「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」 [映画]
〔2018年/日本〕
筋ジストロフィーを患い、
首と手しか動かせない
鹿野靖明(大泉洋)は、
入院を嫌い、
自宅で、大勢のボランティアのお世話になりながら
暮らしている。
ある日、ボランティアの一人、
北大医学部の学生・田中久(三浦春馬)の
恋人・美咲(高畑充希)に会った鹿野は、
美咲に恋をしてしまう。
奇妙な三角関係。
そして、
少しずつ悪化してゆく、
鹿野の症状。
それでも、生きる事を諦めない鹿野は・・・。
試写会で観た。
12月3日~9日が、
「障害者週間」という事で、
上映前に、
主演の大泉洋さん、
原作者の渡辺一史さん、
義足のアスリートである大西瞳さんによる、
舞台挨拶とトークショーがあった。
この映画の主人公で、
筋ジストロフィーを患う鹿野靖明さんの、
登場シーンは、とにかくワガママ(笑)。
ボランティアの皆さんに向かって、
あれしろ、これしろ、
深夜にバナナ買ってこい(笑)、と、
それはもう、言いたい放題。
そんな彼を見て、
「最初は疑問に思うと思うんです」と
大泉洋さん。
本当にその通り。
なんで、ボランティアの皆さんは、
こんなに彼の言いなりなの?と、
私も、とても疑問だった。
でも、彼がそうするのには、
ちゃんと理由がある事が分かってくる。
それに、鹿野さんが、
それほど嫌な人間だったら、
いくらボランティアとはいえ、
人がどんどん離れていくと思うのだけれど、
そのような事はなく、
多くの人が彼を支えてくれている。
実際に、鹿野さんの介助ボランティアをしていた、
原作者の渡辺さんは、
鹿野さんに出会って、人生が激変したと言う。
大泉洋さんは、
この役を演じるうちに、
「人はもっと、
自分に出来ない事を、
人に頼ってもいいのではないかと考えるようになった」
と話された。
現実にそれは、
色々躊躇してしまう事の方が多いけど、
時には、そういう、
いい意味での図々しさも必要なのかも。
大西瞳さんの義足が、
とても綺麗で、
目を引いたのだけれど、
何と大西さんは、
綺麗な布を買って、
手作りされているのだそうだ。
義足だって、オシャレに。
その気持ち、分かる。
評価 ★★★☆☆