「ザ・プレイス 運命の交差点」

〔2017年/イタリア〕


街角のカフェ「ザ・プレイス」の
一番奥の席に、
その男はいつも座っている。


彼の前に、ひっきりなしに誰かが座り、
そして悩みを打ち明ける。


彼は言う。
「その願いを本気で叶えたいなら、
　私が言う事を実行しなさい」と・・・。





試写会で観た。


舞台はたった一つ。
街角のカフェ。


その店の奥の、
いつも同じ席に座っている男は、
悩める者たちの話を聞き、
そして、願いを叶えるには、
男の命じる事をすればいいと言うのだけれど、


それが、まぁ、
ほぼ、犯罪絡みで、
それは無理、と思われる事ばかり。


小児癌の息子を助けたいと言う父親には、
他人の子供を一人殺せ、とか、
全盲の青年の目が見えるようになりたいのなら、
女をレイプしろ、とか、
アルツハイマーの夫を治したいという妻には、
人の集まる場所に、爆弾を仕掛けろ、とか。


流れは単純だけど、
この映画に答えはない。
解釈は、観客に委ねられるている。


私は、
どのような境遇に生まれようとも、
それを受け入れて生きるしかない、
無理に運命を捻じ曲げても、
それが幸せなのか、
と問うているのかな、と思ったのだけれど、


ただ、もっと宗教的な解釈もあるようで、
男は、堕天使で、
相談者は悪魔とか。
宗教と無縁の自分は、
そういった発想がまず、
頭に浮かんでこないや（笑）。


私が、この男に相談したい事があるとしたらなんだろうと考えたけど、
とてもここには書けない（笑）。


この男、
毎日同じカフェの同じ席に朝から深夜まで座っていて、
店の人は何も言わないのか、
その席に、誰か別の人が座ってしまったらどうするのか、とか、
そんな事が気になってしまう（笑）。


ただ、一応、
3度のお食事は、そこでとっているようで、
食べてるものが、美味しそうで。
食いしん坊の私には、
人生相談より、食べ物の方が大事じゃ（笑）。


上映後、
映画パーソナリティのコトブキツカサさんと、
占星術研究家の鏡リュウジさんの
トークショーがあった。




トークの内容は、
この映画についてが殆どだったけど、
コトブキツカサさんが、
一つ、裏話に、
「ある試写会で、戸田奈津子さんとおすぎさんの間の席に座ってしまって、
　超緊張した」
というエピソードを面白おかしく話され、
大笑いしてしまった。


評価　★★★☆☆