「ゆずりは」 [映画]
〔2018年/日本〕
安宅葬儀社で営業部長を務める
52歳の水島正二(滝川広志)は、
真面目で、
どんな時でも、
仕事に全力投球だ。
ある日、社長の松波平二郎(勝部演之)から、
新入社員の面接を任された水島は、
葬儀社には到底向いていそうにもない、
茶髪でチャラい若者・高梨歩(征木玲弥)に、
なぜか心惹かれ、
周囲の反対を押し切って採用する。
初めての営業に連れ出された歩は、
夫を亡くした老婦人の思い出話に涙を流す。
人の心に自然に入り込む、
豊かな感受性を持った歩に、
水島は、ハッとするものを感じる。
実は、水島は、
妻を自殺で亡くし、
以来、心を上手く開けずにいたのだ・・・。
試写会で観た。
上映の前に、
主演の滝川広志さん、
新入社員役の征木玲弥さん、
加門幾夫監督による舞台挨拶があった。
※映画ナタリーさんより
滝川広志、といっても、
多くの方が「誰?」と思うでしょうが、
これは、物真似芸人・コロッケさんの本名で、
今回は、笑いは全て封印し、
撮影に臨んだのだそうだ。
その意気込みは大変なもので、
挨拶の中で、コロッケさんは、
「裏・コロッケとして、いつもとは違う自分を見てほしい」と
語られ、
また、監督さんも、
「コロッケさんは、撮影の間は自宅に帰らず、
撮影地の千葉県八千代市のホテルに泊まって、
八千代市民になり切るように努力していた」と
裏話を披露。
その力の入りようが分かる。
途中、美川憲一さんからの
ビデオメッセージが届き、
会場は大盛り上がり(笑)。
これは余談だけど、
私の後ろの席の、
20歳前後と思われる女の子2人が、
舞台挨拶前に、すごくテンションが上がっている様子だったので、
「この若さで、コロッケさんの熱狂的なファンとは珍しいなぁ」と
ちょっと意外な気持ちでいたら(すみません(笑))、
そうではなく、
征木玲弥さんのファンなのだと分かった。
そっか、そうよね、それなら納得(ますます、すみません(笑))。
映画は、
コロッケさんの仰る通り、
とてもシリアスで、
考えさせられる内容。
様々なエピソードが描かれていたけれど、
一番辛かったのは、
いじめで自ら命を絶った女子中学生の葬儀の場面。
いじめの加害者とはハッキリ描かれてはいなかったけど、
同級生と思われる女子が3人、葬儀に参列し、
この子たちが、
ヘラヘラとした様子で、
ケータイをいじり、
おおよそ、葬儀に来ているとは思えない、
人を小馬鹿にした酷い態度でいるのを見て、
いじめられて死んだって、
加害者は、反省も、後悔もしやしないと
やりきれない気持ちになって。
葬儀の仕事をしていると、
実際、本当に色々な事があるのでしょうね。
評価 ★★★☆☆