
〔2018年/フランス〕


50歳のジョスラン(フランク・デュボスク)は、
無類の女好き。
だけど、深く関わる事はせず、
女は一夜の遊びだと公言している。


ある日、亡くなった母親の車椅子に座っていたところを、
隣に引っ越してきた女性・ジュリーに見られ、
ジュリーは、ジョスランが歩けないものだと勘違いしてしまう。


ジュリーは、ジョスランに、
姉・フロランス(アレクサンドラ・ラミー)を紹介する。
フロランスは事故で歩けなくなり、車椅子生活を送っているが、
テニスをし、
ヴァイオリンの公演で世界を飛び回るような、
アクティブな女性。


今まで会った女と全然違うフロランスに惹かれるジョスランだが、
自分が、本当は歩けるという事を、
言い出しそびれて、
そのまま逢瀬を重ねるようになってしまう・・・。





試写会で観た。


中年のプレイボーイが、
初めて恋に目覚めるも、
車椅子生活と勘違いされ、
それを言い出せずにいる、というコメディ。


このような事が、
現実にあるかどうかは別として、


やっぱりおフランスの人は、
恋愛上手ね。


フロランスが、とっても大人。
大人すぎ。
「そうくるの?」という展開から、
私だったら、あんな対応できるだろうかと思いながら、
観ていた。
すごく、カッコいい。


障害をテーマにしていながら、
まったく、重くなく、湿っぽくもなく、
むしろ、笑っちゃうような展開に、
心が軽くなる。


この映画で、
「嘘はどうの」とか「人を騙すなんて」とか、
そんな無粋な事は、言いっこなし。
コメディなんだし、
ある意味、
ジョスランが、車椅子だと勘違いされなければ、
フロランスとは出会えなかったわけだし、
どんな事でも、
自分のチャンスとして、繋げてゆく。
そこが大事。


それに、10代でもあるまいし、
この年になったら、
もう恋愛に、騙すも騙されるもないでしょ。
嘘なら嘘で、
一生、つき続けていてほしいし、
こっちも、つき続けるわ(笑)。
その瞬間が楽しくて、
本気なら、
それでいい。


実は、ジョスランは、
大きな靴の代理店の副社長で、
大変なお金持ち。
住んでるお家も、めっちゃ素敵。


で、自宅プールでのラブシーンは必見よ。
あんな演出されたら、
きゃー☆となってしまう(笑)。
やっぱりおフランスの恋は素敵。


評価 ★★★☆☆

nice!(124)  コメント(6) 

「誰もがそれを知っている」 [映画]

daremogasorewositteiru.jpg
〔2018年/スペイン〕


アルゼンチンで家族と暮らすラウラ(ぺネロペ・クルス)は、
妹の結婚式に出席するため、
故郷のスペインの村に帰省する。


結婚式は、にぎやかに、滞りなく進んだが、
ふと気が付くと、
ラウラの娘で、16歳のイレーネの姿が見えない。


必死でイレーネを探すラウラのケータイに、
「イレーネを誘拐した。身代金を用意しろ」とのメッセージが届く。


半狂乱になったラウラのために、
幼馴染で、元恋人のパコ(ハビエル・バルデム)は、
事件解決に向け、奔走するが・・・。





試写会で観た。


タイトルが意味深ね。
「誰もがそれを知っている」=知らない人なんて誰もいはしない。


つまり、主人公ラウラの故郷である、
スペインの田舎の村は、
あまりに閉鎖的で、
どんな事でも、
個人の秘密でも、
村人が知らない事なんか、有りはしない、という意味なわけで。


当然、恋愛沙汰なんか、格好のネタなんだけど、
それ以上に、
この映画で何度も出てくるのが、
お金の事。


あの人は、いくらくらいの資産を持っている、
あの人は、あの土地をいくらで買った、
などなど、
金銭に関する全てが筒抜け。
そりゃあ、事件も起こるわ。


人々は、そんな村が好きではないんだけど、
かといって、そこを出る事もできない。
だから、結婚して、村を出た、
主人公・ラウラは、羨望の的。
帰省して、みんな歓迎はしているのだけれど、
どこか、「あんたばっかり」みたいな空気があって。


ただ、一つ、私には分からない事がある。
スペインから、アルゼンチンに移住するって、
それは、「上がり」なのか?
私からすると、大して変わらない、というか、
スペインの方がいいような気もするんだけど。
向こうの人にしてみたら、
南米とはいえ、アメリカに近いアルゼンチンの方が、
より都会という感覚なのだろうか。


この試写会、
映画も楽しみだったけど、
それ以上に楽しみだったのが、
上映後のトークショー。
ゲストに、新潮社出版部部長の中瀬ゆかりさんが登壇されたのです。

daremogasorewoshitteiru2.jpg
※デイリースポーツさんより
※もう一人のゲストは、フリーライターの高橋ユキさん


知的で、面白くて、頼りになる親方って感じの中瀬さんが、
私は大好き。
笑顔もとっても可愛らしい。
以前、「5時に夢中」で、
中瀬さんがテレビに出ると、
「キティちゃん♪」と指差す、
2歳の女の子が話題になっていたけれど、
その子の言いたい事、ちょっと分かる(笑)。


で、トークショーの中で、中瀬さんが、
「結局、一番気の毒なのは、パコの奥さんですよね」を言ったのに、
おぉー!
私もそうよ、そう思っていたのよ、と、
めちゃくちゃ共感。


