「ヘイト・ユー・ギブ」 [映画]
〔2018年/アメリカ〕
16歳の黒人女子高生・スターは、
スラム街に住んでいるが、
「意識高い系」の両親の方針で、
兄と共に、進学校に通っている。
学校では、
恋人も友人も、白人。
真面目なスターは、
スラングも絶対口にしない。
白人が使うとクールだけど、
黒人が使うとアバズレに見えるだけだ。
ある日、スターは、
地元のパーティに行き、
幼馴染で初恋の相手・カリルと出会い、
車で送ってもらう。
すると、途中でパトカーに止められる。
押し問答の末、
銃を持っていると勘違いされたカリルは、
警官に射殺されてしまう。
目撃者は唯一、スターだけ。
けれど、証言台に立てば、
学校でどう思われるだろう・・・。
悩み抜いた彼女は・・・。
試写会で観た。
上映前に、
「第57回 優秀外国映画輸入配給賞」の
授与式があった。
この式典には、一昨年の第55回の時も
参加させていただいていて、2回目。
↓
https://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2017-04-20
前回も書いたけれど、
映画好きには、たまらない式典。
2018年4月から2019年3月までに、
日本に輸入されたあらゆる外国映画の中から、
最も優れた作品を買った会社が表彰される。
今年の最優秀賞は、
20世紀フォックスさんで、
理由はやっぱり、「ボヘミアン・ラプソディ」の
買い付けだそうだ。
優秀賞のギャガさんも、
「グリーンブック」その他、素晴らしい映画を輸入されたけれど、
やはり、売り上げなども、審査の対象になるという。
個人的に、
「女と男の観覧車」その他を買い付けたという理由で、
ロングライドさんが奨励賞を受賞したのが嬉しかった。
「女と~」は、私の去年のベスト3に入る映画なので。
式典のあと、
20世紀フォックスさん配給の、
「ヘイト・ユー・ギブ」が上映されたわけだけど、
これも大変な見応え。
白人警官による、黒人射殺事件のニュースは、
日本でも、しょっちゅう耳にするし、
何度も映画になっているけれど、
何度見ても、毎回衝撃を受けてしまう。
まして、今回の映画の主人公は、
真面目な16歳の女の子。
不良の匂いは1ミリもしないし、
両親とも仲がいい。
なのに、そんな事に巻き込まれて。
一つ教訓。
もし、アメリカで、
警察官に車を止められたら、
絶対、逆らってはいけない。
ダッシュボードに手を置いて、
警察官の指示に従った方がいい。
それは、権力に屈服するのとは絶対に違う。
自分の命を守るため。
とにかく、相手の気の済むようにさせて、
やり過ごすため。
それに、警察官の説明にも一理あるな、と思った。
同乗している女の子が、
もしかしたら、監禁されているのではないか、
乱暴されているのではないか、と、
あらゆる可能性を考えるという。
これが、警察官が主人公の映画だったら、
また感想も変わってくるだろう。
犯罪を取り締まるというのも、大変な事だ。
もちろん、
人種差別や、
いじめのような事は、
絶対にあってはならないけれど。
評価 ★★★★☆