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辻堂。 [できごと]

泣いて かけてゆけばそこに きらめく海原
けれど 受け入れはしなかった 私の弱さを
         「さまよいの果て波は寄せる」ユーミン


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東京生まれで、
今も、都内に住んでいる私ですが、
人生のある時期を、
神奈川県藤沢市の辻堂で暮らしていました。


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辻堂時代。
私の人生の中で、
最も、濃く、深く、
懸命に生きていた時間。


今も、その時の家がそのままになっているので、
時々、行っています。



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3月21日の辻堂海岸は、
曇りで、少し荒れ気味でした。
真夏の喧騒とは違う、
人の殆どいない湘南の海。


何時間でも見ていられるくらい、
好きな場所。





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車で、鎌倉方面に向かって少し走ってみました。


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あぁ、なんて素晴らしい景色だろう。
窓を開けると、
潮の粒が入ってくる。


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七里ガ浜でUターンしました。

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「赤線の灯は消えず」 [映画]

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〔1958年/日本〕


1958年3月に、
「売春防止法」が施行され、
赤線で働いていた女性たちは、
仕事を失う。


その中の一人・信子(京マチ子)は、
郷里に帰るも、近所の人たちに過去を知られ、
仕方なく、東京に舞い戻ってくる。


なんとか堅気になりたいと、
工場勤めや
屋台のおでん屋の手伝いや、
手荷物預かり所の受付をするのだが、
世間の風は冷たい。


一方、信子と一緒に赤線で働いていたヒデ(野添ひとみ)は、
上京してきた郷里の知り合い・宗吉(船越英二)との
結婚を夢見るが、
あるきっかけで、過去を知られてしまう・・・。





京マチ子映画祭で観た。

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赤線で働いている女性たちを描いた映画は、
観た事があるけれど、
赤線が廃止されてから、
その後、女性たちがどうなったかを
描いた映画を観たのは初めて。


ちょっとドキュメンタリー風で、
考えさせられる。
貴重な映画だと思う。


この映画での京マチ子さんは、
とても真面目で、健気で、
赤線廃止後は、決して売春はするまいと心に決め、
真っ当な仕事に就こうとするのだけれど、
必ず、邪魔が入ったり、
過去を知られたりして、
上手くいかない。


それは京さんだけでなく、
赤線にいた女性たちは、
みんな苦しんでいる。


京マチ子さんの真摯な演技も良かったけど、
野添ひとみさんを見られて良かった。


スラリとした手足、
そして、いかにも現代っ子風な態度。
彼女は、赤線にいた事を隠してはいるけれど、
京さんほど、重くは受け止めていないみたいだ。


「赤線があった方が良かった」という意見を
たまにネットや、その他の媒体で目にする事がある。


この映画でも描かれているけれど、
赤線がなくなっても、
人の欲望に変わりはなく、
売春組織は、暴力団の手に渡り、
地下に潜り、
かえって酷い状態になっただけだと。


それは難しい問題。
もし、赤線が廃止されず、
ラスベガスのように、
地域限定で売春が許されていたら、
日本の雰囲気は、また今とは違ったものになっていたかもしれない。


とはいえ、
ほぼ公認ともいえる風俗もあるわけだから、
そう変わりはないのかな(笑)。


評価 ★★★★☆




この作品で、
京マチ子さんの出演映画、100本中75本を観た事となりました。


(★は観た作品)


