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「アナイアレイション 全滅領域」 [映画]

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〔2018年/アメリカ〕


大学教授のレナ(ナタリー・ポートマン)のもとに、
軍の極秘任務に赴いたまま、
1年も行方不明だった夫が帰ってくる。


けれど、夫の記憶は曖昧で、
会話も殆ど成り立たず、
さらに、突然血を吐いたため、
救急車で運ばれる。


しかし、病院に向かう途中、
軍に拘束された、レナと夫は、
ある研究施設に連行される。


レナはそこで、状況の説明を受ける。
研究所が「シマー」と呼んでいる、
謎の空間があり、
夫は、その中に調査に入ったというのだ。


レナは、女性ばかりの、
新しい調査隊に自分を加えてほしいと頼み・・・。





試写会で観た。


いや、試写会というより、上映会か。
この作品は、
アメリカでは劇場公開されたものの、
日本ではNetflix限定だそうで、
それが今回、
渋谷のヒューマントラストシネマにかけられ、
観せていただいた、というわけで。


謎の空間、「シマー」とは、
一体どんなものなのか、
説明したいのだけれど、
自分の文章力では、上手い言葉が見つからない。


透明でシャボン玉色みたいな、
モヤモヤしたシールドのようなものがあり、
その中がどうなっているのか、
ドローンを飛ばしても分からない。
一つ言えるのは、
その「シマー」は確実に広がりつつあり、
このままでは、全土に広がってしまうという事。


ナタリー・ポートマン演じるレナは、
そこから生還した夫に何が起こったのかを
知りたいために、
新たに組まれた調査隊に、
自分も加えてほしいと、志願するわけだけど、


うーん、そもそも基本の問題として、
私だったら、
絶対行かないな(笑)。
怖ろしすぎる。


死にかけている愛する人をおいて、
未知の領域に入るなんて、
結局、共倒れになりはしないか?
・・・って、それを言っちゃ、
この物語は成り立たないけど(笑)。


シールドを抜けると、
中は湿地帯が広がっていて、
巨大なワニやら熊やらに、
襲われる。


それら、動物や植物は、
地球に存在するものと、
似て非なるもので、
レナたちは、
その中で、記憶障害のように、
昨日の事も思い出せないようになって・・・


あぁ、恐ろしい。
やっぱり私は絶対入らない(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「僕に、会いたかった」 [映画]

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〔2019年/日本〕


隠岐の島で、
漁師をしていた徹(TAKAHIRO)は、
12年前、海の上での事故で記憶をなくして以来、
漁には出ず、
港で働いている。


徹の母・信子(松坂慶子)は、
いつかは徹の記憶が戻るようにと、
日々、願いながら暮らしている。


そんなある日、
島に、島留学の3人の高校生、
めぐみ、雄一、愛美がやって来る。


めぐみたちは、
それぞれ、「島親」の元で生活しながら、
島の人々と、交流を深めていくが・・・。





試写会で観た。


EXILEのTAKAHIROという人が、
とても人気があるのは知っているけれど、
私は、EXILEが何かパフォーマンスをしたり、
トークをしたりという姿を、
ほぼほぼ、見た事がなく、
TAKAHIROさんも、なんとか顔が分かる、というレベル。


でも、そんな私でも、
このポスターに写っている彼は、
なんだか今までのイメージと違う、
というのは分かる。


この映画は、
記憶をなくしたTAKAHIROさんが、
母や、島の人々の尽力で、
それを取り戻し、
その過程で、
観ているこちらが、
え!そうだったの!
という、
ちょっと驚きの秘密を知る、物語。


全てのシーンが、
島で撮影されているせいか、
都会の喧騒とは無縁の、
とてもゆったりとした空気が流れているのが、
なかなかいい。


そういえば、
これを書きながら、ふと思い出した。


元AKBの板野友美さんが、
ご自身のブログに、
川遊びの写真をアップされた時、
その写真の隅っこに、
明らかに、TAKAHIROさんと分かる人物の腕が
写り込んでいたことがあった。
(EXILEは見た事ないくせに、
 芸能スキャンダルには詳しい私(笑))


