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「ウインド・リバー」 [映画]

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〔2017年/アメリカ〕


ワイオミング州のネイティブアメリカン保留地・ウインド・リバーで、
地元のハンター・ランバート(ジェレミー・レナー)は、
若い女性の遺体を発見する。


すぐに警察に連絡したランバートだが、
やって来たのは、
FBIの若い女性捜査官・ジェーン(エリザベス・オルセン)一人だけ。


死んでいたのは、
ランバートの友人で、
ネイティブアメリカンのマーティンの娘・ナタリー。


ナタリーは、この酷寒の地で、
薄着で裸足。
さらに、検死結果から、
何者かに凌辱されていた事が分かる。


犯人から逃走した末の
死である事は明らか。
しかし、
直接の死因が寒さによる肺出血のため、
殺人事件にならない。
そこでランバートは・・・。





見応えのある傑作。


アメリカにおける、
ネイティブアメリカンの現状、
女性に対する暴力、
復讐、
夫婦や親子の在り方など、
盛りだくさんの内容でありながら、
複雑ではなく、
くどくもない。


ワイオミング州という、
日本人にはあまり馴染みのない地で起こった、
若い女性の死。


それは、
女の私には見るに堪えない場面で、
でも、リアルだからこそ、
犯人に対する怒りに体が震え、
そして、その後の顛末に、
「よっしゃ!」と叫びたくなるような、
ある種の爽快感を覚えるような、
流れがある。


ある場面で、
あの名作「羊たちの沈黙」と似た
演出がされていて、
そこも大変に上手い。


それは、パクりというわけではなく、
観る者を自然に、
違う時間や、
違う場所に連れてゆくという手法で、
とてもいい。


それから、1つ。
スクリーンを見つめながら、
最近、私が考えていた事が、
めっちゃいいタイミングで現わされていたので、
ちょっと書いちゃう。


この映画の中で、
激しい銃撃戦の場面があり、
私はそれを、
「犯人をその場で射殺」できる国はいいなぁと、
思いながら観ていた。


というのも、
最近、日本で行われた死刑について、
欧米から、批難の声が上がったばかり。
ローマ法王まで、文句を言っているとか。


けれど、
「その場で射殺」しても問題の無い国と、
死刑をする国との間に、
一体、どこにどう違いがあるんだろう。


きっと、批難している人たちは、
日本の警察官が、
たった一発、拳銃を撃っただけで、
警察署長が出てきて、説明会見するほど、
大事になる事を知らない。


だから、そんな無責任な事が言えるんだ。
国にはそれぞれ、
国民性や、やり方がある。
それは他国の人には絶対に分からない。
ほっといてくれ。


評価 ★★★★☆

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