 化粧 (1984)
★男はつらいよ 寅次郎純情詩集 (1976)
 妖婆 (1976)
 金環蝕 (1975)
★ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 (1975)
★華麗なる一族 (1974)
★玄海遊侠伝 破れかぶれ (1970)
★千羽鶴 (1969)
 小さい逃亡者 (1966)
★沈丁花 (1966)
★他人の顔 (1966)
★甘い汗 (1964)
★現代インチキ物語 ど狸 (1964)
★女系家族 (1963)
★女の一生 (1962)
★仲よし音頭 日本一だよ (1962)
★黒蜥蜴 (1962)
★釈迦 (1961)
 小太刀を使う女 (1961)
★女の勲章 (1961)
★濡れ髪牡丹 (1961)
★婚期 (1961)
★お傳地獄 (1960)
 顔 (1960)
★足にさわった女 (1960)
 三人の顔役 (1960)
★ぼんち (1960)
★流転の王妃 (1960)
★女経 (1960)
★浮草 (1959)
★鍵 (1959)
★次郎長富士 (1959)
★夜の闘魚 (1959)
★女と海賊 (1959)
★細雪 (1959)
★あなたと私の合言葉 さようなら、今日は (1959)
★娘の冒険 (1958)
★夜の素顔 (1958)
★赤線の灯は消えず (1958)
★大阪の女 (1958)
★忠臣蔵 (1958)
★母 (1958)
★悲しみは女だけに (1958)
★有楽町で逢いましょう (1958)
★穴 (1957)
★夜の蝶 (1957)
★地獄花 (1957)
★女の肌 (1957)
★踊子 (1957)
★いとはん物語 (1957)
★スタジオはてんやわんや (1957)
★八月十五夜の茶屋 (1956)
★月形半平太 (1956)
★赤線地帯 (1956)
★虹いくたび (1956)
★新・平家物語 義仲をめぐる三人の女 (1956)
 新女性問答(1955)
★藤十郎の恋 (1955)
★楊貴妃 (1955)
★薔薇いくたびか (1955)
 春の渦巻 (1954)
 馬賊芸者 (1954)
★千姫 (1954)
★浅草の夜 (1954)
★春琴物語 (1954)
 愛染かつら (1954)
★或る女 (1954)
★地獄門 (1953)
★あに・いもうと (1953)
 黒豹 (1953)
★雨月物語 (1953)
 彼女の特ダネ (1952)
★大佛開眼 (1952)
★美女と盗賊 (1952)
★瀧の白糸 (1952)
★長崎の歌は忘れじ (1952)
★浅草紅団 (1952)
★踊る京マチ子 歌う乙羽信子 (1952)
 恋の阿蘭蛇坂(1951)
 情炎の波止場(1951)
 馬喰一代 (1951)
★源氏物語 (1951)
 牝犬 (1951)
★自由学校 (1951)
★偽れる盛装 (1951)
 美貌の海(1950)
 復活(1950)
★火の鳥(1950)
★羅生門 (1950)
★浅草の肌 (1950)
 遙かなり母の国 (1950)
★続蛇姫道中 (1950)
★蛇姫道中 (1949)
 最後に笑う男(1949)
★痴人の愛 (1949)
 三つの真珠 (1949)
★地下街の弾痕 (1949)
★花くらべ狸御殿 (1949)
 天狗倒し(1944)
 団十郎三代 (1944)


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「自由学校」 [映画]

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〔1951年/日本〕


ある朝、
小暮実千代は、パジャマのままでグズグズしている
夫・小野文春に
「早く会社に行きなさい」と叱咤した。


すると驚いた事に小野は、
1か月前に会社を辞め、
毎日外でぶらぶらしていたことを打ち明ける。
ショックを受けた小暮は、
思わず、「出ていけ!」と叫び、
小野は本当に出てゆく。


出ていった小野は、知り合ったルンペンと親しくなり、
ホームレスの仲間入りをする。
うるさい女房もいない、
自分は自由だ、天国だ。


すぐに帰ってくると思った小野が、
1週間も帰らず、
小暮は、小野の叔父の家に相談に行く。
しかし叔父夫婦は、
笑って、真剣には受け止めてくれない。


しかも、叔父の息子・大泉滉が、
小暮を気に入ってしまい、
結婚したいと言い出す。
彼には婚約者・京マチ子がいるというのに。
さらに、実業家の山村聡や、
近所の男・藤田進が小暮に言い寄り・・・。





2012年に、同じタイトルで、同じ内容の、
松竹版の映画を観た。

http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2012-02-18


これは当時、
松竹と大映が競作したのだという。
上映は、共に5月の連休で、
どちらも興行成績が良かった事から、
ゴールデンウィークという言葉が生まれたと知ってビックリ。


