SSブログ

「高崎グラフィティ。」 [映画]

takasakigraffiti2.jpg
〔2018年/日本〕


群馬県高崎市の高校を、
今日卒業した高校生たち。
美紀(佐藤玲)は、
東京の専門学校に進学する予定のはずが、
父が、入学金未納のまま、
失踪した事に気付く。


寛子(岡野真也)は、
30代の恋人と、
すぐに同棲する気でいたが、
彼の様子がどうもおかしい。


優斗(萩原利久)は、
ヤンキーの先輩から、
一緒に中古車販売の仕事をしようと誘われ、
見学に行くが、
そこで行われている、
犯罪を目にしてしまう。


クラスメイトに、
「東大に受かった」と話していた康太(三河悠冴)は、
実は不合格な事を言い出せずにいる。


そんな中、直樹(中島広稀)は、
クラスメイトの女子に告白すると
意気込むのだが・・・。





試写会で観た。


上映前に、川島直人監督と、
メインキャスト5人の舞台挨拶があった。

takasakigraffiti.jpg
※映画.comさんより


この映画は、
「第一回未完成映画予告編大賞」で
グランプリを受賞した作品なのだそうだ。


この賞は、
まだ作られていない映画の、
予告編だけのコンテストで、
グランプリに選ばれると、
かなり高額の賞金が出るらしい。


これは、大変いい企画だと思う。
映画を作りたくても、
お金の無い、監督志望の若い世代の人たちが、
予告編を作った事で、
世に出られるチャンスが与えられる。


もちろん、予告と本編に、
大きな差がある場合もあろうが、
それならそれで、
勉強にもなるだろうし、
審査員に見る目がなかったとも言える。


で、この映画。


リアルと、リアルでない部分が、
渾然一体という印象。


リアルなのは、
高校生たちの、
危うい人間関係。


特に女の子たちは、
上っ面は、友人を心配する体で接しているけれど、
その心は嫉妬で渦巻き、
誰かが席を立った瞬間から、
悪口が始まる。
そういうのって、有りそうだなぁって。


優斗が、胡散臭い先輩から、
ロレックスをプレゼントされて、
組織ぐるみで犯罪をしている中古車屋に行く場面にしても、


観ているこちらは、
何とか理由をつけて帰ってきなよ、
今なら間に合うよ、と思うのだけれど、
それでも、その中古車屋と関わろうとする彼に、
イライラしてしまう。


リアルでないのは、
クラスメイトたちが、
互いの進路を、
卒業式当日まで、まるで知らない事。
そんな事ってある?(笑)


それから、
もう一つ、
東大に行こうとする生徒と、
他の生徒との落差。
この学校の偏差値は一体どれくらいなんだ?って(笑)。


映画のために、
バラエティに富んだ面子が必要なのは分かるけど、
あまりに現実とかけ離れてると、
ちょっとガッカリするというか。


全体的には、
若い世代の悩みが
上手く描かれていて、
真剣に観てしまった。
悪い映画ではなかった。


評価 ★★★☆☆

nice!(55)  コメント(6) 
共通テーマ:映画