だって、何?あれ。
愛する彼が、
帰省してきた元カノのために、
必死こいちゃって、
で、その間、私の事は無視かよ、
私の話は聞いてもくれないのかよ、と、
女なら、殆どの人が思うだろうと思うなぁ。


実生活で夫婦の、
ペネロペ・クルスとハビ様の共演というのも、
興味深かった。


数々の大スターと浮名を流した、
恋多き女ペネロペが、
最後に選んだのは、ハビ様だったか、
やっぱり、何だかんだ言って、
同じスペイン人が良かったのね、と、
結婚した時、思ったものだ。


この映画の中で、
2人が2ショットになる場面も多いけど、
雰囲気といい、背格好といい、
似合いのカップルだなぁと、
しみじみ思った。
できれば、離婚なんて事にならずにいてほしい。


評価 ★★★★☆

nice!(143)  コメント(4) 

「ウィーアーリトルゾンビーズ」 [映画]

wearelittlezombies.jpg
〔2019年/日本〕


ヒカリの両親は、バス事故で死んだ。
イシの両親は、ガス爆発で死んだ。
タケムラの両親は、自殺した。
イクコの両親は、殺された。


この4人の子供たちは、
火葬場で出会った。
全員、両親をいっぺんに亡くしたというのに、
これっぽちも泣けなかった。
悲しいという感情がよく分からなかった。


そんな彼らが、
バンドを結成した。
名前は、「リトルゾンビーズ」。
その存在は社会現象になるのだが・・・。





試写会で観た。


ちょっと、今までに観た事のないタイプの映画かも。


主人公は、いきなり両親を亡くした子供たち。
とはいえ、
どの子も、両親からめちゃめちゃ愛されていた、
という感じではなく、
両親が死んだからって、
別に悲しくもなく、
それより、ゲームの方が大事、みたいな。


そう、とにかく、全編、
ゲーム感覚で物語が進んでゆく。
画面もそうだし、
電子音も殆ど途切れない。


そんな子供たちが、
バンドを結成するんだけど、
そのデビュー曲というのが、
耳に残って離れない。
すごくいい。


上映後、長久允監督による、
トークショーがあったのだけれど、

IMG_4824.JPG

ボーカルの二宮慶多くんは、
一応、歌の練習らしき事をしてみたけれど、
あまり上手くなりすぎるのが嫌で、
「もう練習しないで」と言ったそうだ(笑)。


たしかに、プロが歌ってるみたいじゃない感じが、
逆に、めっちゃ心に残る。
本当に、このメンバーで、
バンドデビューしたら面白いのに。
監督さんからのメッセージで、
公式MVをyoutubeにアップしたので、
ぜひ観てみてください、との事です(笑)。


こう言うのを観ると、
「今の子は」みたいな事を言いたくなるけど、
自分だって、
子供の頃、夢や希望があったかといったら、
大して何もなかった。


この子たちから、
ゲームとケータイを引けば、
自分もこんなものだったような気もするし。


監督さんが、
ヘラヘラ生きていたっていいじゃないかと言われて、
すっかりその気になった(笑)。
自分に都合のいい意見だけ、
取り入れる女(笑)。


評価 ★★★☆☆

nice!(121)  コメント(8) 

「長いお別れ」 [映画]

nagaiowakare.jpg
〔2019年/日本〕


東昇平(山崎努)と曜子(松原智恵子)の
老夫婦は、現在2人暮らし。
長女の麻里(竹内結子)は、夫の転勤でアメリカ暮らし、
次女の芙美(蒼井優)も、家を出て同棲中。


ある日、曜子から娘たちに、
「大事な話があるから、今度の昇平の誕生日に、
 実家に帰ってきてほしい」と連絡がくる。
久し振りに4人が集まるが、
昇平の言動がおかしい。
彼は、認知症になっており、
曜子は、それを知らせるために家族を集めたのだ。


昇平の面倒は、
基本、曜子がみているが、
手が足りない時は、芙美が呼び出される。
麻里は、アメリカにいるので、
すぐには駆け付けられない。


そんなある日、
父が行方不明となり・・・。





試写会で観た。


元校長先生で、
厳格だった父親が、
認知症になり、
家族がうろたえながらも、
面倒をみていく、という物語。


原作は、中島京子さんの小説で、
フィクションではあるけれども、
中島さんのお父様が認知症になられた時の
経験を元に書かれたお話しだそうだ。


親が認知症になるという、
重いテーマではあるけれども、
山崎努さんの演技が飄々としているうえに、
松原智恵子さんが、どこかすっとぼけていて、
劇場内からは、笑い声が何度も聞こえる。


それから、認知症の問題以外に、
長女の夫婦関係・親子関係の悩み、
次女の恋愛問題や仕事問題が挟み込まれ、
色々な世代や立場の人から、
共感を得られるようにもなっている。


特に次女は、
父が望んでいた教師になれず、
カフェの経営を夢見るも、
中々うまくいかず、
罪悪感を感じているという、辛い状況。


ただ、それでも私は、
この家族は幸せだと思う。


母親と娘たちは仲がいいし、
父親とだって、
基本的な人間関係の構築がされている。
世の中、
そんな家族ばかりではないもの。


このように、家族間の意志の疎通が、
上手くいっているというのは、
相性や、運などもあると思うけど、
私はとても立派だと尊敬する。
特に親御さんに対して。


長い年月の間には、色々な事があったと思うけど、
互いが互いを思いやり、
多少の欠点には目をつむり、
傷つけ合う事なく過ごしてきた結果だと思うから。


親子の仲がいいのは、
「当たり前」の事じゃない。


評価 ★★★☆☆

nice!(127)  コメント(8)