「この世界の片隅に」 [映画]
〔2016年/日本〕
昭和19年。
18歳のすず(声・のん)は、
生まれ育った広島市から呉市へ、
嫁いだ。
のんびりしたすずは、
嫁ぎ先で、失敗も多かったが、
夫や、義父母や、義理姉や、義理姉の娘との
生活も軌道に乗り始める。
そんな中、戦況は厳しくなり、
軍港のある呉は、
アメリカ軍から、格好の標的にされ・・・。
先日、茨城県に旅行に行った時、
昭和な映画館、
土浦セントラルシネマズに行ったと書いたけれど、
↓
https://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2018-09-20
その時、観たのが、
この、「この世界の片隅に」です。
2年前に公開され、
すでにもう、DVDのレンタルもされているこの作品を、
劇場で観るのは、
一瞬の迷いがありましたが、
でも、大変に評価が高い作品だと聞いているし、
せっかく来たのだから、と、
チケットを買ったのです。
感想は、といえば、
もう、言葉もありませんでした。
こんなのんきな主人公で、
のんきな絵で、
出だしはのんきな物語だというのに、
緊張感が半端ないのです。
主人公のすずが、
のんきな女の子であればあるほど、
何か悪い予感、
この先、何か嫌な事が起るに違いない、という、
ピリピリした感じに満ちている。
時代が、昭和19年、
場所が広島、と聞けば、
「歴史を知っている日本人なら、当然だろう」
との向きもありましょうが、
でも、同じ題材を扱った映画の全てから、
これほどの緊張感が伝わってくるのかといえば、
そういうわけではありません。
詳しくは書けませんが、
広島で起こった戦争の悲劇は、
原爆だけではない、というか、
おそらく、戦争中は、
日本のあらゆる所で、人の数だけ、
悲しみがあったであろうことが、
これを観ると分かります。
そして、この映画の良さを、
さらに引き出しているのが、
すずの役を担当されている、
のんさんの声。
こんなに、絵や内容と合った声ってあるんだろうか、
というくらい、ピッタリで、
素晴らしかったです。
のんさん、これからも頑張ってほしい。
本当に観て良かったです。
この映画のDVD、
実はちょうど、友人からお借りしていたものですから、
茨城県から帰ったその日のうちに、
もう一度、観ました。
記憶をさらに上書きできてラッキーでした。
多くの方に観てほしいと心から思っています。
評価 ★★★★★