普段、何も考えずに使っていた言葉が、
映画から派生しただなんて、
本当に世の中には、
私の知らない事がどれだけあるんだろう。


で、やっと、大映版のソフトが見つかり、
観てみた。


松竹版と、内容はほぼ同じだけど、
この大映版は、
ビデオの映像状態があまり良くなく、
ちょっと観づらい。
それは映画の出来とは関係ないけど、
そういうって、微妙に映画の評価にも繋がってしまう。


女言葉で、主人公にまとわりつく男の子の役を、
松竹版では、佐田啓二が、
大映版では、大泉滉が演じているけれど、
私は、圧倒的に佐田さんの方が好き。
その理由は意外性。


あのイケメン俳優・佐田啓二が、
「おばさまぁ、おばさまぁ」と猫なで声を出すのが
面白いのであって、
大泉さんでは、通常運転のように思える(笑)。


この、大泉さんの様子は、
りゅうちぇる君を彷彿とさせた。
女っぽいんだけど、ゲイではなく、
女が大好き、という。
歴史は繰り返す、ということか(笑)。


自由ってなんだろう、というのがテーマなんだろうけど、
本当の自由なんて、おそらくは無いのだろう。
ホームレスが自由なのかと言えば、
そういうわけではないだろうし。


この手の物語のラストって、
いつも大団円で、
夫婦は、元の鞘に収まるけれど、
たまには違う結末を見てみたいものだ。
例えば、
小暮実千代と大泉滉が、
本当に結婚してしまうとか。


評価 ★★★☆☆





この作品で、
京マチ子さんの出演映画、100本中74本を観た事となりました。


(★は観た作品)


 化粧 (1984)
★男はつらいよ 寅次郎純情詩集 (1976)
 妖婆 (1976)
 金環蝕 (1975)
★ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 (1975)
★華麗なる一族 (1974)
★玄海遊侠伝 破れかぶれ (1970)
★千羽鶴 (1969)
 小さい逃亡者 (1966)
★沈丁花 (1966)
★他人の顔 (1966)
★甘い汗 (1964)
★現代インチキ物語 ど狸 (1964)
★女系家族 (1963)
★女の一生 (1962)
★仲よし音頭 日本一だよ (1962)
★黒蜥蜴 (1962)
★釈迦 (1961)
 小太刀を使う女 (1961)
★女の勲章 (1961)
★濡れ髪牡丹 (1961)
★婚期 (1961)
★お傳地獄 (1960)
 顔 (1960)
★足にさわった女 (1960)
 三人の顔役 (1960)
★ぼんち (1960)
★流転の王妃 (1960)
★女経 (1960)
★浮草 (1959)
★鍵 (1959)
★次郎長富士 (1959)
★夜の闘魚 (1959)
★女と海賊 (1959)
★細雪 (1959)
★あなたと私の合言葉 さようなら、今日は (1959)
★娘の冒険 (1958)
★夜の素顔 (1958)
 赤線の灯は消えず (1958)
★大阪の女 (1958)
★忠臣蔵 (1958)
★母 (1958)
★悲しみは女だけに (1958)
★有楽町で逢いましょう (1958)
★穴 (1957)
★夜の蝶 (1957)
★地獄花 (1957)
★女の肌 (1957)
★踊子 (1957)
★いとはん物語 (1957)
★スタジオはてんやわんや (1957)
★八月十五夜の茶屋 (1956)
★月形半平太 (1956)
★赤線地帯 (1956)
★虹いくたび (1956)
★新・平家物語 義仲をめぐる三人の女 (1956)
 新女性問答(1955)
★藤十郎の恋 (1955)
★楊貴妃 (1955)
★薔薇いくたびか (1955)
 春の渦巻 (1954)
 馬賊芸者 (1954)
★千姫 (1954)
★浅草の夜 (1954)
★春琴物語 (1954)
 愛染かつら (1954)
★或る女 (1954)
★地獄門 (1953)
★あに・いもうと (1953)
 黒豹 (1953)
★雨月物語 (1953)
 彼女の特ダネ (1952)
★大佛開眼 (1952)
★美女と盗賊 (1952)
★瀧の白糸 (1952)
★長崎の歌は忘れじ (1952)
★浅草紅団 (1952)
★踊る京マチ子 歌う乙羽信子 (1952)
 恋の阿蘭蛇坂(1951)
 情炎の波止場(1951)
 馬喰一代 (1951)
★源氏物語 (1951)
 牝犬 (1951)
★自由学校 (1951)
★偽れる盛装 (1951)
 美貌の海(1950)
 復活(1950)
★火の鳥(1950)
★羅生門 (1950)
★浅草の肌 (1950)
 遙かなり母の国 (1950)
★続蛇姫道中 (1950)
★蛇姫道中 (1949)
 最後に笑う男(1949)
★痴人の愛 (1949)
 三つの真珠 (1949)
★地下街の弾痕 (1949)
★花くらべ狸御殿 (1949)
 天狗倒し(1944)
 団十郎三代 (1944)


