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「ヒトラーと戦った22日間」 [映画]

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〔2018年/ロシア〕


第二次世界大戦下、
ユダヤ人収容所・ソビボルには、
毎日、列車いっぱいのユダヤ人たちがやって来ては、
ほぼ全員が、
ガス室で殺される。


役に立ちそうな仕立て屋などの職人は
殺されずに済むが、
彼らには壮絶な虐待が待っている。


そんな日々の中、
一部のユダヤ人たちが、
収容者全員の脱走を計画し始める。


それは困難で危険な計画だ。
彼らは綿密な打ち合わせを始め・・・。





試写会で観た。


昨日、「singlemom」の感想で、
「この映画には夢がない」と書いたけれど、
同じように書くなら、
この「ヒトラーと~」には、
心がない。


まずは、収容所に送られたけれど、
役に立ちそうだからと、殺されなかったユダヤ人たち。


彼らは、殺されずに済んでラッキーだった、なんて、
とても思える状況ではない。
自分の家族や恋人や友人が目の前で殺され、
自身も、激しい虐待に遭う。


それは、真っ当な神経を持っていたら、
気が狂ってしまうと思われるような出来事で、
心を殺し、心を持たず、
何も考えないようにする外、
生きる術がない、という意味で、
心がない。


そして、ナチスの将校たち。
一体どうすれば、
あんな風に、
笑いながら人を虐待し、殺せるのか、
それはもう、想像を絶する場面の数々で、
とても、人間のする事ではない。
そういう意味で、心がない。


酷い虐待の中で生きているユダヤ人たちは、
ここを抜け出そうと模索し、
ついに実行する。


それは手に汗握る緊張の場面で、
スクリーンから目が離せない。
頑張れ!なんとか成功してほしいと祈るような気持ち。


この話のいい所は、
その計画が、
自分たち数人が助かればそれでいい、というのでなく、
やるからには、収容者全員を脱出させなければ、
という事。


実話なのだそうだ。


評価 ★★★★☆

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