世間は、
「匂わせするな!」
「わざとらしいことするな!」と、
散々な叩きようだったけど、
私は、その切ない女心、
ちょっと分かる気がしたなぁ。


モテモテで、
女性が放っておかないTAKAHIROさんを、
板野さんは、
「彼は私と付き合ってるのよ」と
世間に知らしめたかったんだろう。


けれど、その後、
TAKAHIROさんは、武井咲さんとデキ婚。


板野さん、辛かっただろうなぁ。
と、勝手に想像。
まぁ、恋は戦いだから仕方ないけど。
そんな時は、スッパリ諦めて、身を引いて、
次の恋に行くしかないのよねぇ。


・・・って、
映画と全然関係ない事書いてるじゃん(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「オーファンズ・ブルース」 [映画]

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〔2018年/日本〕


ある夏。

最近、物忘れが激しいエマは、
あらゆる事を、
付箋に書き、壁に貼っている。


そんなある日、
幼馴染のヤンから、
象の絵が描かれた便りが届く。


エマが、ヤンを探す旅に出ると、
途中で、
同じく幼馴染のバン、
そして、彼の恋人・ユリと出会い・・・。





試写会で観た。


京都造形芸術大学の学生だった、
工藤梨穂さんが、
卒業製作として撮った映画で、
第40回「ぴあフィルムフェスティバル」で、
グランプリを獲得したそうだ。


上映前に、
工藤監督と、俳優さんたちの舞台挨拶があり、
映画について色々なエピソードが語られた。


主人公のエマの、
記憶が欠落するという病は、
監督の祖母を様子を見ていて、
思い付いた事。


ちょっと無国籍な風景は、
ネットで探したあと、
監督ご自身が、見に行って撮影場所に決めた事。


出演者の一人、
佐々木詩音君は、
役作りのため、髪と髭を伸ばしていたけれど、
バイト先で髭が禁止だったため、
マスクをして働いていた事、などなど。


大学の卒業製作というだけあって、
とにかく皆さん、若い。
こんな風にして、
新しい監督さん、
新しい俳優さんが世に出てくるのだろう。
頑張ってほしい。


映画は、
ちょっとふわふわして、
掴みどころがない感じがいい。


若い主人公なのに、
記憶が失われる病気って、
どんなにか怖ろしいだろうと思ってしまう。


記憶が薄れないうちに、
懐かしい人に会うって、
なんか他人事とは思えないなぁ、
主人公より、
ずっと年上の私にしたら(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「コレット」 [映画]

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〔2018年/イギリス〕


イギリスの田舎町で育ったコレット(キーラ・ナイトレイ)は、
14歳年上の都会の作家・ウィリー(ドミニク・ウエスト)と出会い、
結婚し、パリに移住する。


ウィリーは、
浪費家で、借金が増える一方。
そんな中、彼はコレットの文章力に気付き、
彼女に小説を書かせ、
それを自分の作品として発表する。


コレットの書いた「クロディーヌ」シリーズは、
大ヒットし、社会現象にまでなるが・・・。





試写会で観た。


フランスを代表する女流作家・コレットの
半生を描いた映画。


それにしても多いなぁ、
男性が、女性の作り出したものを、
自分の作品として発表し、
地位と名声を得るって話が。


私が映画で観ただけでも3本目で、
そのうち2本が実話だから、
世の中には知られていない、
その手のエピソードがもっともっとあるかもしれない。


そして、なぜか、
その逆に、
男性の作品を、
女性が自分のものにして発表してしまうという話に、
私はまだ、遭遇した事がない。
でも、世の中はずいぶん変わった。
これから、そういう女性が出てきても、
おかしくはない気がする。
期待しているよ(笑)。