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「ピア まちをつなぐもの」 [映画]

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〔2019年/日本〕


ハーバード大学を卒業し、
都内の大学病院に勤務する高橋雅人(細田善彦)は、
父が病気で倒れたため、
渋々、実家に帰り、
家業の病院を継ぐ。


父の要望で、
訪問診療を始めた雅人は、
最初は気乗りがせず、
態度も横柄で、
ケアマネージャーから叱られてばかり。


しかし、様々な患者と接するうちに、
雅人の心に変化が現れ・・・。





試写会で観た。


いつもの試写会と、
少し雰囲気が違っていて、
観客の中に、スーツ姿の紳士が多く見られる。
おそらく、医療関係者の方々ではないかと思う。


在宅介護。
終末医療。
これらは、
100人いたら、100人の考えや、
希望があり、
難しい問題。


それに、本人や家族が
どんなに希望したって、
思い通りにいかない場合もある。


医療関係者さんや、
ケアマネージャーさんには、
頭が下がる思いだ。
もちろん、映画だから、というのもあるけど、
登場人物の皆さまは、
できるだけ、患者さんの希望に沿う形での、
医療方針を進めてくれる。


ちょっと残念に思ったのは、
末期癌になった水野真紀さんのエピソードに
時間を割きすぎた点。


水野さんは、
癌になるにはまだ若いと言っていい年齢で、
だから、子供も、まだ中学生。
そりゃあ、悲しいに決まっているし、
変な言い方だけど、
若い分、見た目も綺麗だ。


それより、
今、日本で問題になっているのは、
高齢者の介護をどうするか、
という事のような気がするんだけど。


命の問題は本当に難しい。


評価 ★★★☆☆

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「グッドラックLOVE」 [映画]

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〔1981年/日本〕


浪人生の亮二(田原俊彦)は、
ニューヨーク在住の兄・英一(寺泉哲章)の部屋に
居候を決め込む。


トランぺッターを目指す徹(近藤真彦)は、
ニューヨークで姉・順子(真野響子)と
2人暮らし。


ニューヨークの日本料理店で、
不法就労している健太郎(野村義男)は、
実は、日本の老舗料亭のお坊ちゃま。


そんな3人が出会い・・・。





たのきんトリオの人気が
爆発的だった頃、
何本か映画が作られたようだけれど、
最初の2本はマッチが主演だったようで、
3作目となる本作で初めて、
トシちゃんが主演を務めた作品のようだ。


ニューヨークニューヨークって、
かの地に行けば、
どんな夢でも叶うみたいな、
ノー天気さだけど、
まぁ、当時のアメリカは、
そのような認識だったのだろう。


なにせ、トシちゃんのダンスも、
マッチのトランペットも、
今見ると、笑っちゃうくらい拙い(笑)。


あれでプロになれるなら、
誰でもなれるだろうよ(笑)。


そんな内容だけど、
シリアスな味もプラスされる。


一つは、
トシちゃんの父親探し。
死んだと思っていたトシちゃんの父は、
実はニューヨークで生きていたのだ。
(またニューヨークだよ(笑))


もう一つは、恋。
トシちゃんは、
マッチの姉・真野響子さんに恋をする。


もちろん、一筋縄でいく恋でないのは、
簡単に想像がつくんだけど。


評価 ★★★☆☆

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