SSブログ

「続 夕陽のガンマン 地獄の決斗」 [映画]

zokuyuuhinogunman.jpg
〔1967年/イタリア〕


南北戦争末期。
ジョー(クリント・イーストウッド)と
テュコ(イーライ・ウォラック)のコンビは、
懸賞金を騙し取りながら、
旅を続けていた。


ある時、2人は、
砂漠の中を疾走する馬車を止める。
中にいた瀕死の兵士が、
墓地「サッドヒル」に、
20万ドルの大金を隠した、と言い残して死ぬ。


2人は、すぐに「サッドヒル」に向かったが、
同じく、その20万ドルを狙う
ガンマン・セサンテ(リー・ヴァン・クリーフ)と
三つ巴になり・・・。





上映会で観た。


3月8日に公開される、
ドキュメンタリー映画、「サッドヒルを掘り返せ」の公開記念で、
企画された上映会なのだそうだ。


奇しくも、
これを観た前日、「運び屋」の試写会に行ったばかり。
二日連続で、
88歳と36歳のクリント・イーストウッドを見た事になる。


私なんかが、わざわざ書くまでもなく、
イーストウッドが凄い人なのは分かり切っている事だけど、
やっぱり凄いよ、彼は。


長い間、
全く衰えることなく、
88歳の今でも、
映画の監督をし、演じる事もできる、
その力量。


それも、無理に若ぶった演技や演出をするわけでなく、
年相応の衰えや、哀しみを演じられる、
自分を認められる人。


そして、この「続 夕陽のガンマン」。
私は、こんな若い頃のイーストウッドを
劇場のスクリーンで観たのは初めてだけど、
いやー、掛け値なしのいい男だ。
本当にカッコいい。
自宅でDVDやビデオで観るより、
何十倍も画面に映える。
こういう人を、
本物の映画スターというのだろう。


映画も179分という、
めっちゃ長い作品だけど、
全く飽きる事なく、見入ってしまう。


クリント・イーストウッドとイーライ・ウォラックのコンビの
面白さ。
そして、20万ドルの金を求めて、紆余曲折の末、
墓地「サッドヒル」に辿り着いた瞬間の演出の素晴らしさには、
息を飲む。


先ほど、
ドキュメンタリー映画、「サッドヒルを掘り返せ」の
公開記念上映と書いたけれど、
この「サッドヒル」は、
本物の墓地ではなく、
スペインで、映画用に作られた墓地だそうで、
映画撮影後、50年もの間、
荒れ果てたまま、放置されていたのだそうだ。


で、2015年に、このロケ地に、
再び息を吹き込もうという有志が鍬やシャベルを手に集まり、
映画撮影当時そのままに整地した様子を撮ったのが、
「サッドヒルを掘り返せ」とのことだ。


正直、私は、
この「続 夕陽のガンマン」を観るまで、
「何で今更、そんな面倒くさい事を」と、
不思議な気持ちでいたのだけれど、


今なら、分かる。
「続 夕陽のガンマン」の墓地でのシーンに感動した人なら、
あの墓場を再現したくなるし、
参加は出来なくても、
「サッドヒルを掘り返せ」を観たくなる。


今、
5,000もの墓がある、広大な墓地を、
映画で描こうとするなら、
おそらくCGで作られる事だろう。
それはそれで、
私は映画が面白ければいいと思っているけれど、


でも、50年以上前の、
手作りの映画の凄さは、
やっぱりどこか違う。
「サッドヒルを掘り返せ」、観てみたい。


zokuyuuhinogunman2.jpg
墓地と言っても、日本のそれとは、
雰囲気も規模も違います(笑)。


評価 ★★★★☆

nice!(122)  コメント(6) 
共通テーマ:映画