結婚前は、
お下げ髪をした、田舎の少女だったコレットが、
結婚後、
夫や、様々な人と付き合ううちに、
どんどん奔放な女性になってゆくのを、
面白く思った。


彼女は、男性だけでなく、
女性とも、恋愛するようになる。
夫もバイセクシャルだったというから、
元々そのような素養のあったコレットに
夫は惹かれたのかもしれない。


というのも、
上映後、
フランス文学者の鹿島茂さんと、
コラムニストの山崎まどかさんのトークショーがあったのだけれど、
コレットの夫のウィリーは、
「全く、何の能力もないくせに」
(ここで場内は爆笑)
人を見い出す才能にだけは長けており、


上手い文章を書く若い作家を見つけては、
勉強と称して、小説を書かせ、
自分の作品として発表していたという。


「全く、何の能力もない」って事ないじゃん(笑)。
凄い才能だよ。
自分の人生にプラスになる人間を見い出せる能力があるなんて、
羨ましい(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「ヘイト・ユー・ギブ」 [映画]

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〔2018年/アメリカ〕


16歳の黒人女子高生・スターは、
スラム街に住んでいるが、
「意識高い系」の両親の方針で、
兄と共に、進学校に通っている。


学校では、
恋人も友人も、白人。
真面目なスターは、
スラングも絶対口にしない。
白人が使うとクールだけど、
黒人が使うとアバズレに見えるだけだ。


ある日、スターは、
地元のパーティに行き、
幼馴染で初恋の相手・カリルと出会い、
車で送ってもらう。


すると、途中でパトカーに止められる。
押し問答の末、
銃を持っていると勘違いされたカリルは、
警官に射殺されてしまう。


目撃者は唯一、スターだけ。
けれど、証言台に立てば、
学校でどう思われるだろう・・・。
悩み抜いた彼女は・・・。





試写会で観た。


上映前に、
「第57回 優秀外国映画輸入配給賞」の
授与式があった。

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この式典には、一昨年の第55回の時も
参加させていただいていて、2回目。
 ↓
https://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2017-04-20


前回も書いたけれど、
映画好きには、たまらない式典。
2018年4月から2019年3月までに、
日本に輸入されたあらゆる外国映画の中から、
最も優れた作品を買った会社が表彰される。


今年の最優秀賞は、
20世紀フォックスさんで、
理由はやっぱり、「ボヘミアン・ラプソディ」の
買い付けだそうだ。


優秀賞のギャガさんも、
「グリーンブック」その他、素晴らしい映画を輸入されたけれど、
やはり、売り上げなども、審査の対象になるという。


個人的に、
「女と男の観覧車」その他を買い付けたという理由で、
ロングライドさんが奨励賞を受賞したのが嬉しかった。
「女と~」は、私の去年のベスト3に入る映画なので。


式典のあと、
20世紀フォックスさん配給の、
「ヘイト・ユー・ギブ」が上映されたわけだけど、


これも大変な見応え。


白人警官による、黒人射殺事件のニュースは、
日本でも、しょっちゅう耳にするし、
何度も映画になっているけれど、
何度見ても、毎回衝撃を受けてしまう。


まして、今回の映画の主人公は、
真面目な16歳の女の子。
不良の匂いは1ミリもしないし、
両親とも仲がいい。
なのに、そんな事に巻き込まれて。


一つ教訓。


もし、アメリカで、
警察官に車を止められたら、
絶対、逆らってはいけない。
ダッシュボードに手を置いて、
警察官の指示に従った方がいい。


それは、権力に屈服するのとは絶対に違う。
自分の命を守るため。
とにかく、相手の気の済むようにさせて、
やり過ごすため。


それに、警察官の説明にも一理あるな、と思った。


同乗している女の子が、
もしかしたら、監禁されているのではないか、
乱暴されているのではないか、と、
あらゆる可能性を考えるという。
これが、警察官が主人公の映画だったら、
また感想も変わってくるだろう。


犯罪を取り締まるというのも、大変な事だ。
もちろん、
人種差別や、
いじめのような事は、
絶対にあってはならないけれど。


評価 ★★★★☆

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